使いやすい電卓プログラム


電卓プログラムは、ちょっとした工夫で使いやすくなる。

使い慣れた関数電卓の良いところは、キーがどこにあるのか、指が覚えていることだと思う。

自分が持っているのと異なるメーカーの電卓をチョット借りて使う時、押したいキーがすぐに見つからず、とても使いづらいことがある。指が覚えているキー配置と違うからだ。同じメーカーの電卓を借りると、キー配置が似かよっているため、使いやすい。



実は、自分で過去に作ったプログラムを使う時に、これと似たような経験をすることがある。
間違いなく、ユーザーインターフェースが統一されていないのが、その理由だ。


なぜ、ユーザーインターフェースがバラバラになるのか?
プログラム電卓は、

・表示画面が小さいので、出力できる文字数が限られる
・表示に使える文字の種類も非常に限定される

つまり電卓の画面は、非常に低レベルの表現力しかない。

以前使っていた、CASIO FX-603P の画面は2行しかない。
それに比べて、CASIO fx-5800P の画面は、4行もある。
この違いは、表示の見やすさに大きく貢献するはずだ。


ところが、fx-5800P で以前作ったプログラムを久しぶりに使うと、とまどうことが有る。

・何を入力して良いのか分からない
・出力された表示の意味が分からない
・計算の前提条件を忘れた

といった別の問題もある。


そこで、迷わず使いやすいプログラムにするために、自分なりのガイドラインに沿ってプログラムを作るろうと思った。今回は、このガイドラインについてまとめてみる。



fx-5800Pで作るプログラムのガイドライン(案)

1.画面表示
  ・メニューの利用
   → 何を操作すれば良いのかを分かるようにする。
   
2.操作方法
  メニューで操作するキーを統一する.。
  → ユーザーインターフェースの統一。

  ・[EXE]: 実行や確定

  ・[AC]: プログラムの強制終了 

  ・[EXIT]:  プログラムの正常終了、サブルーチンの正常終了

  ・[DEL]: 1つ前の状態に戻る。現在の動作の正常中断

  ・[0]:  サブルーチン起動、メニューへ戻るなど

  ・[数字]: 1~9でメニュー選択

  ・[RCL] などの特殊キー: サブルーチン起動、疑似割り込み処理


3.出力方法
  できるだけ、1画面内で操作できるようにする
  → 結果が表示された時、次の操作法が表示されていると迷わない。
  → 結果表示と、メニュー表示や操作法表示を1画面にまとめる。


  但し、多くの結果を表示させる時は、スクロール表示になるが、
  その範囲で工夫する。
  → [EXE] や [AC] 以外のキー操作があれば、説明表示を試みる



FX-603Pの画面は2行しかないので、表示方法に工夫の余地が殆ど無く、ガイドラインなどを考えることは無かった。しかし、fx-5800P の画面は、16桁x4行の広さがあり、工夫のしがいがある。

FX-603P  fx5800P_calc   
 CASIO FX-603P     CASIO fx-5800P

写真の縮尺比率は現物に近づけている。fx-5800Pの画面の広さは、ご覧の通りだ。画面が大きくなった分、電卓本体大きくなった感じだ。

さらに、黒液晶なので文字が見やすい(FX-603Pも黒液晶だが、fx-5800Pはフォントが見やすい)。
最近のCASIOの(普通の)関数電卓は、なぜだか青液晶だ (fx-JP500/700/900でようやく黒液晶に戻った)。青液晶は、なんだか薄ぼけた感じでコントラストが悪く見づらいので気に入らない。安い電卓で黒液晶を使っているのに、何故高級な関数電卓でも黒液晶を使わないのか?
コスト削減のあおりだろうか...


さて、fx-5800Pで出力表示を工夫する時、Locateコマンドが非常に役立つ。自由度の高いキー操作を実現するには、Getkeyコマンドが役立つ。これら2つのコマンドを工夫すると、かなり見やすく、使いやすいプログラムを作れる。


本ブログで既に紹介したプログラム、そして今後ら紹介するプログラムは、このガイドラインに沿ったものにする予定だ。


普通の関数電卓ではできない作業を、プログラム関数電卓で実現するのは、作っていて愉しい。

fx-5800Pのプログラミングは、比較的簡単なので、これからプログラミングを覚えてみたいと言う方にも入門用としてお勧めできる。


FX-603Pfx-5800P
関数電卓機能
画面16桁 x 2行16桁 x 4行
言語アセンブラ風BASIC風
命令/コマンド間接ジャンプ、pause、HLTが有る間接ジャンプ、pause、HLTが無い
保存プログラム数 20本無制限

プログラミング経験者には、特にFX-603P系統に慣れた方には、プログラミング流儀がかなり異なるので、ちょっと慣れが必要だろう。関数電卓としては、FX-603Pよりもfx-5800Pは遙かに進んでおり、複雑な計算を高速に行えるし、計算精度も遙かに高い。プログラム電卓としては、FX603Pに有ってfx-5800Pに無い命令やコマンドが多くあるが、ロジックの工夫次第だと思う。何よりも、大画面を使ってより実用的なプログラムを作れるのが fx-5800Pだと思う。

FX-603Pでは、保存できるプログラムがサブルーチンを含めて20本に限定されているが、fx-5800Pはメモリ容量の範囲で無制限だ。これは、共用できるサブルーチンを使い回すのにはとても有り難い。




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なお管理人はカシオ計算機の関係者ではありません。いつでもどこでもプログラミングができるプログラム電卓が好きな1ユーザーです。


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