fx-991MS 2nd edition のイースタエッグ - 診断機能
2020/02/22
追記修正 2020/02/23
追記修正 2020/02/23
▋fx-991MS 2nd edition について


fx-991MS 2nd edition
2002年発売の fx-991MS は国内では2005年には発売中止になっています。ところが、欧米ではつい最近まで継続発売されており、違法な模倣品が広く出回っています。そこで、カシオが模倣品対策として発売したのが、今回取り上げる fx-991MS 2nd edition です。端が丸く、正面からの製品写真を見ると厚みがあるように見えますが、最初の fx- 991MS よりも薄くなっており、僅かに縦が長くなっています。
⇒ fx-991MS 2nd edition 紹介ページ

製品パッケージの箱には、QRコードとホログラムのステッカーが貼ってあり、これで正規品であることが確認できるようになっています。
2nd edition になっても機能は同じですが、関数計算(コーデック)の精度が改善されています。
コーデックの精度を調べるために、角度をラジアンに設定。tan(π/2) = -∞ のところ、近似的に tan(355/226) を計算させると、tan( 演算精度のテストになります。
tan(355/226) = -7,497,258.18532558711290507183
※ ラジアン設定
機種 | 結果 |
fx-991MS | -7,497,094.876 |
fx-991MS 2nd edition | -7,497,258.44 |
fx-JP900 | -7,497,258.44 |
fx-5800P | -7,497,258.44 |
fx-CG50 | -7,497,258.44 |
fx-5800P、fx-CG50、fx-JP900 と同じ結果になったので、CPUは現在のものに置き換えられているのでしょう。
この 2nd editionのデザインは、他の機種にも広く適用されています。
海外では 旧MSシリーズや 旧ESシリーズがまだ発売されており、これらが 2nd edition になって同じデザインに変更されています。MS 2nd edition は濃い灰色、ES 2nd edition は黒と、シリーズで異なる色使いになっていますが、シリーズごとに筐体やキーの色とデザインを共通化しているので、品質を向上させつつコスト低減の効果がありそうです。
⇒ 海外でのカシオ関数電卓の一覧
国内向けでも同じデザインへの変更が始まっており、fx-375ESA と fx-290A も末尾にAを付けて、模倣品対策用の新デザインとなっています。
なお、近日発売予定のグラフ関数電卓 fx-9860GIII がサイズと色以外は、キーのデザインを含めて形状も構造も極めて似たデザインであるのは、興味深いところです。


[2020/02/23 追記]
※ 下記寸法に併せてイメージの縮尺を合わせています。fx-9860GIII は厚みはありますが、縦横が比較的小さいことも分かります。
・ | fx-JP900: | 11.1 x 77.0 x 165.5 mm |
・ | fx-991MS 2nd edition: | 11.1 x 77.0 x 161.5 mm |
・ | fx-9860GIII USB POWER GRAPHIC 3: | 18.7 x 83.5 x 175.5 mm |
▋fx-991MS 2nd edition の診断モード
診断モードに入るには、[SIHT] + [7] + [ON] を同時に押します。電源ON でも OFF かには関わらず簡易診断モードに入ります。
簡易診断モードは、一桁の数の加算あるいは減算問題がランダムに表示され、正解の1桁のテンキーを入力すると TEST OK と表示され通常計算モードになります。正解のテンキー以外のキーや[AC]キーを押すと TEST OK の表示無しに通常計算モードになります。
この加減計算による簡易診断モードは、これまでの他のモデルには無い新しいものです。
簡易診断モードで、[8] を押すか、[9] を押すか、[6] を押すかで、それぞれ異なる診断モードに入ります。
先ず、[8] を押した時の処理をみてみます。
操作 | 画面出力 | |
0 | [SHIFT]+[7]+[ON] | 簡易診断モードに入る |
1 | [8] | 1つおきにインジケータ点灯 マトリックスが千鳥格子で点灯 |
2 | [SHIFT] | 1つおきに別のインジケータ点灯 マトリックスの千鳥格子が反転点灯 |
3 | [SHIFT] | ROM512 P0000 AC と表示 |
4 | [AC] | 10 15 26 31 35 39 44 と表示される |
5 | 7つのキーを押してキーマトリックス試験を行う (※下記参照) | 正しいキーを押すと対応する数値が消える キーマトリックス試験が終わると全ての桁に上段と下段ともの 10桁の8が表示される 8888888888 8,888,888,888 |
6 | [SHIFT] | 電源OFF |
※ キーマトリックス試験での表示;
[CONST]を押す | 10が消える | [5]を押す | 35が消える |
[log]を押す | 15が消える | [1]を押す | 39が消える |
[ ) ]を押す | 26が消える | [0]を押す | 44が消える |
[9]を押す | 31が消える |
次に、[9] を押した時の処理です。[ON]を押せばいつでも診断モードがら抜けられます。
操作 | 画面出力 | |
0 | [SHIFT]+[7]+[OK] | 簡易診断モードに入る |
1 | [9] | インジケータと全ドット点灯 |
2 | [SHIFT] | インジケータと全ドット消灯 |
3 | [SHIFT] | 1つおきにインジケータ点灯、ドットが千鳥格子で点灯、7セグが半分点灯 |
4 | [SHIFT] | 1つおきに別のインジケータ点灯、ドットの千鳥格子が反転、7セグが反転 |
5 | [SHIFT] | ROM512 P0000 AC と表示 |
6 | [AC] | ◀L 09h D▶ AC CASIO と表示。ここで[◀] [▶} キーで液晶コントラスト変更試験可能 |
7 | [AC] | 00 と表示 |
8 | [SHIFT] | 01と表示、他のキーは受け付けない |
9 | [ALPHA] | 02と表示、他のキーは受け付けない |
10 | [上矢印] | 03と表示、他のキーは受け付けない |
11 | [右矢印] | 04と表示、他のキーは受け付けない |
12 | [MODE] | 05と表示、他のキーは受け付けない |
13 | [CALC] | 06と表示、他のキーは受け付けない |
14 | [積分] | 07と表示、他のキーは受け付けない |
15 | [左矢印] | 08と表示、他のキーは受け付けない |
16 | [下矢印] | 09と表示、他のキーは受け付けない |
17 | [x-1] | 10と表示、他のキーは受け付けない |
18 | [CONST] | 11と表示、他のキーは受け付けない |
19 | [分数] ~ [ln] まで順に押す | 12, 13, 14, 15, 16, 17 と順に表示、他のキーは受け付けない |
20 | [(-)] ~ [Ans] まで順に押す | 18 から 48まで順に表示、他のキーは受け付けない |
21 | [=] | TEST OK AC と表示 |
22 | [AC] | 診断モードから計算モードへ移行 |
最後に [6] を押した時の処理です。
操作 | 画面出力 | |
0 | [SHIFT]+[7]+[ON] | 簡易診断モードに入る |
1 | [6] | ◀L 09h D▶ AC CASIO と表示。ここで[◀] [▶] キーで液晶コントラスト変更試験可能 |
2 | [AC] | 診断モードから計算モードへ移行 |
[MODE]を6回押してから[2]で液晶コントラスト調整ができますがコントラストが定量的に表示されません。[6] で入る診断モードでは16進数の数値が表示されるので、より便利だと思います。
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