fx-9750GIII の概要

 
初版: 2020/05/24
更新: 2020/05/31
OS3.40 へのアップデート:2020/10/18
OS3.50 へのアップデート:2021/12/30


Casio fx-9750GIII POWER GRAPHIC 3 

2020年4月、北米(アメリカとカナダ)限定で fx-9750GIII が発売されました。
2020年3月にヨーロッパ限定で発売された fx-9860GIII とは色が違うだけで機能はほぼ同じ製品です。
北米とヨーロッパで販売されている fx-9750GII の後継機であり、さらに fx-9860GII の後継機とも言えます。


fx-9750GIII_large   fx9860GIII
  fx-9750GIII     fx-9860GIII

2020年5月24日現在、Amazon USA での fx-9750GIII の価格は $51.34、一方 Amazon France での fx-9860GIII の価格は €123.77 で、日本への送料がそれぞれ掛かります。fx-9750GIII が半額近く安い設定になっています。 fx-9750GIII は、機能と価格の点で、最も推奨するモノクロ液晶グラフ関数電卓です。2020/05/31 時点で7千円台で入手できます。

ヨーロッパ向けグラフ関数電卓の紹介ページ
 - CASIO EUROPE のグラフ関数電卓のページ
 - CASIO WORLDWIDW EDUCATION WEBSITE のヨーロッパ向けグラフ関数電卓のページ

北米 (アメリカとカナダ) 向けグラフ関数電卓の紹介ページ
 - CASIO USA のグラフ関数電卓のページ
 - CASIO WORLDWIDE EDUCATION WEBSITE の北米向けグラフ関数電卓のページ

 CASIO INTERNATIONAL のグラフ関数電卓のページ

現在のところ最も安く入手する方法は Amazon USA からの購入で、この状況は続くと思われます。管理人が購入した時は COVID-19 によるロックダウンの影響でアメリカから日本への配送が止まっていたので、セカイモンで購入しました。購入時に支払った総額は ¥7,651 でしたが、Amazon USA から購入すれば 本体 $51.34 + 国際輸送料 $18.48、為替レートが 1ドル = 108円とすれば、¥7,541、1ドル = 109円としても ¥7,610 となり、セカイモン価格以下になる可能性が高いと思います。為替レートと本体価格は随時変化するので、購入検討時に両者を比較することをお勧めします。

なお、日本国内市場ではモノクロ液晶のグラフ関数電卓 fx-9860GII は既に販売していないので、国内販売の後継機種がどうなるのか気になるところです。

fx-9860GIIfx-9860GIII は、モデル名の末尾の I が1つ違うだけなので分かりにくいです。

▶ [2021/12/30 追記] OS3.50へのアップデート
2021/09/08 に欧米では OS2.50 へのアップデートファイルの提供が始まりました。
今回のアップデートで Casio Basic も Pythonモードも 変更が見られません。
fx-9750GIII のアップデートファイルは fx-9860GIII 用と同じものが適用できます。
Download Resources のページ
で[ACCEPT]をクリックして fx-9860GIII Series の OS Update for 3.50 アップデートファイルをダウンロードして利用します。但しその後アップデートファイルをダウンロードできるページにアクセスすると、地域を選択するページにリダイレクトされ、ダウンロドページにアクセスできない状況になっています。
現状では以下のページからダウンロードできます;
- OS update for International Baccalaureate® (IB) users
さらに、e-Gadget の以下からダウンロードできるようにしました。
OS Update ファイル
Hardware Manual
Software Manual

▶ [2020/10/18 追記] OS3.40 へのアップデート
2020/10/15 に OS3.40 へのアップデートファイルの提供が始まりました。
Download Resources のページ[Accept] をクリックして、fx-9860GIII Series の OS Update for 3.40 をクリック、続いて Handledl OS Update をクリックし、*Version 3.40 (for Windows) をクリックして、OSアップデートファイル (zipファイル) をダウンロード。

ダウンロードした zip ファイルを解凍して得られる exe ファイルを実行します。fx-9750GIII の電源を切り、PCと接続しない状態にしておき、画面の指示に従って、電卓とPCをUSBケーブルで接続し、OS更新作業を進めます。
試験モードの追加と Python モードへの casioplot モジュール追加が主な更新ポイントです。

OSアップデートすると fx-9860GIII になるわけではなく、fx-9750GIII にしか無い機能が正しく継承されていることを確認しました。OSアップデートファイルは機種判定を行い、fx-9860GIIIfx-9750GIIIGRAPH35+ E II の3機種で共用しているようです。

アップデートしたソフトウェアマニュアルも同じところからダウンロードできます。


はじめに

Casio Basic の機能に着目すると、以下に列挙したモデルが同じカテゴリに含まれます。

 - 2006年発売 fx-5800P 
 - 2007年発売 fx-9860G (OS Ver 2 以降)、生産中止
 - 2009年発売 fx-9860GII (国内販売中止)
 - 2011年発売 fx-CG10 PRIZM (北米のみ)
 - 2012年発売 fx-CG20 (fx-CG10 PRIZM の約1年後)
 - 2013年発売 fx-FD10 Pro
 - 2017年発売 fx-CG50 (欧米先行、2017/10/20国内発売)
 - 2020年発売 fx-9860GIII (ヨーロッパ限定発売)
 - 2020年発売 fx-9750GIII (北米限定発売)

fx-9860GIIIと fx-9860GIII / fx-9860GII との比較
 fx-9750GIIIfx-9860GIIIfx-9860GII
 電池 単四 x 4 単四 x 4 単四 x 4
 電池寿命 (メーカー測定基準) 230 時間 230 時間 200 時間
 サイズ (mm) 18.7 x 83.5 x 175.5 18.7 x 83.5 x 175.5 21.2 x 91.5 x 184
 重さ (g) 190 190 225
 液晶ディスプレイ
 ・Casio Basic グラフィック
 ・Casio Basic テキスト
 ・バックライト
 64 x 128 pixel
・63 x 127 dot
・7 x 21 文字
なし
 64 x 128 pixel
・63 x 127 dot
・7 x 21 文字
なし
 64 x 128 pixel
・63 x 127 dot
・7 x 21 文字
・あり
 仮数 + 指数 10桁 + 2桁 10桁 + 2桁 10桁 + 2桁
 内部演算桁数 15桁 15桁 15桁
 プログラムメモリ容量最大 ~62 KB 最大 ~62 KB 最大 ~62 KB
 メインメモリ (利用可能) 62 KB ROM ~62 KB ROM ~64 KB ROM
 ストレージメモリ  ~3 MB SDRAM ~3 MB SDRAM ~1.5 MB SRAM
 プログラムファイル名 最大8文字 最大8文字 最大8文字
 CPU SH4A (SH7305) SH4A (SH7305) SH4A (SH7305)
  クロック ~59 MHz ~59 MHz ~29 MHz
 - FLL:  14.75 MHz x900 14.75 MHz x900 14.75 MHz x900
 - PLL:  FLLx16, 235.93 MHz FLLx16, 235.93 MHz FLLx16, 235.93 MHz
 - IFC: CPUコアクロック 1/4 PLL, 58.98 MHz 1/4 PLL, 58.98 MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz
 - SFC: SuperHywayバスクロック 1/8 PLL, 29.49 MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz
 - BFC: メモリバスクロック 1/8 PLL, 29.49 MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz
 - PFC: I/Oクロック 1/16, 14.74 MHz 1/16, 14.74 MHz 1/16, 14.75 MHz
 PCリンク Screen Receiver  Screen Receiver  FA-124
 OSバージョン 3.21  3.21  2.09
 Casio Basic あり あり あり
 Python あり あり なし

fx-9750GIII は色以外は fx-9860GIII とほぼ同じだと分かります。

fx-9860GII からの主な変化を列挙します;
CPUクロックは、fx-9860GIII と同様に fx-9860GII の倍になりました。
ストレージメモリは、fx-9860GIII と同様に fx-9860GII の倍になりました。
PCリンクが fx-CGシリーズと同様にUSBマスストレージになり、PCリンクがとても楽です。
 fx-9860GIII と同様に Pythonが追加されています。
サイズが小さく、薄くなり、軽くなりました。

以下は、改悪と思われる変化です; 
液晶のバックライトが無くなりました。
液晶サイズが小さくなりました。
液晶画面は、fx-9860GIII と同様に fx-9860GII より視認性が低下、応答性も悪化しました。

個人的には、十分に明るい場所で使う限り液晶画面の視認性は気にならず、黒い筐体は白よりも気に入っています(汚れが芽出しにくい)。液晶の問題を除けば fx-9750GIII は良いモデルだと思います。特に小型・薄型になったことで、1万円未満で国内販売されれば、fx-5800P の代わりに使えるモデルになるかも知れません。
 

 
目 次

1. 到着したパッケージ

2. 外 観

3. ソフトウェアダウンロード
 3.1 OSアップデート
 3.2 取扱説明書
 3.3 アドインプログラム
 3.4 サポートソフトウェア

4. データ転送
 4.1 PCとのリンク
 4.2. 電卓同士のデータ転送

5. バックアップ

6. ハードウェア
 6.1 液晶画面の応答性悪い NEW!

7. 関数電卓としての機能 [2020/05/31 追記]

8. Casio Basic の互換性

9. カタログ機能

10. プログラムリスト

11. Casio Bsic の処理速度
 11.1 計算主体のプログラム
 11.2 動きのあるテキスト出力プログラム
 11.3 動きのあるグラフィック出力プログラム

12. さらなる高速化
 12.1 オーバークロック
 12.2 アドイン版Casio Basic (C.Basic)
 

 
到着したパッケージ

fx9750GIII_Package_1 fx9750GIII_Package_2 
分厚いプラスチックがガッチリと融着されているものではなく、楽に開けらます。
TI-84 Plus が想定ライバル機のようです。

fx9750GIII_Delivered 
パッケージを開けると、fx-9750GIII 本体、英語版 Quick Start Guide、単四アルカリ電池4本 (試供品)、英語版保証書、英語版注意書きが入っています。PCリンク用のUSBケーブル、電卓同士を接続する3Pinケーブル、CDは同梱されていません。

 
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外 観

fx-9750GIII_large   fx9860GIIIfx991es_2
  fx-9750GIII     fx-9860GIII    fx-991ES PLUS
                          2nd edition


fx-9750GIII (写真左) と fx-9860GIII (写真中央) は、色以外は全く同じデザインです。
ところで、スタンダート関数電卓 - ESシリーズ 2nd edition - 例えば fx-991ES PLUS 2nd edition (写真右) とデザインがよく似ており、カシオの最新モデルの共通コンセプトのようです。また、このスタンダート関数電卓のサイズと大きく変わらず、小型化が進んでいることが分かると思います。

9750GIII_Backside 9750GIII_Cover 
fx-9750GIII のケース裏側のデザインは、凝った美しい凹凸模様が入っています (fx-9860GIII と同様)。模様の中心にリスタートボタンがあります。ハードカバーは CASIO の刻印が入っているだけのシンプルなデザインになっています。

なお、ケース裏側をよく見ると MADE IN THAILAND とあるので、カシオもいよいよ脱中国に動いているのかも知れません。

 
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ソフトウェア ダウンロード

 
OSアップデート 
fx-9750GIII 本体で、[MENU] - [System] - [F4] (Version) で確認すると、OSバージョンは 03.21.0200 となっていました。
その後の OSアップデートについては、上記の [追記] を参照してください。

 
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取扱説明書 
日本語取扱説明書はまだ公開されていません。

英語版は、Casio World Education Website の Download Resources のページからダウンロードできます。
- fx-9750GIII のマニュアル
 
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アドインプログラム
グラフ関数電卓のDownload Resourcesのページで、SOFTWARE LICENSE AGREEMENT に [Accept] クリックすると、OS、マニュアルと各種アドインプログラムをダウンロードできます。アドインの中で、購入した fx-9750GIII にインストールされているのは Geometry のみです。

なお、ここで OS アップデートファイルもダウンロードできますが、購入した製品にインストールされている Ver 3.21 よりも古いものなので、今はダウンロードの意味がありません。
 
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サポートソフトウェア
Screen Receiver - 電卓画面をPCで表示するソフト
Screen Receiver はPC画面に電卓の画面を表示するだけでなく、画面イメージを画像ファイルで保存できます。fx-9750GIIIDownload Resources のページで、Support Software をクリックし、Screen Receiver がダウンロードできます。バージョンは 3.02 で、fx-9860GIIIfx-CG20 /10 用と同じバージョンで、共通して使えます。

  
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データ転送
 
PCとのリンク


標準添付の USBケーブルを使います。
USBケーブルで fx-9750GIII と PC を繋ぐと、fx-9750GIII の液晶での表示が接続モード (Connection Mode) になります。
ここで、[F1] (USB Flash :[F1]) を押すと、ポップアップウィンドウで Preparing USB と表示され、少し待つと接続完了です。

後は、エクスプローラで fx-9750GIII がドライブとして表示されるので、PC上と同じ操作でファイルのやりとりができます。 

Calc_Drive 
fx-9750GIII 内のフォルダ / ファイル はこのように表示されます。上の画像は、Ftune3C.Basic がインストールされた状態のものです。

(参考)
 - Ftune3チューンアップ(オーバークロック)ツール
 - C.Basicアドイン版Casio Basic (上位互換、高速、高機能 Casio Basic)

fx-9750GIII を接続した時のドライブには最初は名前が無いので、FX-9860GIII と名前を付けました。ドライブを右クリックしてプロパティを選び、そこでドライブの名前を入力できます。

E_Drive_9750GIII 

アドインプログラムのインストールは、ドライブのルートにアドインファイルをコピーします。リンクを終了するには、Windows PCの通知領域 (タスクトレイ) で「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」で [DEVICE の取り出し] をクリックします。外付け USBハードディスクや USBメモリの取り出しと同じ操作です。

 
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電卓同士のデータ転送

3Pinコネクタの接続ケーブル (SB-62) を使って2つの電卓を繋ぎ、接続する両方の電卓で CABLE (ケーブルの選定) で [F2] (F2:3Pin cable) を設定後、一方で TRANSMIT (送信)、他方で RECV (受信) に設定すれば、データのやりとりができます。

プログラムを含むデータのやりとりができる他のモデルは、fx-9850Gシリーズ、fx-9860Gシリーズ、fx-9860GIIシリーズ、fx-9860GIIIfx-9750GIII、そして fx-CGシリーズで、Menu に Link 項目があって、3Pin コネクタが付いている機種です。なお、fx-5800P との間でのデータ転送はできません。

詳しくは、Sofware Manual に書かれているので確認できますが、使ってみれば分かると思います。

fx-CGシリーズ から fx-9750GIII へ転送すると、ファイル形式は g3m から g1m へ自動変換され、カラーや細線設定など、fx-9750GII で未対応のコマンドは @ に自動的に置き換えられます。

 
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バックアップ

万一に備えて、電卓内部のデータをバックアップしておくことを勧めます。PCに保存フォルダを作り、PCとのリンク機能を使って電卓内のデータをPCの保存フォルダに丸ごとコピーしておきます。
Backup_Factory_State 
上は、購入時のバックアップです。そして適宜バックアップをすると良いと思います。特にチューンアップツールでオーバークロックを行う場合は、エラー発生時に電卓のリセットが必要になりプログラム、データやプログラムが失われることもあるので、バックアップしてあればこれらを簡単に戻せます。

 
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ハードウェア
 
 
液晶画面の応答性が悪い NEW!
fx-9750GIIIfx-9860GIII のモノクロ液晶の応答性が悪いと感じています。

GIII_GII_G 
左から、fx-9750GIIIfx-9860GIIfx-9860G の液晶画面

fx-9750GIII の液晶画面は、少し見づらい感じがしています。せめてバックライトがあれば視認性が向上する筈ですが、何故かバックライトの採用が見送られていて、非常に残念です。

これらのモデルでは、実験の結果から実際に液晶画面の応答性が悪いことが分かりました。
sentaro様が作成された C.Basic for FX で動作するプログラムを走らせると分かります。
※ プログラムのダウンロード:
  https://egadget2.web.fc2.com/archives/fx-9860GII/C.Basic/LCD_Test.html

  3つのプログラムを同梱しています;
  ・LCDBALL.g1m
  ・LCDGRAY.g1m
  ・LCDSCRL.g1m

LCDBALLの実行結果
  ボールが跳ね回るテストプログラム、64fps固定。


グラフィックス描画の見え方の比較です。右が一番古い fx-9860G、中央が fx-9860GII、左が一番新しい fx-9750GIII です。一番左の fx-9750GIII が最も残像が多くボールの移動が長く尾を曳くように見えます。そして一番右の fx-9860G が最も残像が少ないことが分かります。fx-9860GIIIfx-9750GIII とほぼ同様の結果になります。つまりモデルが新しくなるにつれて、液晶の応答性が悪くなっています。プログラムは 64fps で表示していますが、YouTubeにアップした動画は 30fpsなので実際の見え方を正しく再現してません。それでも残像の違いは顕著に分かります。

LCDSCRLの実行結果
 縦横スクロールで文字の見え方テストプログラム。
 一番速いのから順に128fps、64fps、32fps、16fpsとなってる。  


文字の見え方の比較です。Youtubeにアップした動画は 30fps なので、実際とはかなり違って見え、縦横スクロールでの文字の見え方の違いはとても顕著です。fx-9750GIII は残像が激しく文字が殆ど認識できない一方、fx-9860G は格段に文字を認識できます。

LCDGRAY
  4階調表示をしてみるテストプログラム。128 fps固定です。


YouTubeには 30fps でアップしているので、この画像では動きが殆ど見えません。実際は fx-9860G では動きが見えることから、一番古いモデル fx-9860G の応答性が最も高く、見やすいことが分かります。fx-9750GIII は残像が激しく、実際はちらつくだけに見えます。

撮影に用いたカメラが 30fps までなので、うまく動画をアップできませんでした。これらの古いモデルをお持ちの場合は、是非実際に試して頂きたいと思います。

fx-9750GIIIfx-9860GIII の液晶画面は、過去のモノクロモデルに比べて応答性が悪く、視野角を変えた時のコントラストの変化が大きく少し見づらいのにも関わらず、バックライトが無いという残念な仕様になっています。

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関数電卓としての機能

fx-9750GIII のハードウェアは fx-9860GIII とほぼ同じで、関数電卓としての機能も同じです。
fx-9860GIII の関数電卓としての機能 参照

[2020/05/31 追記]
fx-9750GIII には、これまでのグラフ関数電卓にない新しい機能が追加されています。
乗算記号を省略したときの優先度の扱いは、日本とアメリカや他の国では異なって教えられているようです。日本では省略した場合の優先度が高いのですが、アメリカでは省略しても × と同等の優先度だと教えていたようです。例えば、

6÷2(1+2)

は、日本では 6÷(2×(1+2)) = 1、アメリカでは 6÷2×(1+2) = 9 が正しいとされます。

これについては、面白い記事を紹介します ⇒ 関数電卓マニア - 関数電卓コラム 6÷2(1+2)?
この記事によれば、この優先度については、すでに決着がついているとのことです。しかし慣れ親しんだ優先順位は簡単に変えづらいのでしょう。アメリカ仕様の電卓を使うと、期待した計算結果にならないわけです。ならば切り替えられると良いわけです。

これまでの電卓では、乗算機能省略時の優先度はどちらかで決まっており、選択できませんでした。fx-9750GIII で初めてこの仕様を切り替えられるようになりました。

[SHIFT]-[MENU] (SETUP) で現れる設定画面の一番下の項目で、乗算記号省略時に優先度を上げる(On) か上げない(Off) かを設定できます。
Menu_Imp_Multi 

工場出荷時は、乗算省略時の優先度を高くする設定(On) になっています。
この設定の時、RUN・MAT モード(関数電卓の計算モード) で、6÷(1+2)を入力して [EXE] を押すと、括弧 ( ) が自動的に追加されて、計算結果が 1 となります。
equation  9750GIII_Result_1

Imp Multi を off にし、同じ計算をすると、括弧の自動追加は行われずに、結果が 9 になります。
Menu_Imp_Multi_off Result9 

この設定は、Casio Basic プログラムにも反映されます。この新機能に対応して、省略された乗算記号に優先度を On / Off する新たなコマンドも追加されています。
ImpMultiOn
ImpMultiOff 
但し、現在の設定値を返すコマンドは無いので、例えば以下のようなコードで On か Off かを判定する方法が考えられます。

4÷2(2)-4⇒"ImpMulti On":"ImpMulti Off"

If 4÷2(2)-4
Then "On"
Else "Off"
IfEnd

 
ちなみに、ヨーロッパ専用の fx-9860GIII は、6÷2(1+2) = 1 となります。他の fx-9860Gシリーズ、fx-CGシリーズ、fx-5800P も計算結果は 1 になります。

どちらにも解釈できる式を使わず、括弧 ( ) を使った表記にすれば問題はありません。
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Casio Basic の互換性

fx-9750GIII に搭載されている Casio Basic は、2006年に海外で発売された fx-9860G とそれ以降に発売されたグラフ関数電卓、そして fx-5800P に搭載さているものと同じカテゴリに属します。これらの Casio Basic は、構造化風コーディングができて意外に高機能です。当ブログでは、このカテゴリを新世代 Casio Basic と呼んでいます。

< 新世代Casio Basic搭載機 >
 - 2005年発売 fx-9860G (生産中止)
 - 2006年発売 fx-5800P
 - 2009年発売 fx-9860GII
 - 2010年発売 PRIZM fx-CG10 (北米のみ)、fx-CG20と同じ
 - 2012年発売 fx-CG20
 - 2013年発売 fx-FD10 Pro
 - 2017年発売 fx-CG50
 - 2020年発売 fx-9860GIII
 - 2020年発売 fx-9750GIII

新世代 Casio Basic については、Casio Basic の勧め を参考にしてください。

fx-9750GIII 搭載の Casio Basic は、fx-9860GIII と異なる点が見つからず、さらに fx-9860GII 搭載の Casio Basic とも完全互換と言って良いと思います。

 ⇒ fx-9860GII への移植 - 厄介な旧来の命令
 ⇒ Casio Basic 機種間の互換性

当ブログで公開している Casio Basic入門逆引きCasio BasicCasio Basicコマンドリファレンスプログラムライブラリ は、fx-5800Pfx-9860GII の違いを理解しておけば、そのまま fx-9750GIII に適用できます。
 
 
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カタログ機能

[SHIFT] [4] (GATALOG) を押すと、カタログ画面が現れます。

fx-9750GIII OS3.21fx-9860GIII OS3.21 では違いが認められません。
fx-9860GIII のカタログ機能 参照


プログラムリスト

ProgMenu 

fx-9750GIII のプログラムリストは、fx-9860GIII と変わっていません。fx-CGシリーズのように、アルファベットキーを押した時にそのアルファベットで始まるプログラム名にジャンプする機能は無く、fx-9860GII から進化していません。


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Casio Basic の処理速度

fx-9860G シリーズ用に作成したプログラムが そのまま fx-9750GIII で動作します。そこで、いくつかのプログラムの処理速度を fx-5800P、fx-9860GII、fx-CG50 と比較してみます。fx-9750GIII は g1m ファイルが動作します。

fx-9750GIII のCasio Basic 処理速度は fx-9860GIII とよりも速いという意外な結果が得られました。


 計算主体のプログラム

PRIME - 素因数分解

ダウンロード
- fx-5800P用 pdf ファイル
- fx-9860GIII / fx-9860GII 用 g1m ファイル
- fx-CG50 / fx-CG20用 g3m ファイル

※ 使い方やプログラムソースについては、fx-9860GII への移植 - 素因数分解 参照

プログラムを起動すると...

Prime_1  
数値を入力して [EXE] で素因数分解を始め、[EXE] を押しながら結果を1行ずつ表示させる。
このプログラムの実行中は、ビジーマーカー以外に表示の更新が無いので、計算速度の比較に向いています。今回は、以下の10桁の数の素因数分解の計算時間を比較します。

計算する数値: 7,849,516,203 = 32 x 9811 x 88897

fx-CG50 の画面は以下のようになります。

   Prime_2 Prime_3 

機種別処理時間の比較
fx-CG50fx-9750GIIIfx-9860GIIIfx-9860GIIfx-5800P
118 MHz59 MHz59 MHz29 MHz---
46秒61秒69秒89秒444秒
11.351.501.939.65
0.7411.111.447.16
0.670.9011.297.05
0.520.700.7818.73

fx-9750GIII の計算処理は、fx-9860GIII より 10% 程度速くなっています。
fx-9750GIII と fx-9860GIII で使っていた乾電池を交換しても、fx-9750GIII が速く、同じ結果になったので、速度の違いは電源電圧の盛況ではないことは確認しています。また、メインメモリの空き領域は双方とも 20,000バイト程度なので、メモリの影響も考得られません。上記の積分計算速度は差が無かったので、関数の処理速度に大きな差はありません。

OSバージョンは双方とも 3.21 と同じなので、fx-97500GIII が速い理由がよく分からないのが正直なところです。
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動きのあるテキスト出力プログラム

PYTHA - ピタゴラス数探索

ダウンロード

- fx-5800P用 pdf ファイル
- fx-9860GII用 g1m ファイル
- fx-CG50 / fx-CG20用 g3m ファイル

※ 使い方やプログラムソースについては、fx-9860GII への移植 - ピタゴラス数 を参照。

このプログラムを起動すると1つめのピタゴラス数を表示して一旦停止します 。
 [EXE] キーを長押しすると、連続的に次々とピタゴラス数が表示し続けます。
そして、500個のピタゴラス数を探索して表示するまでの時間を計って比較します。
    Pytha_1

このピタゴラス数探索プログラムは、テキスト表示が常に更新し続けます。
500個のピタゴラス数が見つかるまでの時間を、機種別に比較してみました。

機種別処理時間の比較
fx-CG50
fx-9750GIII
fx-9860GIII
fx-9860GII
fx-5800P
87秒
56.0秒57.2秒93秒
441秒
10.640.661.075.07
1.5511.021.667.88
1.520.9811.637.71
0.940.600.6214.74

fx-9750GIII は、fx-9860GIII より2%ほど速いことが分かりました。両方のモデルを並べて同時にプログラムを実行させると、何度やっても fx-9750GIII が速い結果になりますので、僅かではありますが処理速度の差はあります。
fx-9750GIII が速い原因がよく分かりません。
 
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動きのあるグラフィック出力プログラム

MONTECAR - モンテカルロ法による円周率計算

ダウンロード
- fx-9860GII用 g1m ファイル
- fx-CG50 / fx-CG20用 g3m ファイル

※ 使い方やプログラムソースについては、fx-9860GII グラフィックス - モンテカルロ法 を参照。この記事では、実際の画面の変化を動画で見られます。

 GIII_Monteca_1 GIII_Monteca_2

[EXE]
キーを押すと、ランダムに点を打ち始め、それが円内にある割合から円周率を求める、モンテカルロシミュレーションプログラムです。このプログラムは、グラフィックスの Textコマンドと Plotコマンドによる表示更新を頻繁に行うものです。そこで、Text と Plot を500回繰り返す時間を、機種別に調べて比較してみました。
機種別処理時間の比較 
fx-CG50
fx-9750GIII
fx-9860GIII
fx-9860GII
174秒87.3秒
87.5秒
135秒
10.500.500.78
1.9911.001.55
2.001.0011.54
1.20.650.651

fx-9750GIII は、fx-9860GIII より若干速いですが、ほぼ同じ結果になりました。双方を並べて同時にプログラムを実行すると、何度やっても fx-9750GIII が必ず速いことが分かりました。
fx-9750GIII が僅かでも速い理由がよく分かっていません。

 
<目次に戻る>
さらなる高速化

fx-9750GIII は、Casio Basicによる内部演算速度が速く、テキストならびにグラフィックス出力処理速度も少し速いことが分かりました。

プログラムをより高速化するには、現在のところ2つの方法があります。1つはチューンアップ (オーバークロック)ツール による高速化、もう一つはアドイン版 Casio Basic - C.Basic の利用です。

チューンアップ
これまで、fx-9860Gfx-9860GIIfx-9860GIII そして fx-CG10 PRIZM / fx-CG20 そして fx-CG50 に対応したオーバークロックツールが、sentaro様により提供されています。いずれも比較的安全性が確保されており、私も愛用しています。但しオーバークロックは、最悪ROM に記録されている内容が損傷をうけて電卓が起動できなくなってもメーカー保証を受けられないので、自己責任で利用しましょう。

fx-9750GIIIfx-9860GIII には、Ftune3 が提供されています。
 Casio グラフ関数電卓を限界までチューンアップ

当ブログでは、作者の sentaro様から直接サポートを受けられるように、以下の以下のエントリーを用意していて、そこでは Ftune3 のダウンロードと質問ができます。
グラフ関数電卓のオーバークロック - Ftune / Ptune -

安全に使う第一歩は、デフォルトの[F5]での設定を使うことです。

なお、チューンアップは、CPUコアクロックだけでなく、メモリバスクロック、I/Oバスクロック、ウェイトなどを機種に応じて調整します。
 
アドイン版 Casio Basic (C.Basic)
C.Basic は、fx-9750GIII や fx-9860GIII に加えて fx-9860Gシリーズ、そして fx-CGシリーズに対応しています。開発者はチューンアップツールと同じ sentaro様です。

C.Basic は、純正Casio Basic のソースをほぼそのまま実行可能で、特にグラフィック描画の高速化は目を見張るものがあります。
どのくらい速いかは、ここ にある動画を見れば一目瞭然です。開発開始以来、現在でも国内外のユーザーの要望に応えつつ、デバッグや機能追加によるバージョンアップが継続しています。

fx-9860G シリーズ用の C.Basic for FXfx-CGシリーズ用の C.Basic for CG が公開されており、fx-9750GIII には C.Basic for FX が対応しています。

C.Basic のトップページ

 




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keywords: CasioBasicプログラム電卓、fx-9750GIII

テーマ : プログラム関数電卓
ジャンル : コンピュータ

fx-9860GIII の概要

 
初版: 2020/04/05
周期関数の積分について訂正 2020/05/23
OS3.40へのアプデート 2020/10/18
OS3.50へのアップデート 2021/12/30


Casio fx-9869GIII POWER GRAPHIC 3

fx-9860GIII USB POWER GRAPHIC 32020年3月上旬、ヨーロッパ限定で fx-9860GIII が発売されました。明らかに fx-9860GII の後継機種で、既にフランス限定版として販売されている GRAPH 35+EII のインターナショナル版の位置づけです。この記事を書いている時点では、アメリカや日本では未発売です。

このデザインは GRAPH 35+EII とほぼ同じで、さらに最近の関数電卓の模倣品対策用の新デザインと極めて類似しています。

管理人は、Amazon France で購入しましたが、現在は日本への出荷を行わないと表記されています。eBayセカイモンで入手可能です。




fx-9860GIII の製品紹介は、CASIO INTERNATIONAL のページ や CASIO WORLDWIDE EDUCATION WEBSTITE のページで確認できます。

日本国内では、モノクロ液晶のグラフ関数電卓 fx-9860GII は既に販売していません。fx-9860GIII のヨーロッパ限定で発売後、北米限定で ほぼ同一機能の fx-9750GIII が発売されたので、これらのどちらかの国内発売が期待されます。

▶ [2021/12/30 追記] OS3.50へのアップデート
2021/09/08 に欧米では OS2.50 へのアップデートファイルの提供が始まりました。
今回のアップデートで Casio Basic も Pythonモードも 変更が見られません。
Download Resources のページ で[ACCEPT]をクリックして fx-9860GIII Series の OS Update for 3.50 アップデートファイルをダウンロードできます。但しアップデートファイルをダウンロードできるページにアクセスしようとすると、地域選択のページにリダイレウトされてダウンロードページにアクセスできない状況があります。
そこで、以下のページからダウンロードできます;
- OS update for Internaitonal CaccalaureateⓇ (IB) users
さらに、e-Gadget の以下からダウンロードできるようにしました。
OS Update ファイル
Hardware Manual
Software Manual

[2020/10/18 追記] OS3.40 へのアップデート
2020/10/15 に OS3.40 へのアップデートファイルの提供が始まりました。
Download Resources のページ で [ACCEPT] をクリックして、fx-9860GIII SeriesOS Update for 3.40 をクリック、続いて Handledl OS Update をクリックし、*Version 3.40 (for Windows) をクリックして、OSアップデートファイル (zipファイル) をダウンロード。

ダウンロードした zip ファイルを解凍して得られる exe ファイルを実行します。fx-9860GIII の電源を切り、PCと接続しない状態にしておき、画面の指示に従って、電卓とPCをUSBケーブルで接続し、OS更新作業を進めます。
試験モードの追加と Python モードへの casioplot モジュール追加が主な更新ポイントです。

アップデートしたソフトウェアマニュアルも同じところからダウンロードできます。


はじめに

Casio Basic の機能に着目すると、以下に列挙した機種が同じカテゴリに含まれるプログラム電卓です。

 - 2006年発売 fx-5800P 
 - 2007年発売 fx-9860G (OS Ver 2 以降)、生産中止
 - 2009年発売 fx-9860GII (国内販売中止)
 - 2011年発売 fx-CG10 PRIZM (北米のみ)
 - 2012年発売 fx-CG20 (fx-CG10 PRIZM の約1年後)
 - 2013年発売 fx-FD10 Pro
 - 2017年発売 fx-CG50 (欧米先行、2017/10/20国内発売)
 - 2020年発売 fx-9860GIII (ヨーロッパ限定発売)
 - 2020年発売 fx-9750GIII (北米限定発売)

fx-9860GIIIと fx-9860GII / fx-CG50 との比較
 fx-9860GIIIfx-9860GIIfx-CG50
 電池 単四 x 4 単四 x 4 単四 x 4
 電池寿命 (メーカー測定基準) 230 時間 200 時間 170時間
 サイズ (mm) 18.7 x 83.5 x 175.5 21.2 x 91.5 x 184 18.6 x 89.0 x 188.5
 重さ (g) 190 225 230
 液晶ディスプレイ
 ・Casio Basic グラフィック
 ・Casio Basic テキスト
 ・バックライト
 64 x 128 pixel
・63 x 127 dot
・7 x 21 文字
なし
 64 x 128 pixel
・63 x 127 dot
・7 x 21 文字
・あり
 216 x 384 pixel
・187 x 379 dot
・7 x 21 文字
・あり
 仮数 + 指数 10桁 + 2桁 10桁 + 2桁 10桁 + 2桁
 内部演算桁数 15桁 15桁 15桁
 プログラムメモリ容量 最大 ~62 KB 最大 ~62 KB 最大 ~61 KB
 メインメモリ (利用可能) ~62 KB ROM ~64 KB ROM ~61 KB ROM
 ストレージメモリ  ~3 MB SDRAM ~1.5 MB SRAM ~1.6 KB SDRAM
 プログラムファイル名 最大8文字 最大8文字 最大8文字
 CPU SH4A (SH7305) SH4A (SH7305) SH4A (SH7305)
  クロック ~59 MHz ~29 MHz ~118 MHz
 - FLL:  14.75 MHz x900 14.75 MHz x900 14.75 MHz x900
 - PLL:  FLLx16, 235.93 MHz FLLx16, 235.93 MHz FLLx16, 235.93 MHz
 - IFC: CPUコアクロック 1/4 PLL, 58.98 MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz 1/2 PLL, 117.96 MHz
 - SFC: SuperHywayバスクロック 1/8 PLL, 29.49 MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz 1/4 PLL, 58.98 MHz
 - BFC: メモリバスクロック 1/8 PLL, 29.49 MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz
 - PFC: I/Oクロック 1/16, 14.74 MHz 1/16, 14.75 MHz 1/8, 29.49 MHz
 PCリンク Screen Receiver  FA-124 Screen Receiver
 OSバージョン 3.21  2.09 3.30
 Casio Basic あり あり あり
 Python あり なし あり

fx-9860GIII での fx-9860GII からの主な変化を列挙します;
CPUクロックが倍になった
PCリンクが fx-CGシリーズと同様に楽になった - 電卓をPCの外部ドライブとして認識
Pythonが追加された
サイズが小さくなった
  GIII_GII_CG50 
液晶のバックライトが無くなった (個人的には不便を感じる)
液晶サイズが小さくなった (個人的には不便を感じる)
 

 
目 次

1. 海外から直接購入


2. 到着したパッケージ

3. 外 観

4. ソフトウェアダウンロード
 4.1 OSアップデート
 4.2 取扱説明書
 4.3 アドインプログラム
 4.4 サポートソフトウェア

5. データ転送
 5.1 PCとのリンク
 5.2. 電卓同士のデータ転送

6. バックアップ

7. ハードウェア
 7.1 ゴム足が取れやすい

8. 関数電卓としての機能
 8.1 ユーザデータのバックアップ機能
 8.2 3桁区切り表示
 8.3 複素指数関数
 8.4 積分関数の処理速度
 8.5 周期関数の積分 [2020/05/23 修正]

9. Casio Basic の互換性

10. カタログ機能

11. プログラムリスト

12. Casio Bsic の処理速度
 12.1 計算主体のプログラム
 12.2 動きのあるテキスト出力プログラム
 12.3 動きのあるグラフィック出力プログラム

13. さらなる高速化
 13.1 オーバークロック
 13.2 アドイン版Casio Basic (C.Basic)
 

 
海外から直接購入

fx-9860GIII はヨーロッパ限定で発売されたので、現時点では日本や北米では販売されておらず、Amazon France、e-Bayで直接購入するか、e-Bayと提携しているセカイモンから購入できます。

そこで、管理人は送料を含めて最も安い価格が提示されていた Amazon France から購入した(詳しくはこちらを参照)。但し購入直後 "このセラーは日本へ出荷できません" と表示された。従って Amazon France で別のセラーが出品するか、Amazon USA や Amazon Japanでの並行輸入品で出品されるのを期待します。 

[2020/04/28 追記]
COVID-19パンデミックの影響で、海外のeBayやAmazon France から日本への発送を行うセラーが無い状況です。但し日本語で購入できるセカイモンなら入手可能。
セカイモンでのfx-9860GIII 
4/28時点で、¥16,493 で購入できます。
 
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到着したパッケージ

fx9860GIII_Package  fx9860GIII_Package_Backside 

ブリスタパッケージのような分厚いプラスチックがガッチリと融着されているものではなく、楽に開けられます。

GIII_Contents2 

fx-9860GIII 本体、Quick Start Guide、単四アルカリ電池4本 (試供品)、PCリンク用のUSBケーブル、電卓同士を接続する3Pinケーブル、廃棄処理の注意書き、保証書が入っています。CDは同梱されていません
 
 
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外 観

 9860GIII_991MS2ndEdition   Back_Desig 

(写真左) サイズと色合いは異なりますが、関数電卓 fx-991MS 2nd edition (右) とデザインが同じです。白い筐体への印字はとても見やすくなっています。

(写真右) 本体裏には、微妙な凹凸で形成された放射状の綺麗な模様があり、電池蓋を含めた広い領域に及んでいます。放射模様の中心にRESTARTボタンが配置されています。これは摸倣防止対策の1つなのかも知れません。
 
 
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ソフトウェア ダウンロード

 
OSアップデート 
fx-9860GIII 本体で、[MENU] - [System] - [F4] (Version) で確認すると、OSバージョンは 03.21.0200 となっていました。
その後 OS3.40 へのアップデートファイルが公開されました。
 
 
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取扱説明書 
日本語取扱説明書はまだ公開されていません。

英語版は、Casio World Education Website の Download Resources のページからダウンロードできます。
 
 
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アドインプログラム
グラフ関数電卓のDownload Resourcesのページで、SOFTWARE LICENSE AGREEMENT に [Accept] クリックすると、OS、マニュアルと各種アドインプログラムをダウンロードできます。ここでダウンロードできるOSは、製品にインストールされている Ver 3.21 よりも古いものなので、ここからOSとマニュアルのダウンロードは意味がありません。アドインの中で、購入した fx-9860GIII にインストールされているのは、Geometry のみです。
 
 
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サポートソフトウェア
Screen Receiver - 電卓画面をPCで表示するソフト
Screen Receiver はPC画面に電卓の画面を表示するだけでなく、画面イメージを画像ファイルで保存できます。fx-9860GIII の Download Resources のページで、Support Software をクリックし、Screen Receiver がダウンロードできます。バージョンは 3.02 で、fx-CG20 /10 用と同じバージョンで、共通して使えます。
 
  
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データ転送
 
PCとのリンク


標準添付の USBケーブルを使います。
USBケーブルで fx-9860GIII と PC を繋ぐと、fx-9860GIII の液晶での表示が接続モード (Connection Mode) になります。
ここで、[F1] (USB Flash :[F1]) を押すと、ポップアップウィンドウで Preparing USB と表示され、少し待つと接続完了です。

後は、エクスプローラで fx-9860GIII がドライブとして表示されるので、PC上と同じ操作でファイルのやりとりができます。 

Calc_Drive 
fx-9860GIII 内のフォルダ / ファイル はこのように表示されます。

fx-9860GIII を接続した時のドライブには最初は名前が無いので、FX-9860GIII と名前を付けました。ドライブを右クリックしてプロパティを選び、そこで名前を入力できます。

Calc_Drive_Named 

アドインプログラムのインストールは、ドライブのルートにアドインファイルをコピーします。リンクを終了するには、Windows PCの通知領域 (タスクトレイ) で「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」で [DEVICE の取り出し] をクリックします。外付け USBハードディスクや USBメモリの取り出しと同じ操作です。
 
 
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電卓同士のデータ転送

3Pinコネクタの接続ケーブル (SB-62) を使って2つの電卓を繋ぎ、接続する両方の電卓で CABLE (ケーブルの選定) で [F2] (F2:3Pin cable) を設定後、一方で TRANSMIT (送信)、他方で RECV (受信) に設定すれば、データのやりとりができます。

プログラムを含むデータのやりとりができるのは、fx-9850Gシリーズ、fx-9860Gシリーズ、fx-9860GIIシリーズ、fx-9750GIII、fx-CGシリーズ、そして fx-9860GIII で、Menu に Link 項目があって、3Pin コネクタが付いている機種です。なお、fx-5800P と グラフ関数電卓とのデータ転送はできません。

詳しくは、Sofware Manual に書かれているので確認できますが、使ってみれば分かると思います。

fx-CGシリーズ から fx-9860GIII へ転送すると、ファイル形式は g3m から g1m へ自動変換され、カラーや細線設定など、fx-9860GII で未対応のコマンドは @ に自動的に置き換えられます。
 
 
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バックアップ

万一に備えて、電卓内部のデータをバックアップしておくことを勧めます。PCに保存フォルダを作り、PCとのリンク機能を使って電卓内のデータをPCの保存フォルダに丸ごとコピーしておきます。
Backup_Factory_State 
上は、購入時のバックアップです。そして適宜バックアップをすると良いと思います。特にチューンアップツールでオーバークロックを行う場合は、エラー発生時に電卓のリセットが必要になりプログラム、データやプログラムが失われることもあるので、バックアップしてあればこれらを簡単に戻せます。
 
 
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ハードウェア
 
 
ゴム足が取れやすい
管理人が購入したものは、ハードカバーのゴム足が最初から1つ欠損していました。工程で取れたままを見逃し、パッケージに入れられたようです。本プログの読者の sentaro様が保有している GRAPH35+EII のゴム足も取れやすいとのこと。つまり GRAPH35+EIIfx-9860GIII は本質的にゴム足の接着工程に問題がありそうです。
  
 
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関数電卓としての機能

fx-9860GIII のキーの種類と数、および配置は、[SHIFT] - [OPTN] のバックライト 機能以外は、fx-9860GII と同じです。関数機能も同じです。計算の内部桁が15桁と同じで、各関数の精度範囲も同じなので、fx-9860GIII の関数電卓としての使い勝手は fx-9860GII と同じです。
 
 
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ユーザーデータのバックアップ機能
カシオのスタンダード関数電卓は電源をオフにすると、作業内容やユーザーデータが消えますが、fx-9860GIII は各モードでのユーザーデータは一旦電源を切ってもバックアップされます。このバックアップ機能は、他のプログラム電卓 fx-5800P、fx-9860GII、fx-CG20/50 とも同じです。
 
 
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3桁区切り表示
カシオの最新のスタンダード関数電卓 fx-JP900 / 700 / 500 では、関数電卓として3桁区切りが登場しました。一般電卓には3桁区切りは普通に搭載されている使い勝手の良い機能なので、登場が遅すぎるようにも思います。

これまでのプログラム電卓には3桁区切り機能は有りません。fx-9860GIII も残念ながら3桁区切り機能には対応していません。

Casio Basic での出力コマンドにも3桁区切り機能がありません。しかし、作ったプログラムに3桁区切り出力機能を付加することは出来ます。
Casio Basic入門59, Chapter 10-5:3桁区切りサブルーチン グラフ関数電卓版
 
 
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複素指数関数
複素数を表示するように設定して、計算させてみると、fx-5800P はエラー、fx-9860GII と fx-CG20 は正しく計算結果を表示します。fx-CG50 でも同様に複素指数関数を正しく計算します。

Complex_1  Complex_2 
※ Screen Receiver で取得した画面イメージ 
 
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積分関数の処理速度
 
積分計算速度の比較をしてみます (Rad モード)。
機種積分1積分2
fx-JP9005.5秒48.7秒
fx-5800P10.1秒56.7秒
fx-9860GII (SH4A)1.5秒8.4秒
fx-CG201.0秒5.8秒
fx-CG500.7秒3.2秒
fx-9860GIII1.1秒5.8秒
 積分の詳細はこちら



積分計算は fx-9860GIII よりは高速化していますが、fx-CG20 とほぼ同じ、fx-CG50 よりは遅くなります。
 
 
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周期関数の積分 [2020/05/23 修正]
積分計算にガウス・クロンロッド法が使われていることから、このアルゴリズムが苦手な多項式で表せない関数の代表選手として周期関数の積分を行って、タイムアウトする限界を比較してみます (Rad モード)。

積分3
機種計算できる nタイムアウトする n
fx-JP900
fx-5800P
fx-9860GIIn ≦ 60 Or (n = 64, 128, 256, 512)n ≧ 61 Or n = 2m (m≧10)
fx-CG20n ≦ 60 Or (n = 64, 128, 256, 512)n ≧ 61 Or n = 2m (m≧10)
fx-CG50n ≦ 60 Or (n = 64, 128, 256, 512)n ≧ 61 Or n = 2m (m≧10)
fx-9860GIIIn ≦ 60 Or (n = 64,128, 256, 512)n ≧ 61 Or n = 2m (m≧10)
 積分の詳細はこちら



fx-9860GIII での結果は、fx-CGシリーズや fx-9860GII と同じで、積分計算の内部ロジックは変更が無いと思われます。
 
 
<目次に戻る>
Casio Basic の互換性

Casio Basic について、少し詳しく調べます。

fx-9860GIII に搭載されている Casio Basic は、2006年に海外で発売された fx-9860G とそれ以降に発売されたグラフ関数電卓、そして fx-5800P に搭載さているものと同じカテゴリに属します。これらの Casio Basic は、構造化風コーディングができて意外に高機能です。当ブログでは、このカテゴリを新世代 Casio Basic と呼んでいます。

< 新世代Casio Basic搭載機 >
 - 2005年発売 fx-9860G (生産中止)
 - 2006年発売 fx-5800P
 - 2009年発売 fx-9860GII
 - 2010年発売 PRIZM fx-CG10 (北米のみ)、fx-CG20と同じ
 - 2012年発売 fx-CG20
 - 2013年発売 fx-FD10 Pro
 - 2017年発売 fx-CG50
 - 2020年発売 fx-9860GIII

新世代 Casio Basic については、Casio Basic の勧め を参考にしてください。

fx-9860GIII 搭載の Casio Basic は、fx-9860GII と異なる点が見つからず、完全互換と言って良いと思います。

 ⇒ fx-9860GII への移植 - 厄介な旧来の命令
 ⇒ Casio Basic 機種間の互換性

当ブログで公開している Casio Basic入門逆引きCasio BasicCasio Basicコマンドリファレンスプログラムライブラリ は、fx-5800Pfx-9860GII の違いを理解しておけば、そのまま fx-9860GIII に適用できます。
 
 
<目次に戻る>
カタログ機能

fx-9860GIII には、fx-9860GII と同様にコマンドの一覧を検索して入力できるカタログ機能が備わっていて、
[SHIFT] [4] (GATALOG) を押すと、カタログ画面が現れます。

Cat_GII  Cat_GIII_1 
左が fx-9860GII で、右が fx-9860GIII です。

左の fx-9860GII に比べて右の fx-9860GIII では機能が増えています。1つは HIST メニュー(履歴メニュー)の追加で、もう一つは一番上の行の "Catalog" の右に検索入力欄が追加されています。過去に検索して入力したコマンドを再入力するためには HIST メニューは大変便利です。 検索入力に1文字入れると絞り込み検索が行われるので、コマンドがうろ覚えの時に便利です。

CTGYメニューを選ぶとジャンル別一覧が現れます。

Cat_GIII_2  

履歴メニューは、fx-CG20 で追加され fx-CG50 でさらに改善されていますが、fx-9860GIII には fx-CG50 の機能が引き継がれています。 
 
<目次に戻る>
プログラムリスト [2020/04/07 追記]

ProgMenu 

fx-9860GIII のプログラムリストは、fx-9860GII と変わっていません。fx-CGシリーズのように、アルファベットキーを押した時にそのアルファベットで始まるプログラム名にジャンプする機能は無く、この点でも fx-9860GII と変わりません。


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Casio Basic の処理速度

fx-9860GII シリーズ用に作成したプログラムが そのまま fx-9860GIII で動作します。そこで、いくつかのプログラムの処理速度を fx-5800P、fx-9860GII、fx-CG50 と比較してみます。fx-9860GIII は g1m ファイルが動作します。

 計算主体のプログラム

PRIME - 素因数分解

ダウンロード
- fx-5800P用 pdf ファイル
- fx-9860GIII / fx-9860GII 用 g1m ファイル
- fx-CG50 / fx-CG20用 g3m ファイル

※ 使い方やプログラムソースについては、fx-9860GII への移植 - 素因数分解 参照

プログラムを起動すると...

Prime_1  
数値を入力して [EXE] で素因数分解を始め、[EXE] を押しながら結果を1行ずつ表示させる。
このプログラムの実行中は、ビジーマーカー以外に表示の更新が無いので、計算速度の比較に向いています。今回は、以下の10桁の数の素因数分解の計算時間を比較します。

計算する数値: 7,849,516,203 = 32 x 9811 x 88897

fx-CG50 の画面は以下のようになります。

   Prime_2 Prime_3 

機種別処理時間の比較
fx-CG50fx-9860GIIIfx-9860GIIfx-5800P
118 MHz59 MHz29 MHz---
46秒69秒89秒444秒
11.51.939.65
0.6711.297.05
0.520.7818.73

fx-9860GIII の計算処理は、fx-9860GII より 30% 程度速くなっていますが、fx-CG50 よりも33%遅くなっています。

計算速度の違いは、クロック数の違いと相関していることが分かります。

  
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動きのあるテキスト出力プログラム

PYTHA - ピタゴラス数探索

ダウンロード

- fx-5800P用 pdf ファイル
- fx-9860GII用 g1m ファイル
- fx-CG50 / fx-CG20用 g3m ファイル

※ 使い方やプログラムソースについては、fx-9860GII への移植 - ピタゴラス数 を参照。

このプログラムを起動すると1つめのピタゴラス数を表示して一旦停止します 。
 [EXE] キーを長押しすると、連続的に次々とピタゴラス数が表示し続けます。
そして、500個のピタゴラス数を探索して表示するまでの時間を計って比較します。
    Pytha_1

このピタゴラス数探索プログラムは、テキスト表示が常に更新し続けます。
500個のピタゴラス数が見つかるまでの時間を、機種別に比較してみました。

機種別処理時間の比較
fx-CG50
fx-9860GIII
fx-9860GII
fx-5800P
87秒
57.2秒93秒
441秒
10.661.075.07
1.5211.6324,0
0.940.6214.74

fx-9860GIII は、fx-9860GII の1.6倍弱の処理速度、fx-CG50 の1.5倍程度の処理速度になりました。
fx-9860GIII は、Locateコマンドによるテキスト更新速度が大きく向上しています。
 fx-9860GIIILocateコマンドによるテキスト更新速度は、fx-9860G以降の新世代Casio Basic搭載機で最速です。

 
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動きのあるグラフィック出力プログラム

MONTECAR - モンテカルロ法による円周率計算

ダウンロード
- fx-9860GII用 g1m ファイル
- fx-CG50 / fx-CG20用 g3m ファイル

※ 使い方やプログラムソースについては、fx-9860GII グラフィックス - モンテカルロ法 を参照。この記事では、実際の画面の変化を動画で見られます。

 GIII_Monteca_1 GIII_Monteca_2

[EXE]
キーを押すと、ランダムに点を打ち始め、それが円内にある割合から円周率を求める、モンテカルロシミュレーションプログラムです。このプログラムは、グラフィックスの Textコマンドと Plotコマンドによる表示更新を頻繁に行うものです。そこで、Text と Plot を500回繰り返す時間を、機種別に調べて比較してみました。
機種別処理時間の比較 
fx-CG50
fx-9860GIII
fx-9860GII
174秒
87.5秒
135秒
10.500.78
2.0011.54
1.20.651

fx-9860GIII は、fx-9860GII の 1.5倍の処理速度を達成。しかも fx-CG50 の 2倍の処理速度になりました。
fx-9860GIII は、TextコマンドとPlotコマンドによるグラフィックス更新速度が大幅に向上しています。

fx-9860GIIITextPlot コマンドによるグラフィックス更新速度は、fx-9860G 以降の新生代Casio Basic搭載機で最速です。

 
<目次に戻る>
さらなる高速化

fx-9860GIII は、Casio Basicによるテキストならびにグラフィックス出力処理速度が大幅に向上していることが分かったのですが、それでもゲームなどのピクセル単位での描画が多いプログラムには全く不十分です。プログラムをより高速化するには、現在のところ2つの方法があります。1つはチューンアップ (オーバークロック)ツール による高速化、もう一つはアドイン版 Casio Basic - C.Basic の利用です。

チューンアップ
これまで、fx-9860Gfx-9860GII そして fx-CG10 PRIZM / fx-CG20 そして fx-CG50 に対応したオーバークロックツールが、sentaro様により提供されています。いずれも比較的安全性が確保されており、私も愛用しています。但しオーバークロックは、最悪ROM に記録されている内容が損傷をうけて電卓が起動できなくなってもメーカー保証を受けられないので、自己責任で利用しましょう。

 Casio グラフ関数電卓を限界までチューンアップ

fx-9860GIII 向けには、チューンアップツール - Ftune3 が提供されています。 


本ブログでは、作者の sentaro様から直接サポートを受けられるように、以下の以下のエントリーを用意していて、そこでは Ftune3 のダウンロードと質問ができます。

グラフ関数電卓のオーバークロック - Ftune / Ptune -

安全に使う第一歩は、デフォルトの[F5]での設定を使うことです。


なお、チューンアップは、CPUコアクロックだけでなく、メモリバスクロック、I/Oバスクロック、ウェイトなどを機種に応じて調整します。

 
アドイン版 Casio Basic (C.Basic)
C.Basic は、fx-9860GII を含む fx-9860Gシリーズ、そして fx-CGシリーズに対応しています。開発者はチューンアップツールと同じ sentaro様です。

C.Basic は、純正Casio Basic のソースをほぼそのまま実行可能で、特にグラフィック描画の高速化は目を見張るものがあります。
どのくらい速いかは、ここ にある動画を見れば一目瞭然です。開発開始以来、現在でも国内外のユーザーの要望に応えつつ、デバッグや機能追加によるバージョンアップが継続しています。

現在では、fx-9860G シリーズ用の C.Basic for FXfx-CGシリーズ用の C.Basic for CG が公開されており、fx-9860GIII には C.Basic for FX が対応しています。

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keywords: CasioBasicプログラム電卓、fx-9860GIII


関連記事

テーマ : プログラム関数電卓
ジャンル : コンピュータ

Casio fx-CG50 の概要

 
初版: 2017/07/23
追記 2018/08/09
追記 2018/12/26
日本語化に関する追記 2019/05/09
追記 2019/09/18
周期関数の積分について追記修正 2020/05/23
OS3.40へのアップデート 2020/06/06
Casio Ptyhon新連載に伴う追記 2020/06/09
OS3.50へのアップデート 2020/10/17
OS3.60へのアップデート 2021/12/19

Casio fx-CG50

fx-CG50 noce photofx-CG50 が欧米で発売されたので、国内発売前に入手して調べてみました。本気で欲しいと思える製品です。

fx-JP900 のデザインを踏襲しています。角に丸みのある四角い形状と高級感のあるフロントパネル、黒・白・シルバーを基調とした色使い。カシオの新しい形。所有する喜びを感じるデザインではないでしょうか?

fx-CG50 は、fx-CG10 PRIZM (北米モデル) や fx-CG2 の後継機で、欧米で 2017年3月末に発売されました。ほぼ7年ぶりの後継機種投入です。

fx-CG50 紹介 (英語のサイト)

日本未発売前に、eBay USA で購入しました。この記事を書いている時点では、eBay USA での実売価格は、新品で100ドルを下回る程度です。国際輸送費を考えてもアメリカからの入手は現実的だと思います。但し配送に時間がかかります(最低でも2週間程度)。

[2021/12/19 追記] OS3.60 にアップデート
2021/12/06 に OS3.60 へのアップデートファイルが日本で公開された。欧米では 2021/09/08 に公開されていた。
このアップデートでは確率分布アプリが追加され、具体的には MENU画面で Distribution モードが追加された。
なお、Python  モードや Casio Basic には変更がない。

[2020/10/17 追記] OS3.50 にアップデート
2020/10/15 に OS3.50 へのアップデートファイルが欧米と日本同時に公開された。
Pythonアプリ描画機能改善、NL試験モードとTexas(US)試験モードの搭載がアップデートの内容。Pythonについては改善点がスグには判らないので、いずれ調べようと思っている。
OS3.50へのアップデートファイルのダウンロード
日本語マニュアルのダウンロード

[2020/06/09 追記] Casio Pythonの新連載開始
Casio Python が爆速 (純正Casio Basicに比べて) なので、Casio Python 使いこなしの新連載を始めた。

[2020/06/06 追記] OS3.40 にアップデート
欧米では 2020/04/07 に、日本国内では 2020/06/01 にアップデートモジュール配布開始
内蔵の Micro Python に casioplot モジュールが追加され、点を打てるようになった。
OSアップデートファイル
 ・WEWからのダウンロードはこちら
 ・国内サイトからのダウンロードはこちら
日本語マニュアルはこちら

[2019/09/18 追記] OS3.30 にアップデート
主に Pythonの改善と試験モードの使用追加
・WEWからのダウンロードはこちら
・国内サイトからのダウンロードはこちら

[2019/05/09 追記] ユーザーによる日本語化計画
fx-CG50 には、簡体字コード GB2123 を少し変更したグリフ (文字) が搭載されており、それを読み出す方法が見つかった(当ブログ読者の Colon様による)。簡体字は日本語の文字と異なるものが少なくないが、それでも英語よりはましだ。ひらがなも含まれている。Colon様により日本語化ファイルが提供されており、これを fx-CG50 にコピーするだけで、日本語風表記で使えるようになる。
fx-CG20 / CG50 日本語化計画
さらに、fx-CG50で使えるアドインプログラム - C.Basic for CG が当ブログの読者である sentaro様を中心にして現在も開発が進んでいる。C.Basic for CG は純正Casio Basicの上位互換の BASIC開発環境だ。これを使えば作成するプログラムで日本語風の表記が可能になる。
プログラムライブラリ - 日本語版 西暦-和暦 換算プログラム
 
[2018/12/26 追記] ついに Python搭載!
OSが 3.20 にアップデートされ、プログラミング言語 Python が追加され、選択言語にイタリア語が追加された。
Worldwide Education Website (WEW: 海外のカシオサイト)では2018年8月には公開されていたが、日本のサイトでは 2018年12月に公開された。
- WEWからのダウンロードはこちら
- 国内サイトのダウンロードはこちら

[2017/10/20 追記] ついに 2017年10月20日に fx-CG50 が国内発売!
カラーグラフ関数電卓 fx-CG50 
fx-CG50

既にカシオの国内サイトでは fx-CG50 (OS 3.10) の日本語マニュアルが公開されていることから、国内販売は現行の Ver 3.00 でなくて、Ver 3.10 になると思われる。
 
[2017/09/23 追記] fx-CG50 日本語マニュアル
fx-CG50 の日本語マニュアルがカシオ日本語サイトの 取扱説明書ダウンロードサイト からダウンロードできるようになった。ハードウェアマニュアルとソフトウェアマニュアルの両方の日本語アニュアルだ。ソフトウェアマニュアルが OS Ver 3.10 用になっている。国内販売前のバーションは 3.00 だ。現時点では OS アップデートファイルはまだ公開さないが、国内おカシオサイトや Casio World Education Website で近々ダウンロード可能になると思われる。恐らく同時に fx-CG20 を OS 3.10 にアップデートできるようになるようだ (OS 3.10 ソフトウェアマニュアルは fx-CCG20 OS 3.10 と共用のため)。
[2018/08/09 追記]
ソフトウェアマニュアル日本語版が Ver 3.11 にアップデートされていて、カシオの日本語サイトからダウンロードできる。アメリカ市場において2018年3月以降製造のfx-CG50には OS 3.11 がインストールされており、国内販売品もいずれ OS 3.11 がインストールされるようになるかも知れない。

[2018/08/09 追記・修正] OS 3.11 へのアップデートファイル公開
Casio World Education Website のサポートページ ([Accept] をクリックして先に進む) から OS3.11 へのアップデート用アプリとアップデート方法の説明書 (PDF) をダウンロードし、説明書に従って作業を進める。アップデートアプリの指示があるまで電卓とPCを接続してはダメと書かれているので要注意。

[2018/08/09 追記・修正] OS 3.11 へのアップデート
ダウンロードしたアップデート用アプリ (fx-CG50 Sries OS Ver.3.11 Update.exe) をPCで実行すると、私の場合は 日本語 Windows 10 Home だが、自動的に日本語表示でアプリが起動。注意深く表示に従って作業を行うと、アドイン 3D-Grph もアップデートするように聞いてくるので一緒にアップデート。 [MENU] - System - [F4] (Version) で確認すると OS は 3.11.0202 に、3D Graph は 01.02 になる。


なお、fx-CG50 は言語を選択できますが、OSアップデートしても日本語は選べません。言語の選択肢に中文も含まれているので日本語対応も容易だと思います。スタンダード関数電卓 fx-JP900 は表示が日本語化されているので、このデザインコンセプトを引き継いだ fx-CG50 もいずれ日本語表示に対応することを期待します。

 
はじめに

Casio Basic の機能に着目すると、以下に列挙した機種が同じカテゴリに含まれるプログラム電卓です。

 - 2006年発売 fx-5800P 
 - 2007年発売 fx-9860G (OS Ver 2 以降)、生産中止
 - 2009年発売 fx-9860GII
 - 2011年発売 fx-CG10 PRIZM (北米のみ)、fx-CG20とほぼ同じ
 - 2012年発売 fx-CG20 (fx-CG10 PRIZM の約1年後)
 - 2013年発売 fx-FD10 Pro
 - 2017年発売 fx-CG50 (欧米先行、2017/10/20国内発売)

fx-CG50 は fx-CG10 PRIZM / fx-CG20 の後継機種です。1つ前に発売されている fx-FD10 Pro は、fx-9860GII のハードウェアを利用しながらアドインが使えず Casio Basic 専用機である点で異質な存在です。
 
 
fx-CG50 の位置づけ [2017/08/07 更新]
Casio Basic に着目すると、fx-CG50 の位置づけが明確に見えてきます。
  • fx-9860GII:モノクロ液晶搭載の最上位機。
  • fx-CG10 PRIZM / fx-CG20:fx-9860GII のディスプレイを高精細&カラー化したもの。しかし Casio Basic では テキスト、グラフィックずれも画面出力処理が極めて遅く、fx-9860GII の方が遙かに速い。カラーだが出力が遅い fx-CG10 / CG20 が良いのか、モノクロだが出力が速い fx-9860GII が良いのか、2機種の甲乙を付けられない状況だった。言い換えれば、fx-CG10 / 20 は必ずしも fx-9860GII の後継機種とは言えないのだ。
  • fx-CG50:高精細カラー液晶へ出力が大幅に高速化したのが最大の改善点で、fx-9860GII と同レベルになった。
fx-CG50 の Casio Basic は、カラーと高精細に関係するコマンドを除けば fx-9860GII と互換です。fx-9860GII で作った Casio Basic は、fx-CG50 でほぼ同じ出力速度で動作します。

互換性の無いコマンド:
※ パラメータ見直しが必要なコマンド:PxlOn、PxlOff、PxlChg、PxlTest(
※ 転送時に自動的にパラメータが変更されるコマンド: Text

fx-CG50 は、fx-9860GII をカラー化した後継機種、現時点での最上位機と位置づけられます。
 
 
ハードウェア機能
fx-CG50 は、fx-CG20 から内部のハードウェアが変更されています。CPU は同じものを使いながら、処理速度を向上させ、一方で消費電力が抑えられ、バッテリー駆動時間が延びました。RAM (ストレージメモリ) は、fx-CG20 の SRAM から fx-CG50 では SDRAM に変更されています。

fx-CG50 の省電力化 (fx-CG20 との比較) ※2
動作モードfx-CG50fx-CG20省電力化の傾向 ※3
電源OFF 0.1 mA 以下 0.1 mA 以下---
電源ON
 RUN-MAT待機状態、輝度1※1 2.5 mA (10.0 mA) 3.0 mA (14.3 mA)16.7% (30.0%)
 RUN-MAT待機状態、輝度3 ※1 5.5 mA (13.0 mA) 8.3 mA (21.0 mA)33.7% (38.1%)
 RUN-MAT待機状態、輝度5 ※1 9.5 mA (18.0 mA) 16.4 mA (30.8 mA)42.1% (41.6%)
 Casio Basic実行、輝度1 ※1 21.1 mA (22.2 mA) 23 mA (30.3 mA)8.3% (26.7%)
 アドイン実行、輝度1 ※1 39.8 mA (40.4 mA) 38.0 mA (50.0 mA)-4.7% (19.2%)
※1: カッコ内は USB接続状態、※2: sentaro様ご提供の測定値 を使用
※3: 省電力化の傾向 (%) = ( CG20の値 - CG50の値 ) / G20の値 × 100

同じ CPU を使っているので、電流値の変化が消費電力の変化と見なします。
処理速度については、関数や Casio Basic の処理内容に応じた比較測定の結果を以下で紹介します。
 
 
ソフトウェア
 fx-CG50 のソフトウェアは、ハードウェアの違いを吸収する OS が Ver 3 にバージョンアップしています。表に出てくる関数機能や Casio Basic の機能面では違いが見られません。アドインについては、ROM や RAMに直接アクセスしたり、SRAM からSDRAM に変更された RAM の違いの影響が現れるようなコードが使われていない場合は、fx-CG20 と fx-CG50 では同じアドインプログラムが動作します。fx-CG50 になってもアドインの拡張子が g3a と変わっていないことも互換性の高さを裏付けています。

fx-9860G と fx-9860GII にはアドイン作成用のカシオ公式SDKが公開されていますが、fx-CG20 以降は公式なSDKがありません。従って、カシオ純正あるいは公認の アドイン (g3a) ファイルなら fx-CG20 と fx-CG50 での互換性は保たれると考えても良さそうですが、サードパーティや個人が作成したアドイン (g3a) ファイルは、使用に際して fx-CG50 での動作確認がされているかに注意が必要です。 

さて Casio Basic については、fx-CG20 とfx-CG50 は完全互換です。違いを探していますが、未だに見つかっていません。プログラムファイルの拡張子も同じで g3m のままです。
 
 
キー入力の問題
CG50 Ten Keys 

写真に写っている大きなキートップのテンキーなどは、キーの右側を軽く押すときに入力を受け付けないことがあります。キーの左側を押す時は問題ありません。他の所有者の fx-CG50 でも同じ問題があることが分かりました。

慣れれば問題ないかも知れません。しかしチャッチャッとキーを速く軽く叩く使い方は特殊でないでしょうし、そのような使い方では入力を受け付けないことが確実にあります。もぐら叩きゲームのようなテンキーの早押しが必要な場合は、慣れの問題ではなくて避けられない問題となるかも知れません。そこで特に必要性は無いけれど面白そうなので、もぐら叩きゲーム fx-5800P 版を移植して fx-CG50 版を作り 遊んでみました。急いでキーを叩く際、どうしてもキー入力の不備からゲーム進行が不利になります。

この不具合は、キーのバネ機構と接点パネルに関する設計や組み付け工程の問題、或いはこれらの複合的問題によると推察しています。この不具合をカシオが認識して、国内発売までに改善するのかどうかに興味があります。

fx-5800P のカバーヒンジの問題、fx-JP900 のハードカバーの問題 (問題は既に指摘、整形の問題のないロットの存在については今後記事にするかも...) に続いて、今回 fx-CG50 テンキー問題も出てきました。とても残念です。
 

 
目 次

1. 海外から直接購入


2. 到着したパッケージ

3. 外 観

4. 他機種との比較
 4.1 地味な改善 - バーコード & シリアルのラベル

5. ダウンロード
 5.1 OSアップデート
 5.2 取扱説明書
 5.3 アドインプログラム
 5.4 サポートソフトウェア

6. データ転送
 6.1 PCとのリンク
 6.2. 電卓同士のデータ転送

7. バックアップ

8. ハードウェア
 8.1 キー入力
 8.2 液晶表示

9. 関数電卓としての機能
 9.1 ユーザデータのバックアップ機能
 9.2 3桁区切り表示
 9.3 複素指数関数
 9.4 積分関数の処理速度
 9.5 周期関数の積分

10. Casio Basic の互換性

11. カタログ機能

12. Casio Bsic の処理速度
 12.1 計算主体
 12.2 動きのあるテキスト出力
 12.3 動きのあるグラフィック出力

13. さらなる高速化
 13.1 オーバークロック
 13.2 アドイン版Casio Basic (C.Basic)
 

 
海外から直接購入

[2017/07/28 追記]
Amazon USA で日本への輸出が可能な fx-CG50 の取り扱いが始まっています。sentaro様が ここから購入したところ、驚くほど短時間で入手したとの情報がありました。Amazon USA での購入が、推奨可能な候補として浮かび上がりました。注文から配達までの概要は以下の通り(この場合は僅か3日で配達!);
場所日付・現地時間状況
某所2017/07/27配達完了
大阪2017/07/26 20:20最終配達の手配

2017/07/26 11:10輸入通関

2017/07/26 10:19空港到着
アンカレッジ、アラスカ州2017/07/25 9:05空港出発

2017/07/25 7:03輸出通関

2017/07/25 5:55空港到着

2017/07/25 2:16空港出発
オンタリオ、カリフォルニア州2017/07/24 22:47空港到着
シアトル、ワシントン州2017/07/24 20:18空港出発
ケント、ワシントン州2017/07/24 15:19現地営業所スキャン
セラー (出荷)2017/07/24 18:31 (ET)UPSへの引き渡し

※ これはかなり理想的なケースだと思われ、Amazon USA で購入しても必ずこんなに速く配達されるわけでは無さそうです。というのも、Amazon USA でポチッとしたのが月曜(平日)で、即日セラーから出荷されたこと、東海岸のセラーから日本向け飛行機が飛ぶ西海岸までの輸送が陸送でなく航空便が使われたこと、さらにアメリカの東海岸から西海岸までの3時間の時差に助けられて見かけ上時間が短縮されていること、そして日本向け飛行機での配送が即日行われたこと(一旦貨物が集まるまで滞留させなかったこと)、日本到着時が平日で即日通関されたこと、など全ての良い要因が重なっているからです。
  • 概要: 国内のショッピングサイトでは fx-CG50 の並行輸入品の扱いが見つからなかったので、今回はアメリカの eBay で直接購入しました。海外品を買うには、セカイモンeBay などで購入して国際貨物で送って貰うことになります。このような個人輸入の場合、国際貨物の扱いや輸入手続きは業者が全てやってくれるので、個人輸入という実感はあまりありません。セカイモンは手数料を取って国際貨物や輸入通関まで全て面倒をみてくれ、さらに日本語で注文できるので、かなり楽です。eBay の場合は国際配送を引き受けるセラー(Seller、業者)が出品している場合は購入者は何もしなくて良いのですが、国際配送をやっていないセラーから買う場合は、国際配送業者を別途利用する必要があります。
  • eBay での商品選び: eBay の場合は、実績と評判のあるセラーから購入した方が良いと思います。Top-rated Seller (高評価のセラー) といった表示があるので、そのセラーのページで確認して自分なりに納得してから決められます。新品 (new in box) といった表示で新品が確認できない時は中古の可能性もあるので、確認しましょう。fx-CG50 の場合でも、安いものの中には注意深くみてゆかないと中古品だと気づかない紛らわしいケースがあります。新品が欲しい場合は要注意です。
私の場合は、fx-CG50 新品の本体価格が¥10,915、輸送費が ¥2,316 でした。輸送費用の傾向として、ヨーロッパの方が北米よりもかなり高いので、北米のセラーから購入する方がお得になることが多いです。
  • セカイモンと eBay のコストの違い: セカイモンは、 eBayと提携しているので eBay と同じセラーからの同じ商品が同じ本体価格で購入できます。違いは、ページでの提示期間と配送手数料です。セカイモンの方が早く締め切る傾向があり、購入する場合は即決に近い判断が必要なケースが多いようです。日本語で買える安心感、国際配送と通関手続きがお任せのセカイモンは、その分手数料が高いと思います。英語でも良いなら eBay の方が商品提示期間が長く多少でも余計な手数料を取られず、お得です。
  • セカイモンと eBay の配送期間の違い: いずれにしても配送時間は最低2週間と普通の国際便よりは時間を要します。今回 eBay USA を初めて使って、とにかく時間がかかることがよく分かりました。アメリカ国内のセラーから国際発送を行うセンターまで陸送で一旦貨物が集められ(カリフォルニアから日本とは逆方向のケンタッキー)、そこでスグ日本へ送ることはなく、1週間程度滞留させるので、ここで余計な時間がかかります。国際便のコストを下げるためにある程度貨物をまとめる必要があるのだと理解しています。ポチッとしてから手元に届くまでの時間については、セラーの場所と国際配送センターの場所に依存するようで、どちらが速いかについては、なんとも言えないと思います。アメリカと日本の祝祭日の影響もありますので、ポチッとした日にも依存します。国際配送センターで多くの日本向け貨物がまとまれば滞留日数が短くなる可能性もあるでしょう。
私の場合は、
- 7/2 (日): ポチッとし決済
- 7/3 - 7/4 (月~火): 7/4が独立記念日で 7/3 も休みで連休、セラーはお休み
- 7/5 (水):セラーが出荷、UPS サンフランシスコセンターが受け取る
- 7/6 (木):UPS コネチカットセンターを通過 (アメリカ国内はトラック輸送と思われる)
- 7/7 (金):ケンタッキー州アーランガーにある国際配送センターに到着
- 7/13 (木):国際配送の FedEx に引き渡し。センターに6日も滞留していた
      ※ eBayに問い合わせたら、通常センターに1週間は留め置くと回答あり
- 7/14 (金):一旦テネシー州のメンフィスに寄り道 (おそらくここまでは陸送と思われる)
- 7/15 (土):メンフィスで輸出通関
- 7/16 (日):成田到着
- 7/17 (月):輸入通関、FedEx横浜営業所に到着
- 7/18 (火):横浜営業所で、何故だか丸一日滞留
- 7/19 (水):配達完了

  • 決済について:セカイモンは eBay と提携しており、eBay と PayPal は同じ傘下の会社なので、セカイモンでも eBay でも PayPal での決済ができます。PayPal での決済は、事前登録が必要ですが、決済手続きは日本語で可能、決済の記録も日本語で確認できるのが利点です。私は eBay で商品を探して、そのまま PayPal で決済しました。
  • eBay USA のカスタマーサポート:7/2に決済が済んでいるのに 3日たってもトラッキングの状況に変化がないことの問い合わせ、それから国際配送センターからの配送が6日間も留め置かれている状況の問い合わせを行いました。eBayのページからフォームを使って質問を送ったところ、いずれも12時間以内に返信があり、考えられる次の問い合わせを行うための細かい案内もありました。。
 
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到着したパッケージ

fx-CG50 Package 1  fx-CG50 Package 2 

ブリスタパッケージは、分厚いプラスチックがガッチリと融着されているので、楽には開けられません。厚いプラスチックをナイフで切るのは危険だから、しっかりしたハサミで周囲をカット。

items inside package 

fx-CG50 本体、Quick Start Guide、単四アルカリ電池4本 (試供品)、PCリンク用のUSBケーブル、ダウンロードや登録(アメリカのみ) の説明、保証書が入っています。CD や 3Pinケーブルは同梱されていません
 
 
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外 観

CG50 & JP900 1  

fx-JP900 (右) とそっくりです。
四角いオーソドックスな形状は落ち着きを与え、長く使っても飽きが来ない感じで、好きなデザインです。

キーの上の印刷された文字ですが、老眼の始まった私には、fx-JP900 の印刷はとても見づらいのですが、fx-CG50 ではフォントが大きく色のコントラストも向上して、見やすくなっています。

CG50 & JP900 2 

fx-CG50 に fx-JP900 を重ねてみます。fx-CG50 の大きさを感じます。

CG50 & JP900 3  CG50 & JP900 4 

fx-CG50 と fx-JP900 をカバー付き (左) とカバー無し (右) で重ねてみたところ。厚みが3倍くらい違うことが分かります。

写真では分かりにくいですが、筐体やカバーの表面は、fx-JP900 はツルツルのテカテカですが、一方 fx-CG50 は細かい凹凸があります。使っているウチに表目に細かい擦り傷が付いても、あまり目立たないのではないかと思います。

液晶部が一段低くなっていますが、保護ウィンドウが傷つきにくい感じなのは良いです。
というのも、fx-CG20 の透明な上部パネルは、まともに表面処理をしておらず簡単に傷つきます。私の fx-CG20 は新品購入時に既に細かい傷が多く付いていましたが、不良とは認めて貰えず製造上に発生するもので、こういうものだとの説明でした。この点が改善されたと思います。

foot  rubber foot 
fx-JP900 は成形で作った出っ張りで4カ所の足にしています。一方、fx-CG50 はゴム足です。但し fx-9860GII や fx-CG20 の黒いゴム足ではなくて、半透明になっています。黒いゴム足は、使い込んでくるとテーブルやノートにくっついて、黒い跡が残ることがあるのですが、その問題が無くなりそうです。

所有したくなるデザインの電卓だと思います。
 
 
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他機種との比較

Graphing Calcs 
左から、fx-CG50、fx-CG20、fx-9860GII、fx-5800P

 fx-CG50fx-CG20fx-9860GIIfx-5800P
 電池 単四 x 4 単四 x 4 単四 x 4  単四 x 1
 電池寿命 (メーカー測定基準) 170 時間 140 時間 200 時間 1年
 サイズ (cm) 18.6x89.0x188.5 20.6x89.5x188.521.2x91.5x184 15x82x163
 重さ (g) 230 230 225 150
 液晶ディスプレイ解像度
 ・Casio Basic グラフィック
 ・Casio Basic テキスト
 216 x 384 pixel
・187 x 379 dot
・7 x 21 文字
 216 x 384 pixel
・187 x 379 dot
・7 x 21 文字
64 x 128 pixel
・63 x 127 dot
・7 x 21 文字
 96 x 31 pixel
・---
・4 x 16 文字
 仮数 + 指数 10桁 + 2桁 10桁 + 2桁 10桁 + 2桁 10桁 + 2桁
 内部演算桁数 15桁 15桁 15桁 15桁
 プログラムメモリ容量 最大 ~61 KB 最大 ~61 KB 最大 ~62 KB 最大 ~28.5 KB
 メインメモリ (利用可能) ~61 KB ROM ~61KB ROM ~64 KB ROM ~26.5 KB
 ストレージメモリ  ~1.6 MB SDRAM ~1.6 MB SRAM ~1.5 MB SRAM ---
 プログラムファイル名 最大8文字 最大 8文字 最大 8文字 最大 12文字
 CPU SH4A (SH7305) SH4A (SH7305) SH4A (SH7305)
  クロック ~118 MHz ~59 MHz ~29 MHz ? MHz
 - FLL:  14,75 MHz x900 14.75 MHz x900 14.75 MHz x900 ---
 - PLL:  FLLx16, 235.93MHz FLLx16, 235.93 MHz FLLx16, 235.93 MHz ---
 - IFC: CPUコアクロック 1/2 PLL, 117.96MHz 1/4 PLL, 58.98 MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz ---
 - SFC: SuperHywayバスクロック 1/4 PLL, 58.98MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz ---
 - BFC: メモリバスクロック 1/4 PLL, 58.98 MHz 1/8 PLL, 29.49 MHz 1/18 PLL, 29.49 MHz
 - PFC: I/Oクロック 1/8, 29.49MHz 1/16, 14.75 MHz 1/16, 14.75 MHz ---
sentaro様作成の カシオグラフ関数電卓用チューンアップツールを使用した結果、マニュアル記載の内容によります。


地味な改善 - バーコード &  シリアル のラベル [2017/08/06 追記]
fx-9860GII や fx-CG20 は、電卓裏側に バーコードとシリアルのラベルが貼り付けられています。当然ながら長らく使っているとラベルの印刷が摺り切れて読めなくなります。fx-CG50 では電池ケースの内部にラベルを貼っているので、摺り切れることはありません。地味だが大切な改善だと思います。

fx-9860GII Barcode & Serial Label fx-CG50 Barcode & Serial Label 
左の fx-9860GII のラベルは印刷が見えなくなっている。右の fx-CG50 のラベルは電池ケースの中に貼ってある。
 
 
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ソフトウェア ダウンロード

PCリンクソフト、出荷時に無いアドインは、CASIO Worldwide Education Website (WEW) からダウンロードできます。このページから
  • 上のメニューで Support をクリック、
  • 言語として English を選び (日本語が無い)、
  • Graphic Model を選び、
  • SOFTWARE LICENSE AGREEMENT で Accept をクリックする
これで、fx-CG50 Series のリソースダウンロードのページに行けます。
 
 
OSアップデート [2017/09/26 更新]
fx-CG50 本体で、[MENU] - [System] - [F4] (Version) で確認すると、OSバージョンは 03.00.0202 となっていました。
fx-CG50 のOS が 3.10 にアップデートできます。Casio World Education Website の Download Resoureces のページからダウンロードアプリと作業説明(PDF) がダウンロードできます。
 
 
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取扱説明書 [2018/09/23 更新]
日本語取扱説明書は、カシオ取扱説明書ダウンロードのページ から入手できます。

英語等多国語版は、Casio World Education Website の Download Resources のページから、User's Guide for fx-CG Series Handheld をクリックすると、各国語のハードウェアマニュアルとソフトウェアマニュアルがあるので、そこから入手できます。日本語版取扱説明書がまだ無かった時は、English 版をダウンロードしました。
- [PDF File] User's Guide Version 3.0 -Hardware- (English)
- [PDF File] User's Guide Version 3.0 -Software- (English)
 
 
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アドインプログラム
fx-CG50 のリソースダウンロードのページで、Add-in Software をクリックし、各種アドインプログラムをダウンロードできます。ダウンロードできるアドインの中で、私の fx-CG50 に購入時にインストールされていなかったのは、Probability Simulation だけです。
アドインのインストールマニュアル - 日本語版
Add-in Software の下の User's Guide for fx-CG Sries Handheld のさらに下に  [PDF File] Installation Guide をダウンロードしてみると、各国語別のガイドがありますが、ナント日本語版が含まれていました。
 
 
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サポートソフトウェア
Screen Receiver - 電卓画面をPCで表示するソフト
fx-CG50 のリソースダウンロードのページで、Support Software をクリックし、Screen Receiver がダウンロードできます。バージョンは 3.02 で、fx-CG20 /10 用と同じバージョンで、共通して使えます。
 
  
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データ転送
 
PCとのリンク


標準添付の USBケーブルを使います。
USBケーブルで fx-CG50 と PC を繋ぐと、fx-CG50 の液晶での表示が接続モード (Connection Mode) になります。
ここで、[F1] (USB Flash :[F1]) を押すと、ポップアップウィンドウで Preparing USB と表示され、少し待つと接続完了です。

後は、エクスプローラで fx-CG50 がドライブとして表示されるので、PC上と同じ操作でファイルのやりとりができます。 

PCLink_PCDisp 
fx-CG50 内のフォルダ / ファイル はこのように表示されます。ここで、System Volume Information フォルダがありますが、fx-CG50 ドライブに名前を付けたことで作成されたものです (日付けを見れば後から作成されたことが分かりますね)。

fx-CG50 を接続した時のドライブには最初は名前が無いので、FX-CG50 と名前を付けました。ドライブを右クリックしてプロパティを選び、そこで名前を入力できます。

CG50 PCLink Drive Name 

さてPCと接続中の fx-CG50 の液晶画面には、fx-CG20 には無かった新しい === Caution === 画面 が Tips 画面 (fx-CG20と同じ) と交互に表示されます。ここでは、「ケーブルを抜く前にPCのUSB接続を終わらせてください」と書かれています。Windows PCの通知領域 (タスクトレイ) で「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」で [CASIO MassStrage Device の取り出し] をクリックします。外付け USBハードディスクや USBメモリの取り出しと同じ操作です。
 
 
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電卓同士のデータ転送

3Pinコネクタの接続ケーブル (SB-62) を使って2つの電卓を繋ぎ、接続する両方の電卓で CABLE (ケーブルの選定) で [F2] (F2:3Pin cable) を設定後、一方で TRANSMIT (送信)、他方で RECV (受信) に設定すれば、データのやりとりができます。このケーブルは、fx-9860GII には標準添付されていましたが、fx-5800P、fx-CG20 そして fx-CG50 には標準添付されていません。以前 SB-62 のみを購入した時は ¥2,700 でした。

プログラムを含むデータのやりとりができるのは、fx-9860G、fx-9860GII、fx-CG20/10、fx-CG50 (および fx-9860G あたり以降のグラフ関数電卓) で、Menu に Link 項目があって、3Pin コネクタが付いている機種です。なお、fx-5800P 同士なら、このケーブルを使ってデータ転送可能ですが、fx-5800P と グラフ関数電卓とのデータ転送はできません。

詳しくは、Sofware Manual に書かれているので確認できますが、使ってみれば分かると思います。

[2017/07/28 追記]
fx-CG50 から fx-9860GII へ転送すると、ファイル形式は g3m から g1m へ自動変換され、カラーや細線設定など、fx-9860GII で未対応のコマンドは @ に自動的に置き換えられます。
 
 
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バックアップ

万一に備えて、電卓内部のデータをバックアップしておくことを勧めます。PCに保存フォルダを作り、PCとのリンク機能を使って電卓内のデータをPCの保存フォルダに丸ごとコピーしておきます。
PCLink_PCDisp 
購入時のバックアップ、そして適宜バックアップをすると良いと思います。特にオーバークロックを行う場合は、エラー発生時に電卓のリセットが必要になりプログラム、データやプログラムが失われることもあるので、バックアップしてあればこれらを簡単に戻せます。
 
 
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ハードウェア

CG50 & CG20 
主に fx-CG50 と fx--CG20 を比較します。
 
 
キー入力
キー配置や各キーに割り当てられている機能は、fx-CG20 と全く同じ。
 
 
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液晶表示
液晶のサイズや精細度も fx-CG20 と同じ。
手持ちの fx-CG20 と fx-CG50 を比べる限りでは、明るさや色合いが少し異なっています。

LCD CG50 & CG20 
左が fx-CG20、右が fx-CG50

同じ明るさ設定で比較して気がつくのは、右の fx-CG50 は黄色みがかって少し暗く見えます。fx-CG50 で明るさ設定を 3/5 から 4/5 に変えると明るさは同等になりますが、それでも黄色みがかっています。消費電力低減への寄与もありそうです。

[2017/07/23 追記]
このカラー液晶の輝度と色については、バラツキがあるようです。sentaro様所有の個体は逆の傾向だとコメントを頂きました。
 
 
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関数電卓としての機能

fx-CG50 のキーの種類と数、および配置は、fx-CG20 と同一です。fx-9860GII には [SHIFT] [5] (FORMAT) が有りませんが、それ以外は同じです。関数機能も同じです。計算の内部桁が15桁と同じで、各関数の精度範囲も同じなので、fx-CG50 の関数電卓としての使い勝手は fx-CG20 や fx-9860GII と同じです。
 
 
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ユーザーデータのバックアップ機能
カシオのスタンダード関数電卓は電源をオフにすると、作業内容やユーザーデータが消えますが、fx-CG50 は各モードでのユーザーデータは一旦電源を切ってもバックアップされます。他のプログラム電卓 fx-5800P、fx-9860GII、fx-CG20 もバックアップされます。

資格試験で使えると称しているスタンダード関数電卓は、数式などが保存できると都合が悪いからバックアップできない仕様になっていると思われます。バックアップ機能だけでも、プログラム電卓を関数電卓として使う価値があると思って、私は日常的にプログラム電卓を関数電卓として使っています。
 
 
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3桁区切り表示
カシオの最新のスタンダード関数電卓 fx-JP900 / 700 / 500 では、関数電卓として3桁区切りが登場しました。一般電卓には3桁区切りは普通に搭載されている使い勝手の良い機能なので、登場が遅すぎるようにも思います。

これまでのプログラム電卓には3桁区切り機能は無く、fx-CG50 に3桁区切り機能の登場を期待しましたが、残念ながら対応していません。fx-CG50 のソフトウェアが fx-CG20 から殆ど変わっていない結果とも言えます。デザインは fx-JP500/700/900 を踏襲したので、3桁区切りについても踏襲して欲しいわけで、OSアップデートによる追加対応という現実的な方法もあります。カシオには是非対応して頂きたいと思います。

[2017/11/08 追記]
Casio Basic での出力コマンドにも3桁区切り機能がありません。しかし、作ったプログラムに3桁区切り出力機能を付加することは出来ます。
Casio Basic入門59, Chapter 10-5:3桁区切りサブルーチン グラフ関数電卓版
 
 
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複素指数関数
複素数を表示するように設定して、計算させてみると、fx-5800P はエラー、fx-9860GII と fx-CG20 は正しく計算結果を表示します。fx-CG50 でも同様に複素指数関数を正しく計算します。

 CompCalc1 CompCalc2 
 
 
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積分関数の処理速度
 
積分計算速度の比較をしてみます (Rad モード)。
機種積分1積分2
fx-JP9005.5秒48.7秒
fx-5800P10.1秒56.7秒
fx-9860GII (SH4A)1.5秒8.4秒
fx-CG201.0秒5.8秒
fx-CG500.7秒3.2秒
積分の詳細はこちら



積分計算は fx-CG50 で高速化しています。三角関数の計算が特に高速化していることが分かります。
 
 
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周期関数の積分 [2020/05/23 修正]
積分計算にガウス・クロンロッド法が使われていることから、このアルゴリズムが苦手な多項式で表せない関数の代表選手として周期関数の積分を行って、タイムアウトする限界を比較してみます (Rad モード)。

積分3
機種計算できる nタイムアウトする n
fx-JP900n ≦8n > 9
fx-5800Pn ≦ 8n > 9
fx-9860GIIn ≦ 60 Or (n = 64, 128, 256, 512)n ≧ 61 Or n = 2m (m≧10)
fx-CG20n ≦ 60 Or (n = 64, 128, 256, 512)n ≧ 61 Or n = 2m (m≧10)
fx-CG50n ≦ 60 Or (n = 64, 128, 256, 512)n ≧ 61 Or n = 2m (m≧10)
 積分の詳細はこちら



fx-CG50 は、fx-CG20 や fx-9860GII と同じなので、積分計算の内部ロジックは変わっていないようです。
 
 
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Casio Basic の互換性

当ブログは Casio Basic がメインテーマなので、少し詳しく解説します。

fx-CG50 に搭載されている Casio Basic は、2006年に発売された fx-5800P とそれ以降に発売されたグラフ関数電卓が同じカテゴリに属します。これらに搭載された Casio Basic は、構造化プログラミング可能で意外に高機能です。当ブログでは、このカテゴリを新世代 Casio Basic と呼んでいます。

< 新世代Casio Basic搭載機 >
 - 2006年発売 fx-5800P
 - 2007年発売 fx-9860G (OS Ver 2 以降)、生産中止
 - 2009年発売 fx-9860GII
 - 2010年発売 PRIZM fx-CG10 (北米のみ)、fx-CG20と同じ
 - 2012年発売 fx-CG20
 - 2013年発売 fx-FD10 Pro
 - 2017年発売 fx-CG50

新世代 Casio Basic については、Casio Basic の勧め を参考にしてください。

fx-CG50 搭載の Casio Basic は、機能面で fx-CG20 と異なる点が見つかりません。現時点では完全互換と言って良いと思います。そこで、fx-CG20 について、fx-9860GII や fx-5800P との比較を行った記事がそのまま fx-CG50 に該当します。

 ⇒ fx-CG20 の概要
 ⇒ fx-9860GII への移植 - 厄介な旧来の命令

当ブログで公開している Casio Basic入門逆引きCasio BasicCasio Basicコマンドリファレンスプログラムライブラリ は、fx-CG20 に関するものは、そのまま fx-CG50 に適用できます。
 
 
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カタログ機能

fx-CG50 には fx-CG20 と同様に使えるコマンドの一覧を検索して入力できるカタログ機能が備わっています。コマンド入力ができるモードで [SHIFT] [4] (GATALOG) を押すと、カタログ画面が現れます。

Catalog 1 CG20 Catalog 1 

左が fx-CG50 で、右が fx-CG20 です。

左の画面には、HISTORY というメニューと 表記 "Catalog" の右に検索入力欄が増えています。過去に検索して入力したコマンドを再入力するためには HISTORY 機能は大変便利です。 検索入力に1文字入れると絞り込み検索が行われるので、コマンドがうろ覚えの時に便利です。

CATメニューを選ぶとジャンル別一覧が現れます。

atalog Graph 1 

例えば 4: Graph でジャンルを選ぶと以下の画面になりますが、ここで fx-CG50 と fx-CG20 で違いがあります。

Catalog Graph 2 CG20 Catalog Graph 2 

左が fx-CG50、右が fx-CG20 です。

右の fx-CG20 では、コマンドのリストが表示されます。
左の fx-CG50 で表示されるリストは、コマンドではなくて説明です。この下のレベルでさらに説明のリストが現れることもあります。かなり分かり易く改善されています。

なお、CAT メニューから 1:All を選ぶと、全てのコマンドがアルファベット順に表示されます。このリストを fx-CG50 と fx-CG20 で比較した結果、同一でした。Casio Basic 使えるコマンドの種類が全く同じだと分かります。 
 
 
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Casio Basic の処理速度

fx-CG20 向けの作成したプログラムが そのまま fx-CG50 で動作するのは、ユーザーとしては助かります。fx-CG50 では処理速度の向上が見らるので、具体的に調べてみます。

 計算主体

PRIME - 素因数分解

ダウンロード
- fx-5800P用 pdf ファイル
- fx-9860GII用 g1m ファイル
- fx-CG50 / fx-CG20用 g3m ファイル

※ 使い方やプログラムソースについては、fx-9860GII への移植 - 素因数分解 参照

プログラムを起動すると...

Prime1 
数値を入力して [EXE] で素因数分解を始め、[EXE] を押しながら結果を1行ずつ表示させる。

Prime2 Prime3 
表示が出たら、最後の行を示すので、これで素因数分解の全結果となります。

このプログラムの実行中は、ビジーマーカー以外に表示の更新が無いので、計算速度の比較に向いています。今回は、以下の10桁の数の素因数分解の計算時間を比較します。

計算する数値: 7,849,516,203 = 32 x 9811 x 88897

fx-CG50 の画面は以下のようになります。

   Prime4 Prime5 

機種別処理時間の比較
fx-CG50fx-CG20fx-9860GIIfx-5800P
46秒63秒89秒444秒
11.361.939.65
0.7312.677.05
0.520.7118.73

fx-CG50 の計算処理は、fx-CG20 より 30% 程度速くなっています。
  
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動きのあるテキスト出力

PYTHA - ピタゴラス数探索

ダウンロード

- fx-5800P用 pdf ファイル
- fx-9860GII用 g1m ファイル
- fx-CG50 / fx-CG20用 g3m ファイル

※ 使い方やプログラムソースについては、fx-9860GII への移植 - ピタゴラス数 を参照。

このプログラムを起動すると1つめのピタゴラス数を表示して一旦停止します (左の画面)。
2行目の EXE:Next (-):Stop に変化するまで [EXE] キーを長押しすると、連続的に次々とピタゴラス数が表示し続けます。
そして、右の画面のように500個のピタゴラス数を探索して表示するまでの時間を計って比較します。
    Pytha 1 Pytha 500

[EXE] キーを長押しすると連続モードになって、A、B、C 1組のピタゴラス数が、次々に変化します。つまり、このピタゴラス数探索プログラムは、テキスト表示が常に更新し続けます。
そこで、500個のピタゴラス数が見つかるまでの時間を、機種別に比較してみました。

機種別処理時間の比較
fx-CG50
fx-CG20
fx-9860GII
fx-5800P
87秒
185秒93秒
441秒
12.121.075.07
0.4710.502.38
0.941.9914.74
0.200.420.211

fx-CG50 は、fx-CG20 の2倍程度の処理速度、fx-9860GII とほぼ同等の処理時間。
fx-CG20 は、動きの有るテキスト表示が重すぎて、実用プログラムを走らせるには向かなかったが、その問題が解決されています。

液晶画面の右上にビジーマーカーが表示されますが、fx-CG20 では常に表示し続けているのに対して、fx-CG50 では表示されていない時間が長い点に気付きました。fx-CG50 では ディスプレイへの転送をコマンドごとでなくてある程度まとまって行っている可能性がありそうです。それに伴ってビジーマーカー表示が間欠的になっているのかも知れません。
 
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動きのあるグラフィック出力

MONTECAR - モンテカルロ法による円周率計算

ダウンロード
- fx-9860GII用 g1m ファイル
- fx-CG50 / fx-CG20用 g3m ファイル

※ 使い方やプログラムソースについては、fx-9860GII グラフィックス - モンテカルロ法 を参照。この記事では、実際の画面の変化を動画で見られます。

 Montecar_1 Montecar_2 

 Montecar_3 Montecar_4 

[EXE]
キーを押すと、ランダムに点を打ち始め、それが円内にある割合から円周率を求める、モンテカルロシミュレーションプログラムです。このプログラムは、動きのあるテキスト表示と動きのあるグラフィックス描画を同時に行います。

そこでランダムに500回点を打つまでの時間を、機種別に調べて比較してみました。
機種別処理時間の比較 
fx-CG50
fx-CG20
fx-9860GII
174秒
429秒
135秒
12.470.78
0.4110.31
1.23.181

fx-CG50 は、fx-CG20 の 2.5倍の処理速度を達成。しかし fx-9860GII の 80% 程度の処理速度しかありません。

グラフィック表示の処理時間は fx-CG50 でかなり改善されているとは言え、あまり得意な処理ではないことが分かります。
カシオのグラフ関数電卓は、数学教育目的でグラフを表示することが主眼で、速い動きで変化示す処理は重視していないんでしょう。
 
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さらなる高速化

fx-CG50 は、fx-CG20 の極めて遅い出力処理を改善していることが分かったのですが、それでもゲームなどのピクセル単位での描画が多いプログラムでは全く不十分です。Casio Basic をより高速化するには、現在のところ2つの可能性があります。1つはチューンアップ (オーバークロック) による高速化、もう一つはアドイン版 Casio Basic (C.Basic) の利用です。

チューンアップ
これまで、fx-9860G、fx-9860GII そして fx-CG10 PRIZM / fx-CG20 それぞれの専用オーバークロックツールが、sentaro様により提供されてきています。いずれも比較的安全性が確保されており、私も愛用しています。但しオーバークロックは、ROM 内容が異常になったり、いずれかのチップが損傷をうける可能性があり、これらの結果電卓が正常動作しなくなった場合でもメーカー保証を受けられないので、自己責任で利用しましょう。

Casio グラフ関数電卓を限界までチューンアップ

本ブログでは、作者の sentaro様へ直接質問できるように、以下のエントリーがあります。このエントリ-では、fx-CG20 用の Ptune2 の紹介もしており、サポートも受けられます。
 ⇒ fx-9860GII のオーバークロック - Ftune2 -

fx-CG50 用のオーバークロックツール Ptune3 の開発も始まっていますが、まだβ バージョン段階で、今後一定の安全性を確保しつつさらに高速化できる可能性があります。そこで安定版リリースまでは、以下のエントリ-で情報交換を行います。
 ⇒ fx-CG50 のチューンアップ

ちなみに、各機種をチューンアップして上で紹介した モンテカルロ法による円周率計算の処理時間を比較します。

チューンアップした機種別処理時間の比較 
fx-CG50 tuned by Ptun3
fx-CG20 tuned by Ptune2
fx-9860GII tuned by Ftune2
97秒 (174秒)
108秒 (429秒)
23秒 (135秒)
1.8倍高速化4倍高速化5.9倍高速化
11.110.24
0.9010.21
4.214.701
カッコ内は標準での処理時間

チューンアップは、CPUコアクロックだけでなく、メモリバスクロック、I/Oバスクロック、ウェイトなどを機種に応じて調整します。ここでは、チューンアップの潜在能力を示すだけなので、個別のチューンアップ設定は割愛します。

fx-9860GII の標準での処理時間が 135秒なので、fx-CG50 も fx-CG20 もそれ以上に高速化できています。fx-9860GII はチューンアップで桁違いに速くなっています (これが現時点での fx-9860GII の利点とも言えます)。fx-CG50 用の Ptune3 の今後の進展が楽しみです。
 
アドイン版 Casio Basic (C.Basic)
C.Basic は、現在のところ fx-9860GII 専用版のみの開発が続いています。開発者はチューンアップツールと同じ sentaro様です。

C.Basic は、純正Casio Basic のソースをほぼそのまま実行可能で、特にグラフィック描画の高速化は目を見張るものがあります。
どのくらい速いかは、ここ にある動画を見れば一目瞭然です。現在は、主に海外からの要望に応えつつ、バージョンアップが進んでいます。

現在では、fx-9860G シリーズ用の C.Basic for FX と fx-CGシリーズ用の C.Basic for CG が公開されています。
C.Basic のトップページ
C.Basic for CG のトップページ

[2017/11/01 追記]
なお、fx-CG50 向けの C.Basic for CG の開発が始まっています。C.Basic の処理速度はアドインに近いものになります。この記事では、同じロジックでアドインとCasio Basic のグラフィック描画速度の違いから C.Basic for CG のポテンシャルの高さを紹介しています。公開されるのが楽しみです。公開されています。

 




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keywords: CasioBasicプログラム電卓、fx-CG50

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テーマ : プログラム関数電卓
ジャンル : コンピュータ

e-Gadget 開設8年を超えて - 50万PV 達成

2021年12月04日

2020年10月29日で、e-Gadget は満8年になりました!

カシオのプログラム電卓でのプログラミングをテーマとしたブログが8年を超え、9年目を迎えました。

ブログの最初からのアクセスカウントとページビューの累計値の変化は、多少のデコボコがありますが、ほぼ一定のペースでゆっくりと増えています。

Access20211202   

当ブログにお越しになる人数 (アクセスカウント) の累計は、この11月末 - ちょうど8周年で累計で15万人になりました。
また、各ページが閲覧された回数 (ページビュー) の累計、これを書いている 12月4日で50万回を超えました。

グラフがほぼ一定の傾きで増加していることから、

プログラム電卓自体への興味

プログラム電卓でのプログラミングへの興味

この2つに関して、当ブログを見つけてリピーターになって下さる方々が、ゆっくりですが一定の増加傾向を示していることになります。

当ブログに来られる方へのアンケートは、まだ少ないサンプル数ですが、40~69歳の中高年の方が圧倒的です。
eGadget_Repeater_20211204

ポケコンに親しんだ世代の方が多いのだろうと思われます。


この1年間の主要な動き

主力プログラム電卓の交代
モノクロ液晶のグラフ関数電卓の主力は fx-9750GIII となりましたが、国内では販売されていません。現在国内で販売されているプログラム電卓は、fx-5800Pfx-CG50 のみです。

Pythonモード
Pythonモードが登場したもののプログラミングを楽しむには機能が全く足りなかったのです。しかし caioplot モジュールが登場し、OSアップデートにより使えるようになったことで、ようやくプログラミングを楽しめるようになりました。この1年で Casio Python プログラミング連載 においてより多くの記事を紹介しました。なお Python モードを楽しめるのは fx-CG50 とスタック容量に制限のある fx-9750GIII / fx-9860GIII のみです。

プログラム電卓温故知新
プログラム電卓温故知新 は搭載プログラミング言語に着目してカシオプログラム言語の系譜を明らかにするという企画です。2019年6月に FX-502P から始め、ようやく fx-5800Pfx-9860GIIfx-CG10/CG20 まできました。 fx-CG50fx-9750GIII / fx-9860GIII については、Python モードが搭載された機種であり、Pythonモードは今後もアップデートされると思われるので、今後しかるべきタイミングでカバーしてゆくつもりです。


e-Gadget の次の1年
当ブログの話題の中心は、純正Casio Basicアドイン版Casio Basic - C.Basic に加えて Pthonモードで提供される Casio Python よるプログラミングです。現段階での Python モード (開発環境) や Casio Python (言語) は、まだ機能不足なので一定レベルの実用プログラムやゲームを作れるレベルではありません。
当ブログでは、海外で公開された turtle モジュールと matplot モジュールを使ったプログラミングについても紹介してゆく予定です。新しいモジュールの公開、仕様の変更などについて、引き続き注目してゆこうと思います。


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プログラム電卓は、プログラムを作って、使ってナンボ!

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なお管理人はカシオ計算機の関係者ではありません。いつでもどこでもプログラミングができるプログラム電卓が好きな1ユーザーです。


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