Casio Basic入門2
最終:2021/06/24
fx-5800P Casio Basic の主なコマンド
(1) 入力
・入力命令:?
・Getkey
(2) 出力
・出力命令:◢
・文字列出力: " "
・Cls
・Locate
(3) 代入
・代入:→
(4) ジャンプ
・Goto / Lbl
・Dsz / Isz
・⇒
(5) 条件分岐
・If 文: If ~ Then ~ Else ~ IfEnd
(6) ループ(繰返し)
・Goto / Lbl
・Do 文: Do ~ LpWhile
・While 文: While ~ WhileEnd
・For 文: For ~ To (~ Step) ~ Next
(7) 関係演算
・= / ≠ / > / ≧ / < / ≦
(8) 論理演算
・And / Or / Not
(9) 配列変数
・Z[ ]
(10) リスト
・List
(11) 行列
・MAT
・det( )
・Trn( )
・MAT A-1
など
(12) 実行制御コマンド
・Prog
・Break
・Return
・Stop
(13) 各種関数
・Int( ) / Frac( )
・log( )
など
(14) 出力設定コマンド
・EngOn / EngOff
・Norm / Fix / Sci
など
※ CasioBasic 特有のものは、入力:? 、出力:◢、代入:→ 、ジャンプ命令:Dsz / Isz / ⇒ です。これらの中で、特にジャンプ命令は、非常に利用価値の高いものです。
さて、多くのプログラミング言語と比較すると、カシオのプログラム電卓の CasioBasic は、覚えるべき項目が少ないのが利点です。一般的にパソコンでプログラミングを覚えるには、WindowsなどのOSの動作に関する知識、APIやMFC、様々な機能の多層構造などを知らなくてはなりません。プログラミングの本質を覚える前にギブアップとなりやすいと思います。
Casio Basic は敷居の低いプログラミング言語です。
[2021/06/24 追記修正]
いくつかのグラフ関数電卓を入手し、これらの Casio Basic についても調べています。機種が異なっても、ハードウェアの違いに伴うコマンドの違いは僅かです。グラフィックスに関しては、モノクロ液晶搭載グラフ関数電卓について詳しく調べて Casio Baisc入門 G01~G14 で紹介しています。そして、カラー高精細液晶搭載の fx-CG50 までを含めて Casio Basic の互換性について調べました。
⇒ Casio Basic - 機種別の互換性
これを見て改めて思うことは、機種間の互換性がかなりのレベルで保たれていることです。Casio Basic 入門には 価格面で入手し易い fx-5800P や fx-9750GIII が適していると思います。携帯性と関数電卓としての使いやすさの fx-5800P か 機能と処理速度の fx-9750GIII (マニュアルは英文のみ、但し fx-9860GII の日本語マニュアルがほぼそのまま使える) かで選択してください。
グラフィックスまでまで含めたプログラミングを楽しむのならば、現状では実質購入総額で 1万円を切っている fx-9750GIII も入門機として良いかも知れません。但し高精細カラー液晶を搭載し1万円程度で入手可能な fx-CG50 はお勧めです。
⇒ Casio プログラム電卓の価格動向
「CasioBasic入門」では、実際にプログラムを作りながら、多くのコマンド類を解説しています。作って面白く、ある程度実用的なプログラムを題材に取り上げていると思います。基本は fx-5800P 向けの内容ですが、グラフ関数電卓への移植についても触れています。
Casio Basic 入門と並行して、コマンドリファレンスも作っています。
⇒ CasioBasicコマンドリファレンス: 目次 (随時拡充中)
当初 fx-5800P 向けに書いていますが、グラフ関数卓電卓への適用についても、順次付記してゆきます。
4. CasioBasicを使ってみる
実際に手を動かしてプログラムを作ってみることが、プログラミングのスタートです。そして、正しく動作する簡単なプログラムを改良することが、プログラミング習得の最短の道だと思います。
そこで、実際にプログラムを一緒に作りながら、ゆっくりと確実に進めてゆきます。
Chapter 0
プログラム作成・実行の操作ポイント
多くの場合、電源を入れると以下のCOMPモードの画面になります。

fx-5800P は電源を切った時の状態が保存され、次に電源を入れた時に保存された状態で画面表示されます。従って電源を入れた時、上記のCOMPモードでない可能性もあります。
fx-5800P では、左上にある [MODE] キーが操作の起点となります。どのような状態であっても、[MODE] キーを押すと必ず以下に示すモード選択画面になります。

このモード選択画面では、メニュー番号を入力する以外に、この画面からの遷移はできません。
通常の電卓の画面にするには、[1] (1:COMP)、プログラムモードにするには、[5] (5:PROG) とします。
[5] (5:PROG) を選ぶと、以下の Program Menu 画面になります。

この Program Menu 画面から抜けるには、[MODE] キーを押してモード選択を行います。
プログラムの作成、実行、編修は、全てこの Program Menu 画面を起点に操作します。
プログラムの作成、実行、編修中に、[EXIT] キーを何回か押せば、必ず Program Menu に戻ります。
プログラムの作成、実行、編修でポイントとなる画面は、以下の4つです;
1) Program Menu 画面: [EXIT] キーを何回か押せばここに戻る

2) Prog Edit 画面: Program Menu から [3] (3:EDIT) で編修するプログラムを選択

3) Prog List 画面: Program Menu から [2] (2:RUN) で実行するプログラムを選択

4) プログラム編修画面: プログラムの作成、編修を行う

先ずは fx-5800P の取り扱い説明書 の88ページ以降の説明を読みながら、実際に操作をしてみてください。また、ハードカバーの裏側に説明のあるステッカーが貼ってありますので、それも少しは参考になります。
1. 最も多用するキー
プログラムの編集画面が表示されている時は、
・[FUNCTION] キー
・[EXIT] キー
・[MODE] キー
を押すと、必要なメニューが出てきます。これら3つのキーから始まる操作で、プログラム作成作業の殆どを行えます。
1.1 [FUNCTION] キー
これを押すと出てくるメニューのうち、最も多用するのが、「3:PROG」メニューと、「1:MATH」です。ここから Casio Basic のコマンドを選んで、編集画面でコマンドを書き込みます。
1.1.1 [1] (1:MATH) メニュー
様々な関数を選択して、プログラム編集画面に書き込めます。さらに、ミリ(m)、マイクロ(μ)、キロ(k)、メガ(M)といった、3桁区切りの接尾記号も、その本来の意味で使えます。例えば1000と書く代わりに1kと書けます。
また、" " で括られた中には、数字やアルファベット以外にも、表示すべき文字列を書き込めますが、「1:MATH」メニューから文字として書き込むこともできます。
1.1.2 [3] (3:PROG) メニュー
ほぼ全てのコマンドを、このメニューから選んで書き込めます。
また、" " で括られる中には、数字やアルファベット以外にも、表示すべき文字列を書き込めますが、「3:PROG」メニューから文字として書き込むこともできます。例えば、"<EXE>" などという表示は、「3:PROG」 メニューから、大小関係を判定する < や > を選んで文字として使えます。
1.2 「EXIT] キー
1つ前の表示に戻るために使います。分からなくなったら、[EXIT] キーを何度か押せば Program Menu へ戻ります。
1.3 [MODE] キー
Program Manu から抜けて、関数電卓の画面へ戻る時には、[1] (1:COMP) を選びます。
もし、うっかり [MODE] を押してしまうことがありますが、そこで出てくるメニューから [5] (5:PROG) を選べば、プログラム編集画面へ戻れます。この場合でも、作業中の内容はj保存されています。
2. プログラム実行の手順
作成したプログラムを実行するには、2つの方法があります。
・Program Menu 画面からのプログラム実行
・COMPモードからのプログラム実行: [FILE] キー
2.1 Program Menu 画面からのプログラム実行
Program Menu 画面で、[2] (2:RUN) を選び、ここで表示される Prog List からプログラムを選べば、実行できます。
2.2 COMPモードからのプログラム実行: [FILE]キー
[MODE] [1] (1:COMP) で遷移する、通常の電卓画面(COMP モード)で、プログラムを実行したい時に [FILE] キーを押します。そこで現れるプログラムリストから、プログラムを選んで実行します。
2014/01/21追記: 上記いずれの方法においても、プログラムリストが表示されている時、目的のプログラム名の頭のアルファベットを入力すると(例えば "P")、そのアルファベット("P")で名前が始まるプログラム名にジャンプします。もし "P" で始まるプログラムが無い場合は、アルファベット順で "P" よりも後ろの文字で始まるプログラム名までジャンプします。
プログラムリストが表示されている時はアルファベット入力モードになっているので、例えば "P" で始まるプログラムへジャンプさせるには、[ALPHA] キーを押さずに、いきなり [6] キー(このキーの右上にピンク色で "P" と印刷されています)を押すだけのワン・アクションなので、便利です。
3. アルファベットや数字の入力
[ALPHA] キー と [SHIFT] キーを使って、通常入力モード、ALPHAモード、SHIFTモードを切り替えて入力します。
[ALPHA] を押すと、画面左上に A が表示され、ALPHA入力モードになっていることを示し、キーの右上にピンク色で印刷されているアルファベットや記号を入力できます。但し、キーを1つ入力する前に必ず [ALPHA] を押す必要があります。[ALPHA] をもう一度押すと、画面左上の A が消え、キーに白で印刷されている数字や関数などを入力できます(通常入力モード)。
[SHIFT] を押すと、画面左上に S が表示され、SHIFT入力モードになっていることを示し、キーの左上にオレンジ色で印刷されている記号や関数を入力できます。もう一度 [SHIFT] を押すと、画面左上の S が消え、キーに白で印刷されている数字や関数などを入力できます(通常入力モード)。
[SHIFT] を押してから [ALPHA] を押すと、画面左上に A のみが表示され、ALPHA入力モードであることを示し、ALPHAモードで入力できるアルファベットや記号を、連続して入力できます。いちいちキー一つごとに [ALPHA] を押す必要がありません。
これで、プログラムを作成する準備ができました。
つづく...
⇒ Casio Basic (超)入門 / Casio Basic入門3 / 目次
応援クリックをお願いします。励みになるので...