楽屋裏 - プログラム電卓メモワール1990-12

2019/06/05
 更新 2019/06/14


今回はカシオ電卓のカタログ1990年12月版を紹介する。

全37ページのうち関数電卓が4ページ、ポケットコンピュータが4ページ割り当てられている。

1990年12月版カタログの関数電卓とポケットコンピュータのページ

FX-603P は1990年に発売開始され、今回の1990年12月のカタログに掲載されている。但し FX-603P は "新発売" になっていないので、同年のより早い時期に発売になったということだ。

FX603P_FX-502P

[2019/06/14 修正]
FX-602P はこの時点で生産中止 (★印がそれを示している) となっているが、FX-602P と並行販売されており、より高性能な FX-603P の方が安価な定価設定になっている。その後 FX-602P はすぐに販売中止となる。一方、FX603P は少なくとも国内では 2006年の fx-5800P 発売開始までの16年間にわたり生産と販売が継続された。これほど製品寿命の長いプログラム電卓は他にないと思う。


ところで、FX-602P のプログラム記憶容量は512ステップで日頃使うプログラムでメモリが一杯になり、何よりも保存できるプログラムとサブルーチンの合計が最大でも10本に限定されるのが問題だった、そこで、記憶容量 1103ステップ以内なら 何本でもプログラムを保存可能 (ファイル名で保存) な fx-4500P を 1990年に購入した。

fx4500P 

ところが、fx-4500P のプログラミング言語は使いにくいことが分かった。FX-502P で出来たことがどうにも実現できず、コマンド自体が少ない。演算速度もFX-502Pよりも遅い。メモリ容量と保存プログラム数以外何も良いところが無く、中途半端なプログラミング言語だ。

そこで、1992年に FX-603P を購入して乗り換えた。FX-602P で作った全てのプログラムが使えた上に、プログラムを20本まで保存でき、記憶可能なステップ数が格段に増え、演算速度も驚くほど向上した。

FX-603P は購入から27年経過しても、現在まだ完全動作する。


世界初のグラフ関数電卓 fx-7000G が 1985年にカシオから発売された。今回の 1990年12月のカタログには、マイナーアップグレードした fx-7000GA が掲載されている。

fx7000GA 
 

[2019/06/14 更新]
ハードウェアとしてみた場合、fx-5800P は、fx-4000Pシリーズの後継機と見えるが、fx-4000Pシリーズの搭載言語は仕様に一貫性がなく(例えば代入に = を使う機種や → を使う機種が混在) 複数行にわたった処理ができす、区切り文字:で繋いで1行に記述することを強いられるなど、言語開発に混乱が見られ、シリーズ最後の fx-4850P でも使い勝手の悪いキーストローク型言語のままで fx-4000Pシリーズは終わった。一方で、fx-7000G から始まるグラフ関数電卓の言語仕様は、一貫性を保ちながら進化していった結果、グラフ関数電卓 fx-9860G で現在の言語仕様に落ち着いた (欧米では2005年発売)。そして、fx-9860G のグラフ描画機能を落とし、旧来からの命令 (" "、、?→) の仕様を一部改良した形で fx-5800P の搭載言語に採用された。

ハードウェアや言語仕様において、FX-603P の系譜は完全に断絶されたが、実用性の高いプログラム関数電卓という FX-603P の立ち位置は、fx-5800P に引き継がれている。その意味で、16年にわたり長く販売されてきたプログラム関数電卓 FX-603P の真の後継機は fx-5800P と言って良いと思う。



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Re: 1981年から1990年!

sentaro様、


管理人のやすです。


> 最近の10年はというとfx-5800Pがまだ現役だったりと変化が少ない状況ですが、
> この当時の10年の進化は速いですね。

その10年は、まさに電子立国日本の激動期でした


> FX-603Pが\19800で売られてるのにそれよりも高い価格でFX-602Pがまだカタログに載っているというのもかなり貴重なカタログですよね。(^^)

価格差について本文に追記しました。


> FX-603Pは今では中古でも定価よりも高いプレミア価格なので、再販してもまだ需要あるんじゃないかと思うくらい、FX-502Pから始まるシリーズの集大成として完成度はかなり高いですね。

学生時代からfx-5800Pを購入するまで使い込みました。メモリ容量が多く高速なので、実験やデータ整理にとても役立ちました。


> 管理人様お持ちのfx-4500Pはどんなものかなという興味でちょっと前に入手してたりしますが、
> 全体的に微妙な完成度の上にプロ電としては劇遅なので、FX-603Pの方が断然使いやすく感じますね。(^^;
> あと、後継のfx-4800Pもありますが、これはfx-5800P並みに速いものの、言語的にはfx-4500P同様に癖がありすぎですし、
> 消費電力多い割にCR2032一個で動作させてるという無理な設計のために非常に中途半端なプロ電です。(^^;

まさにそうですね。カシオの言語開発の暗黒時代といっても良いかも...結局 fx-4000P シリーズでものにならなかったですね!



> fx-7000Gから始まるCASIOのグラフ電卓ですが、fx-7000GAの後継のfx-7000GBをこの前に入手しました。

わ、なかなかのコレクターですね!


> カタログ見ても思うんですが、こういうキーの多い電卓はなにかワクワクしてきますね。

うはは、その気持ちよーくわかります(^_^;


> fx-7000Gシリーズと同じ言語搭載と思われるfx-4000Pも入手してるので、CASIOプロ電のルーツはとりあえず押さえたかなというところです。

素晴らしい! 凄い!!


> 言語仕様的にみれば、fx-7000Gの直系子孫がfx-CG50であるように、fx-5800Pはfx-4000Pの直系の後継というところですね。(^^)

[EXE]キーか[=]キーかで、系統の違いが現れていますよね!


次は、fx-5800P登場をメインとして、FX-603P と CFX-9850GC PLUS、fx-4500P にも触れる予定にしています。

1981年から1990年!

管理人様、こんにちは!

最近の10年はというとfx-5800Pがまだ現役だったりと変化が少ない状況ですが、
この当時の10年の進化は速いですね。
FX-603Pが\19800で売られてるのにそれよりも高い価格でFX-602Pがまだカタログに載っているというのもかなり貴重なカタログですよね。(^^)

FX-603Pは今では中古でも定価よりも高いプレミア価格なので、再販してもまだ需要あるんじゃないかと思うくらい、FX-502Pから始まるシリーズの集大成として完成度はかなり高いですね。

管理人様お持ちのfx-4500Pはどんなものかなという興味でちょっと前に入手してたりしますが、
全体的に微妙な完成度の上にプロ電としては劇遅なので、FX-603Pの方が断然使いやすく感じますね。(^^;
あと、後継のfx-4800Pもありますが、これはfx-5800P並みに速いものの、言語的にはfx-4500P同様に癖がありすぎですし、
消費電力多い割にCR2032一個で動作させてるという無理な設計のために非常に中途半端なプロ電です。(^^;

fx-7000Gから始まるCASIOのグラフ電卓ですが、fx-7000GAの後継のfx-7000GBをこの前に入手しました。
カタログ見ても思うんですが、こういうキーの多い電卓はなにかワクワクしてきますね。
fx-7000Gシリーズと同じ言語搭載と思われるfx-4000Pも入手してるので、CASIOプロ電のルーツはとりあえず押さえたかなというところです。


>そして、fx-5800P は、fx-4000シリーズの後継機であると同時に、fx-7000G から始まるグラフ関数電卓の言語との融合で完成されたと言える。

言語仕様的にみれば、fx-7000Gの直系子孫がfx-CG50であるように、fx-5800Pはfx-4000Pの直系の後継というところですね。(^^)

ただ、グラフ電卓では、fx-7000Gからfx-CG50までは基本的に同じ仕様の改良で何世代も機種が続いてますが、
fx-4000Pからあとは同じ4000シリーズで一括りに出来ないfx-4500Pやfx-4800Pが出てきたりと迷走しています。
プロ電にはFX-502P/602P/603Pという大きな柱があったので、その後継者争いをしていたというところでしょうか。
結果的にはfx-5800Pではグラフ電卓と仕様を合わせてfx-4000Pの方が生き残った形になりました。
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実際に触って気づいたこと、自作プログラム、電卓プログラミングについて書いています。

なお管理人はカシオ計算機の関係者ではなく、Casio Basicが面白いと感じる1ユーザーです。


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