Casio fx-JP900 (その2)
更新 2015/05/24
電卓を持って出るのを忘れて関西出張し、無くて困ったので急遽電卓を購入。fx-JP900 が¥4,190 (ヨドバシカメラ) と比較的安かった (Amazonで¥3,809, 2015/5/19時点) ので、購入しました。fx-JP900 はエポックメイキングな製品なので、いずれ入手しようと思っていました。
ちなみに、1つ前の fx-995ES が、¥1,980 となっていました。

国内3社(カシオ、シャープ、キャノン)の関数電卓を比較する限り、先ずはこのシリーズを入手すれば間違いなし、と勧められるものです。私は収集目的もあるので、最も機能が豊富な fx-JP900 にしましたが、実用を考えれば、fx-JP500 か fx-JP700 が推奨機種と言えます。
黒液晶
fx-995ES や fx-993ES の青液晶にくらべて、やはり黒液晶は見やすいですが、黒液晶のフォントが小さめで、老眼が始まっている私の年代には、少し見づらいのは、悲しいけど事実。コントラストを変えてもあまり違いが出ないので、フォントの形そのものを見やすいものに変更する余地がありそう。
3桁区切り
3桁区切りは、とても有用です。出先で電卓を使う用途は、お金の計算と技術計算。いずれも3桁区切りは必須とも言えるくらいに、必要な機能です。対応が遅すぎたとも言えますが...
印刷フォント
キーの上部に印刷されている文字が、見づらいのも気になります。ある年代以上になると現実の問題です。特に照明の暗い環境では大変苦労します。カーボンファイバーのような模様が字の見づらさを助長しているように感じます。もう少し太い文字、コントラストのあるものにすべきでしょう。
ソルブ機能
出先で、重心の計算をする必要があって、いきなり fx-JP900 のソルブ機能を使ってみましたが、fx-5800P、fx-995ES や fx-993ES と基本的には同じなので、問題なく使えました。
[x] キーと [x-1] キー
関数電卓としては、多機能になっても使い勝手が阻害されていない(使い勝手が劇的に改善したわけではないが...)、[x-1] キーが表に出てきたこと、[x] キーがソルブ機能を使う時に便利だと実感。他にも変数 x を入力して使う機能では有用です。
変数一覧表示
変数一覧表示はとても良い改良で、私には使いやすくなったと感じられる大きな要因の1つです。
表計算
表計算を使ってみたところ、fx-9860GII のように、入力したものを保存することはできないことが分かりました。電源を切っても内容は消えないものの、計算モードを変更すると内容が消去されます。fx-9860GII は内容をファイルとして保存して、それを読み込むことができますので、パソコンに比べて入力性が悪くても一旦入力したものを読み込んで使えて助かりますが、fx-JP900 の表計算は実用的ではありません。こんなことも出来るとアピールするだけのオマケ機能だと感じます。表計算機能の無い fx-JP700やfx-JP500 で十分でしょう。
先ずは小数表示
入力は数式通りにできて、出力を小数に指定できる機能は、fx-995ESから搭載され、fx-JP900/JP700/JP500 でも採用されています。電卓は数値計算が主な目的な人が多いと思います。先に分数や平方根表示がされて、変換キーで小数にするのは、なんとももどかしいのですが、それが最初から小数表示になるのは、有り難いです。分数表示や平方根表示が必要なのは、中学生かせいぜい高校生くらいのものでしょうね。
循環小数
循環小数表示は、fx-995ES から採用された機能ですが、これも子供向けのオマケ機能のように思います。数値計算、特に技術計算では有効数字の概念が重要なので、普通の小数表示が一発で出てくるのが必須だと思います。
複素数計算
複素数計算については、さすがに eπi や ii などの複素指数関数の計算はできないですね。ひょっとして、と思ったのですが...
fx-9860GII や fx-CG20 (おそらくカシオの他のグラフ関数電卓も...)では、これらの計算ができます。ちなみに、
eπi = -1
ii = e-π/2 = 0.2078795764...
です。
なお、fx-JP900 は、その薄さと軽さには驚かされます。店頭に並んでいた他社の関数電卓よりも多機能(必要性については意見が分かれるでしょうが...)、それらと比較すれば、迷わず fx-JP900 或いは、fx-JP500 でも十分競争力があるでしょう。
2015/05/20 追記:
パッケージ
購入した fx-JP900 のパッケージに興味を持ちました。紙の台紙がうまく外せ、またきちんと元に戻せるようになっています。日本以外では考えられない無防備なパッケージではありますが、製品本体や、取説やその他の紙片の入れ替えの可能性や必要性があったのではないかとも思えます。初期ロット品だけかも知れませんが...
筐体とカバーの色
筐体とカバーが白色というのは、長期間使うユーザーのことを本当に考えてのことなのか、大いに疑われます。
購入して3日、カバンに入れて持ち歩き、昼食や夕食のレストランの机で使っただけで、既に汚れが目立っています。恐らく、ユーザーの支持は得られないデザインでしょう。何故、このようなつまらないことをするのか、理解できません。実用を考えれば、筐体とカバーが濃い色で、実用機能も十分な fx-JP500 や fx-JP700 が良いと思います。
ハードカバー
ハードカバーの設計も??です。購入時は、すぐ使えるようにカバーが本体の裏側に取り付けられています。持ち運ぶためにキーや液晶面を保護するようにハードカバーを付け替えると、液晶側(上側)が大きく持ち上がって、厚みが増して無駄にかさばります。fx-993ES や fx-995ES ではカバーはどちらの方向で装着してもうまくフィットしてくれたので、残念です。設計力が落ちているのか、それとも理由があっての設計なのか不明ですが...
カシオメンバーズ
カシオメンバーズと言うユーザー用ページが新設されています。今まで知りませんでした。カシオメンバーズURLが記載された黄色の紙片が同梱されています。昨年ヨドバシカメラで fx-5800P を購入した時には、このような紙片はありませんでした。
実際に製品の登録を行いました。fx-JP900だけでなく、持っている全てのカシオ製品を登録しようとしたら、電卓については 2014年以降の製品のみ登録可能となっています。従って、fx-995ES や それより古い fx-993ES は登録できません。
ところが、fx-5800P、fx-9860GII は登録できました。fx-CG20, fxFD10 Pro も登録可能です。fx-5800P は発売開始は古くても、Casio のホームページに掲載されていて、 fx-9860GII は生産中止とはなっておらず、販売を継続しているので登録できるのは分かります。一方、fx-995ES はホームページで生産中止品ではあるものの、掲載されています。ホームページへの掲載の有無にかかわらず、実際に生産中止されたものは登録不可にしているようです。
ところで、カシオメンバーズとは、それまで製品ごとに愛用者登録を行っていたのを、1つの共通IDで登録するように変更したとのこと。新しいカシオメンバーズへの移行が 予定より遅れて2015年5月15日に終わったばかりなので、fx-JP900 発売には間に合わなかったようです。従って、カシオメンバーズでの登録を促す黄色の紙片は、後からパッケージに追加した可能性が高いですね。なるほど、そのために何度も開けられるパッケージになっていたと思えば納得です。
ユーザー登録情報の統合(ID統合)のお知らせ
カシオメンバーズのトップページ
これ以降に記載した内容は、Casio fx-JP900(その3) に分けて掲載しました。
関連ページ:
- Casio fx-JP900
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- fx-JP900 と fx-5800P 後継機への期待
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