番外編 - Win10 Creators Update後の603HWによる障害
e-Gadget
2017/05/21
追記 2017/08/02
制限モードについて追記 2017/10/14
これまでモバイル通信のために Y! Mobile Pocket WiFI 305ZT を使ってきました。
来月で2年縛りの契約が終了することから、Y! Mobileから電話があり、新機種と新契約 (3年縛り) への切替の勧誘がありました。この勧誘電話で切替えると1万円の値引きがあり、その他の話を聞いた限りでは 305ZT の契約よりも良さそうなので、切替えました。
Win10 Creators Update後、603HW を原因とした Windows 自体の障害が確認されたので、急ぎ公開します。なおこの障害は、いずれ解消される可能性はありますので、現時点 (2017/05/21)での情報としてお読みください。
先ずは、603HW の非常に簡単なレビューから...
603HW は 305ZT と縦横はほぼ同じサイズで、厚みと重量は小さくなっています。305ZTにほぼピッタリサイズのポーチに入れて持ち歩いていたのですが、同じポーチに収まっています。
Y! mobile の Pocket WiFi は、機種ごとに契約内容がほぼ決まっているので、以下では機種名だけの表現をしますが、その機種用の契約内容を含んでいるものとします。
私の使用環境では、
と言っておきます。速度が期待外れとは言っても、YouTubeやその他の動画配信はストレスなく楽しめるので、私にはマイナス点はありません。一方で帯域制限の大幅改善は、私には非常にポイントが高いと言え、今のところは切り替えて良かったと思っています。
Y! Mobile の 603HW のページ現時点(2017-05-21)では、モバイルルーターとしては best effort で最も通信速度が速いようです。
実際に回線速度計測を行ってみると (
SPEEDTEST)、状況や時間帯で大きく異なるものの、最高値としては、
- 下り: 100.4 Mbps
- 上り: 11.48 Mbps
と、確かにかなり速い結果です (東京・多摩地区)。なんと、305ZT の実測の最高値とさほど変わわないのが面白いところです。
しかし平均的には、
- 下り: 50 Mbps 程度
- 上り: 7 Mbps 程度
で、これも 305ZT の平均と変わらない感じです。
最大 612 Gbps と謳っているだけに、速度を追求するには期待外れかも知れません。
一方、帯域制限については 603HWの契約は 305ZT の契約よりも大きく改善しています。
- 3日で10GB を超えると 1 Mbps程度に低下とのこと(未確認)、305ZT では 3 GB制限でした
- 1ヶ月で7 GB、但しアドバンスオプション契約をすると、アドバンスモードでは手続き無しで無制限になる
です。
私自身の日常的な使い方で 3日で 3 Gbps を超えることはよくあったのですが、10 GBを超えことは殆どありませんでした。つまり、3日で 10 GB での帯域制限は、とても大きな改善と言えます。WiMax に追従したものと思われますが、有り難い改善です。また3日での帯域制限がかかった際の実行速度は、305ZTの契約ではYouTubeなどの動画は無理だったのに対して、603HWでは問題無く動画が楽しめる程度の帯域は確保してくれています
[契約開始から2017/08/02までの状況] 。
1ヶ月で 7GB の制限は、305ZT でも無料で解除できたのですが、0.5 GBごとに手続きをする煩わしさがありました。一方、今回の 603HW は手続き無しで無制限に使えるので、利便性が大幅に向上しました。これも大きな改善です。
なお、この1ヶ月の通信量無制限は、アドバンスモード (AXGP) のエリア内でのみ適用となり、今のところ東京、名古屋、大阪を中心とした人口の多いエリアに限定されています。しかし、端末やWebでの設定により標準モード(LTE)にいつでも切替えて使え、このエリアはかなり広いため圏外の心配が殆どありません (通信量は1月7GBで帯域制限がかかるのは要注意)。
[2017/08/02 追記]しばらく使ううち、標準モードでしか繋がらない地域で動画を見る時は、docomo契約のスマホ (これも1月7GB制限) からテザリングして使うのが得策かも知れないと考え、7GB制限がかかる標準モードを使わずにdocomoのテザリングを併用する運用に切り替えています。うっかり者の私には、アドバンスモードへの切り替え忘れの心配がなくなる点がポイント。
===== 追記終わり =====
注意すべきなのは、標準モードでは1ヶ月 7 GB の制限が発生するので、アドバンスモードへ戻すのを忘れてはいけません。
ネットで多くの情報が得られますが、実際の通信速度が 305ZT と大差ないという話は、今のところ見かけません。
[2017/10/14 追記]My ymobile にログイン ⇒ [データ通信量の管理] ⇒ [ご利用状況の確認] で表示される 「ご利用状況」で、
・ステータス:通常速度
・現在の設定:制限モード
となっています。
アドバンスオプションを追加した契約にしているので、1月7GBを超えても、手続き無しかつ無償で低速度化しません。ところが、「制限モード」とあるので、気になって Y! Mobile に問い合わせをしたところ、ネットワーク設定をアドバンスモードにして、1月7GBの制限を実質解除している時に「制限モード」と表示されるのだそうです。正しい表記なわけです。
「制限モード」に対して「快適モード」は、有償で「快適モード」にした時にそのように表示されるようです。
===== 追記終わり =====
さて本題です。今回の障害は、
以下の2つの条件が揃った時に、Windows 10 64bit HOME が起動しなくなると言うものです。- Windows 10 Creators Update を行ったOS
- 603HW のドライバをインストール
但し、Creators Update は1つ前のバージョン (1607)に戻せて、戻した場合はこの障害は発生しません。この問題を回避する方法は以下2つ;
- Windows 10 Creators Updateを行わない。
- Windows 10 Creators Update 後 ドライバをインストールせずUSB接続での通信を行わない。但し、無線LANでは問題なく使え、USBで繋ぐと通信は行えないが充電機能は使えます。
この問題の原因の1つであるドライバは、603HW をUSB接続通信で使うためだけにインストールするものです。Webでの設定画面を表示するのは、USB接続しなくても無線LAN接続で可能です。
USB接続の通信は、LANよりも少し速くなること、603HWとPCの間が有線なのでセキュリティー上のリスクが少し減ること、といった利点はあります。しかし、仮にPCの USB3 ポートに繋いだとしても、実際問題として480 Mbps (USB2 の上限速度) を超える通信速度は出ないでしょうから、USB2 接続でも実際は問題なく、USB接続通信の速度上のメリットを享受することはほぼ無いでしょう。 従って、
Windows 10 Creators Update 後に ドライバインストールさえ行わなければ、実質的な問題な無いと言えます。なお、Windows 10 1067 では、603HWとPCを初めてUSB接続すると、自動的にインストールされます。
Creators Update後は、USB接続しても自動的にインストールされません。エクスプローラを立ち上げて、603HWを初めてUSB接続すると、603HWがドライブとして一旦表示され、それをダブルクリックするとドライバがインスト-ルされます。
User's Manual には、自動インストールされない時に、上記の手動インストールをするように説明がありますが、Creators Update後は要注意です。
なお、Y! Mobile のチャットサポートで、この障害について尋ねたところ、まだ障害としてデータベースには登録されおらず、ドライバの更新の予定は無いとのこと。但し、この障害については上申してくれるととのことで、障害の詳細を報告しました。
ドライバの更新をしてくれるか、或いは上記のような回避方法の公開にとどまるのか、そのあたりは Windows 10 の今後のアップデートの提供状況にもよるでしょうから、気長に状況を注視しようと思います。
Creators Update や、元に戻すのはそれなりに時間のかかるので、私同様の無駄な時間を浪費しないために、公開します。
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