fx-375SE A の概要

 
2021/01/25
追記修正 2021/02/04


Casio fx-375ES A 

先ず最初に申し上げるが、fx-375ES A は、プログラム機能の無いスタンダート関数電卓としては、お勧めのモデルだと思っている。fx-JP900/700/500 の液晶表示の文字が小さくで見づらい、天板のキー上の文字がが小さく見づらい場合は、低価格で高性能な fx-375ES A が良い選択肢になると思う。

管理人は、fx-375ES A (新品)を アマゾンで¥1,773 で購入した。

2013年に日本市場向けに fx-995ES が発売され、それから機能を減らした廉価版 fx-375ES も同時発売された。そのボディ形状を変更した fx-375SE A が2019年6月に国内向けで発売された。このボディは、同年にヨーロッパで発売された fx-991ES PLUS 2nd edition と同じデザインである。

 fx-375ESfx-375ESA_2  fx991es_2 
    fx-375ES       fx-375SE A     fx-991ES PLUS 2nd edition
    2013年発売(日本)     2019年発売(日本)  2019年発売(ヨーロッパ)

機能面は、必要性はともかくとして、fx-991ES PLUS 2nd edition よりも多く搭載されており、ESシリーズで最も機能が豊富な fx-115ES PLUS 2nd edition に近い。

地域  ESモデル進化1  ESモデル進化2  ESモデル - 新デザインボディ
日本 fx-991ES⇒ fx-993ES⇒ fx-995ESfx-375ES A
欧州 fx-991ES⇒ fx-991ES PLUS
⇒ fx-991ES PLUS C
fx-991ES PLUS 2nd edition
⇒ fx991ES PLUS C 2nd edition
北米 fx-991ES⇒ fx-115ES PLUS⇒ fx-115ES PLUS 2nd edition
※ これまで調べた範囲での各地域ごとのモデル展開。北米モデルは常に欧州モデルより少し多機能で、安い設定になっている。

欧米向けモデルでは、主に中国メーカーによるコピー模倣品排除を目的としたリニューアル製品(タイ工場製) に 2nd edition のネーミングを与えている。一方で、日本向けの fx-375ES A は 欧米向け製品の 2nd edition と全く同じデザインだが、2nd edition の名前が与えられていない。

今回は、fx-374ES A について、fx-991ES PLUS 2nd editionfx-115ES PLUS 2nd edition と比較しつつ調べてみた。


模倣品対策について

購入前に正規品の確認が可能か?
fx-991ES PLUS 2nd edition のパッケージにも同様に QRコード/ホログラムのステッカが貼付されている。
 QR_HOlogram 

これは、購入前に店頭で正規品の確認ができるように用意されている。このQRコードを読み込むめば、正規品の確認ができ、正しいホログラムかどうかの調べ方も参照できるようになっている。
Authenticity_Check_by_QR_on_Package.png

一方、fx-375ES A のパッケージには、上のようなQRコードやホログラムがない。
fx-375ESA_Package 

fx-375ES A は購入前に正規品かどうかを確認できないが、日本の店舗ではその必要が無いのだろう。


購入後に電卓本体が正規品だと確認可能か?
QR_on_Calc_2fx-991ES PLUS 2nd edition は、電卓本体でQRコードと製品IDを表示する機能が追加されており、電卓本体が正規品であることを確認可能だ。
[MODE] - [0] をキーを押すと左のような表示になる。このQRコードを読み込むと正規品を証明するページにアクセスできるようになっている。



電卓で表示されるQRコードを読み取ると以下のページにアクセスできる。
Authenticity_page

このページからユーザー登録すると、正規品証明書が得られる。ユーザー登録すれば、数学ゲームや漫画が楽しめる。このページをスクロールしてゆくと、マニュアルへのリンクがある。

さらにスクロールしてゆくと、キャッチフレーズ "DON'T BUY FAKE PRODUCTS!" が現れる。
 DON'T_BUY_FAKE_PRODUCTS
2nd edition のネーミングが与えられた製品は、コピー模倣品対策がしっかりなされている。

国内モデルである fx-375ES A で、同じように [MODE] - [0] を推すと、同じように製品IDとQRコードが表示される。  
fx-375ESA_QR_on_calc 

このQRコードは、以下のページへのリンクになっている。
fx-375ESA_link_from_calc_QR
このページでは取扱説明書が読めるようになっているが、模倣品対策のアピールは全くない。
パッケージの裏側にQRコードが表示コードが2つあるが、これらも模倣品対策とは無関係だ。

fx-375ES A は、デザイン変更しただけのモデルであった。

ボディ裏側にある銘板の刻印には、MADE IN THAILAND と書かれている。2nd edition モデルの生産は、中国からタイへ移管されており、今後も移管が進んでゆくのであろう。生産をタイに移管することは、中国製摸倣品対策として一定の効果はあるのだろうと思う。


性能比較

fx-375ES A の機能を fx-991ES PLUS 2nd edition や fx-115ES PLUS 2nd edition の機能と比較してみる。

機能 fx-375ES A fx-991ES PLUS 2nd edition fx-115ES PLUS 2nd edition
不等式評価モード
(INEQ)
 --- --- 
真偽評価モード
(VERIF)
 --- --- 
分布関数モード
(DIST)
 --- --- 
行列計算モード
(MATRIX)
 ---  
ベクトル計算モード
(VECTOR)
 ---  
総積計算 --- --- 
数値の整数部分を得る
(Int)
 --- --- 
引数を超えない最大
の整数値を得る (Intg)
 --- --- 
除算の余り計算 (÷R)  --- 
循環小数表示  --- 
単位換算 200 単位 40 単位 
最大公約数 (GCD)  --- 
最小公倍数 (LCM)  --- 
整数乱数 (RanInt#)  --- 
2つ前のアンサ・メモリ  --- 

fx-375ES A の機能は、fx-991ES PLUS 2nd edition よりもかなり豊富で、ESシリーズ最高機能数を誇る fx-115ES PLUS 2nd edition よりは少ない。しかし技術者が実用的に使う機能は十分揃っていると思う。  



単位換算機能
これまでのスタンダード関数電卓では、単位換算機能で換算できる単位が、欧米モデルと比べて日本モデルの方が豊富に用意されている。fx-375ES A でも同等だ。

ところで、これまでのモデルでは、変換したい単位を呼び出すキー操作については、ハードカバーの裏側のステッカーで説明されており、日本モデルでは fx-993ESfx-995ES では2ページ構成のステッカーになっていた。ところが、fx-375ES A では、単位指定のキー操作は一切書かれておらず、その代わりに説明ページへのリンクを示すQRコードが表示コードが 印刷されている。

Desc_UnitConversion  Unit_Conversion_Keypress

計算性能の比較
分数表示と演算精度
235÷658 を計算すると 5/14 と表示され、[S↔D] キーを押せば 0.3571428571 と小数表示される。計算精度は 10 桁になっている。

桁落ち
123456789123456 - 123456789123411 を計算すると、本来 45 となるべきところ 0 となり、桁落ちが発生する。これはカシオの全ての関数電卓、グラフ関数電卓で見られるカシオ特有の問題である。ちなみに一部のモデルに搭載されている Pythonモードでは、桁落ちは見られない。

内部演算精度
radモードで tan(π/2) = -∞ となるところ、近似的に tan(355/226) として、tan( の内部実装精度、および内部演算精度を調べる。
※ tan(355/226) = -7,497,258.18532558711290507183
fx-375ES A: -7497258.44
fx-991ES PLUS 2nd edition: -7497258.44
同じ結果になった。

べき乗とルート計算
(-32)^(3/5) を計算してみる。
fx-991ES A-8
fx-991ES PLUS 2nd edition-8
・fx-JP900: -8
・fx-5800P: -8
・fx-9750GIII: -8
・fx-CG50: -8

fx-991ES A と fx-991ES PLUS 2nd edition は、両方とも正しく -8 と表示された。カシオの関数電卓では、ESシリーズで初めてこの計算を正しく行えるようになっている。
参考までに、プログラム関数電卓 fx-5800P、グラフ関数電卓 fx-9750GIIIfx-CG50 の結果も併記した。いずれも正しい結果になる。

積分計算
時間のかかる積分計算として、以下の計算を調べる。
Integral_! 
この積分は、radモードでも degモードでも同じ結果になるが、計算は rad モードで行う。

モデル結果出力処理時間
 fx-115ES PLUS 2nd editionπ394.1 秒
 fx-991ES Aπ395.1 秒
 fx-991ES PLUS 2nd editionπ400.6 秒
 fx-993ESπ411.8 秒
 fx-995ESπ427.3 秒
 fx-JP900π83.7 秒
 fx-5800Pπ173.3 秒
 fx-9750GIII (OS3.40)π14.5 秒
 fx-CG50 (OS3.50)π9.2 秒
※ 参考までに、Natural-VPAM 機能を搭載した fx-993ESfx-995ESfx-JP900、そしてプログラム関数電卓 fx-5800P、グラフ関数電卓 fx-9750GIIIfx-CG50 の結果も併記する。

fx-JP900 は極めて高速化されていて、スタンダード関数電卓の中では最速であった。fx-911ES PLUS 2nd editionfx-991ES よりも高速化されており、fx-JP900 よりも古いモデルの中では最速であった。なお、fx-993ES よりも後継モデルの fx-995ES の方が遅いのは意外であった。

fx-991ES A の関数計算速度は、fx-991ES PLUS 2nd edition より速く、fx-115ES PLUS 2nd edition に近い。



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keywords: CasioBasicプログラム電卓、fx-CG50

 
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なお管理人はカシオ計算機の関係者ではなく、Casio Basicが面白いと感じる1ユーザーです。


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