温故知新 - fx-5800P

プログラム電卓 温故知新
 - 搭載プログラミング言語に注目して、プログラム電卓の変遷を考える - 
<目次>


 
2021/01/04
追記:2021/01/09
追記修正:2021/02/10

過去から現在に至る性能や仕様の変化を調べ、プログラミング言語を中心にカシオ製プログラム電卓の系譜を明らかにする。

7. 新世代 Casio Basic の特殊バージョン - 機能の改善

今回は、fx-9860G からの派生モデルとして2006年に発売された fx-5800P を取り上げる。日本国内では fx-5800P が先に2006年9月に発売され、その後2006年10月以降に fx-9860G が発売されている。
2006年9月発行のカシオ電卓総合カタログ - fx-5800P が NEW として収録されている
2007年12月発行のカシオ電卓総合カタログ - fx-9860G が収録、これ以前に発売開始

fx-9860G シリーズ (fx-9860G SDfx-9860G Slim を含む) は当初 OS1.xx として発売されたが、その後のアップデートでOS2.0x に搭載された 新世代Casio Basic は、2021年1月時点での最新モデル fx-CG50fx-9750GIIIfx-9860GIII にもその機能がほぼそのまま引き継がれており、大きな差が見られない。つまり 新世代Casio Basicfx-9860Gシリーズの OS2.0x でほぼ完成されていたことになる。

その一方で、fx-9860G シリーズの Casio Basic から、グラフィックス、I/O、文字列処理関連のコマンドを無くしたサブセット版が fx-5800P に搭載されている。但しサブセット版であるだけでなく、一部のコマンド(旧来の命令) では極めて重要な改善が行われている点には注目すべきであろう。改善点の詳しくは後述するが、この機能改善は何故かその後のグラフ関数電卓には反映されず、土木測量専用電卓 fx-FD10 Pro にのみ引き継がれているのは誠に残念だと言える。


Casio fx-5800P

fx5800P_calcfx-5800P は、2006年9月に新発売された。

カタログ 取扱説明書 (e-Gadgetサイト) 

使用可能なメインメモリは 28.5KBで、グラフ関数電卓のようにストレージメモリが無くアドインプログラムが使えない。

fx-5800P
 は、スタンダード関数電卓と同等のサイズと重量であり、グラフ関数電卓よりも遙かに小型軽量になっている。製品カテゴリは "プログラム関数電卓" であり、fx-9860G 以降のグラフ関数電卓で可能になっているOSアップデートには対応していない。

fx-5800P は、スタンダード関数電卓に 新世代Casio Basicによるプログラミング機能を追加したような位置づけになっている。

プログラム可能な電卓として、グラフ関数電卓と大きく異なるのは、COMPモード(通常の関数電卓モード) から [FILE] キーで新世代Casio Basicプログラムを呼び出して使える機能だ。COMPモードにおいて PROG コマンドが使えて、PROG "プログラム名" と入力するとプログラムを実行できる仕様が背景にある。プログラムモードに入らずにプログラムを実行できるので、不用意なプログラム変更の危険性を排除できる。なお、プログラム名に12文字使え、最大8文字のグラフ関数電卓と異なっている。


ハードウェアと外観
fx-5800P のサイズやキー配置は fx-4800P に極めて類似しており、外観だけでなく各種機能を呼び出すためのソフトウェアメニューも fx-4800P から発展したものになっている。

Programable_calcs

ハードウェアと外観からみれば、fx-5800Pfx-4800P の後継モデルのように見えるが、ソフトウェア仕様、特に搭載言語の面では、fx-4800P とは全く異なる系統であり、fx-9860G 搭載の 新世代Casio Basic の派生バージョンになっている。

ハードカバーのヒンジの脆弱性
fx-5800P の問題点の1つに、ハードカバーのヒンジが脆弱で壊れやすいことが挙げられる。これは材料選定や設計上の問題だと考えており、その詳細と解決策を以下で紹介している;
 ⇒ fx-5800P:ヒンジ破損でカバーが取れた
 ⇒ fx-5800P の破損ヒンジの交換、ついでにリニューアル

PCリンク機能
fx-5800P は SB-62ケーブル (3Pinケーブル)を用いて fx-5800P 同士を繋いでプログラムの転送ができる。しかしPCとの間で転送するための PCリンク機能はカシオから提供されていない。これが fx-5800P のもう1つの問題点である。

ところが、takumako様により CcLinker というハードウェアとソフトウェアが提供されたことで、fx-5800P のPCリンクが可能になっている。
詳しくは以下を参照;
 ⇒ ついに fx-5800P がPCリンク可能になった

CcLinkerに続いて、fx-5800P新世代Casio Basic プログラムをPCで編集・作成できるエディタ CcEditor も takumako様により公開され、CcEditorで編集・作成したプログラムを CcLinkerfx-5800P に転送可能になっている。
なお、fx-5800P に内蔵されているが fx-5800P では入力できない隠しフォントを 文字や変数として使えることは殆ど知られていない。CcEditor には、fx-5800P の隠しフォントを文字や変数として使用可能とする機能もある。
詳しくは以下を参照;
 ⇒ fx-5800P Casio Basic をPCでコーディング - CcEditor


電 源
単四アルカリ乾電池1本で動作し、公称1年間動作となっている。単四サイズのニッケル水素充電池 (エネループなど) も使える。電源を入れると、前回電源を切った状態が再現されるデータバックアップ機能もある。このバックアップ機能はカシオのスタンダート関数電卓にはない機能であり、とても有用だと思う。


関数電卓としての性能

関数電卓としての使いやすさ
 グラフ関数電卓は大きくて重いので、スタンダード関数電卓に近いサイズと重さの fx-5800P は手軽に使える。実際に使ってみると、fx-5800P を関数電卓として使う時は、グラフ関数電卓よりも使いやすいと感じる。

そこで、シングルアクション(キーを1回押すだけ)で各種関数機能を呼び出せると使いやすく、次はダブルアクション(キーを2回押すだけ)で呼び出せると使いやすさが少し悪化する、といった観点で、スタンダード関数電卓、プログラム関数電卓、グラフ関数電卓の代表的モデルで比較してみた ( 温故知新:番外編 - 関数電卓としての使い勝手) 。その結果、グラフ関数電卓よりも fx-5800P がシングルアクションで呼び出せる関数が僅かに多いことが分かった。小型軽量であることも fx-5800P の使いやすさに繋がると思う。

分数表示と演算精度
235÷658 を計算すると 5/14 と表示され、[S↔D] キーを押せば 0.3571428571 と小数表示される。計算精度は 10 桁になっている。

桁落ち
123456789123456 - 123456789123411 を計算すると、本来 45 となるべきところ 0 となり、桁落ちが発生する。COMPモードだけでなく、Casio Basicでの計算でも同様だ。これは fx-5800P に限らずカシオの全ての関数電卓、グラフ関数電卓で見られるカシオ特有の問題である。ちなみに一部のモデルに搭載されている Pythonモードでは、この桁落ちの問題はない。

複素指数関数
eπi を計算してみる。計算できれば答えは -1 になる。
fx-9860G では複素指数関数の計算に対応し -1 が得られるが、fx-5800P では Math ERROR となり未対応だ。

積分計算 [2021/01/09 追記]
時間のかかる積分計算として以下の計算を調べる。
Integral_! 

モデル名 (OSバージョン)結果出力処理時間
fx-9860G Slim (OS2.00)3.14159265421.5 秒
fx-9860G (OS2.01)3.14159265422.3 秒
fx-9860G Slim (OS1.11)3.14159265423.6 秒
fx-9860G (OS1.03)3.14159265426.2 秒
fx-5800Pπ173 秒

fx-9860Gシリーズは、最初の出力が分数になり、[F↔D] キーを押すと π と表示される。
fx-5800P では、最初の出力が π となり、[S↔D] キーを押すと分数に切り替わる。
但し、fx-5800P は fx-9860G よりも処理速度が非常に遅い。


搭載言語 (Casio Basic) の概要

搭載されている 言語 (新世代Casio Basic) の詳細仕様に着目すれば、fx-5800Pfx-9860G と互換のサブセット版になっている。fx-5800PCasio Basic は、fx-9860G 搭載コマンドから、グラフィックス、I/O、文字列処理のコマンドを取り去り、一部のコマンドは使いやすくなるように改善されている。この改善点は fx-FD10 Pro に反映されているが、fx-9860G よりも新しいグラフ関数電卓には反映されておらず、fx-5800P は特殊なサブセット版を搭載していると言える。

fx-9860G OS1.xx にはなく OS2.0x で追加されたコマンドの一部 (整数乱数発生 RanInt# など) が fx-5800P に追加されている。fx-9860G OS2.0xfx-9860GII 発売に合わせて公開されており、その公開前に fx-5800P に搭載されたものが OS2.0x に反映されているのが正しい順序だ。

主なコマンド
 - 入力:?, ?→, Getkey
 - 出力:" ", , Locate
 - 無条件ジャンプ:Goto / Lbl
 - 条件ジャンプ: (fx-4000P、7000G と同じ仕様)
 - カウントジャンプ:Isz, Dsz
 - 条件分岐:If / Then / Else / IfEnd
 - For ループ:For / To / Step / Next
 - Do ループ:Do / LpWhile
 - While ループ:While / WhileEnd
 - 制御コマンド:Break, Return, Stop
 - 比較演算: =,, >, <,,
 - 論理演算: And, Or, Not
 - 乱数: Ran#, RanInt#
 - 配列:Z[] (配列変数) が1つだけ使える
 - リスト:List 
 - 行列:Mat 、行列初期化コマンド
Dim が未サポート
 - 各種関数

fx-5800P で改善されたコマンド類 (fx-FD10 Proでも対応)
 - ? のみでの入力
 - ?→" ":fx-9860G 以降のグラフ関数電卓では極めて使いにくい点が fx-5800P で改善されている。
詳細は以下を参照;
  fx-9860GII への移植 - 厄介な旧来の命令 を参照。


プログラムの作成と実行
キーコード取得プログラムを入力した。コマンドを入力するためのキー (キープレス) は、fx-9860Gシリーズ以降のグラフ関数電卓とは異なる。

ファイル名:GET KEYCODE
" GET KEYCODE" (スペース2個)
Locate 6,3,"HIT ANY KEY"
Locate 8,4,"<AC>:QUIT"
Lbl 0
Do
Getkey→K
LpWhile K=0
Locate 1,1,"KEYCODE =   "
(スペース4個)
Locate 11,1,K
Goto 0


GetKeyCode_simple_1 GetKeyCode_simple_2 

fx-5800P 隠しフォントの利用
fx-5800P では、デフォルトでは、数字と大文字アルファベット、いくつかの特殊文字だけが入力できる。
ところが実際には、小文字アルファベット、ギリシャ文字、添え字のフォントが内蔵されており、この隠しフォントが文字や変数として使える。
GetKeycode1 



このバージョンのプログラムの動作を説明する。
いずれかのキーを押せば、そのキーコードが表示される。追加機能として、キーを長押しするとプログレスバーが延びてゆき、キーリピート回数が表示される。この追加機能には実用的な目的はなく、動きのある表現を加えてみたかっただけである。
CcLinkerで転送する cclファイル、CcEditorで編集できる cce ファイルは以下からダウンロード;
  GetKeycode2.zip のダウンロード


プログラムリスト
 
Program List には、アルファベット順にプログラム名 (ファイル名) が並んでおり、アルファベットを押すとそれから始まるプログラム名にジャンプできる。
ProgLIst 


プログラムの作成・編集
プログラム編集画面は、挿入モードになっており、使いやすい。
各コマンドのキープレス (コマンド入力のためのキー入力) は、[FUNCTION] キーで現れるソフトウェアメニューの配下に全て集まっているので、グラフ関数電卓よりもコマンドを探しやすい。

プログラムの作成について、詳しくは Casio Basic 入門 を参照。


プログラムの転送
 電卓間転送
SB62_Link SB62 
3pin-3pinケーブル (SB-62) を使えば、fx-5800P 同士でプログラムの転送ができる。
3pin-3pinケーブル (SB-62)
まだ販売されているが、takumako様により互換ケーブルが有償頒布されている。SB-62 は fx-CGシリーズの国内正規版には標準添付されている。

PCリンク 
CcLinker_fx-5800Pカシオは fx-5800P のPCリンクの手段を提供していない。 

PCリンクを実現するのは、現在のところ takumako様による CcLinker が唯一の方法である。 

詳しくは ついに fx-5800P がPCリンク可能になった を参照。









テキストベース・プログラム
モグラ叩きゲーム
アクションゲーム - "Whack-a-Mole (もぐら叩き)" をCcLinker で転送した。そもそもオリジナルは fx-5800P で作成したもの。ここで転送したプログラムファイルは、WHACK-A-MOLEWAM の2つだ。

 Whacka-a-Mole_start Whacka-a-Mole_pla 

この程度のアクションゲームなら fx-5800P新世代Casio Basic でも作れることを確かめたくて作ったというのが真相だ。
このゲーム作成の詳細は以下を参照;
  プログラムライブラリ - もぐら叩き (fx-5800P)
  fx-5800P【ゲーム】:もぐら叩き~まとめ~


fx-5800P でのプログラミング

明らかになっているバグ
Do / While / For ループからの脱出に Dsz / Isz を使うと Syn ERROR になる
 ※対策:ループを Lbl / Goto に置き換えるか、ループ脱出に Break を使う
この現象は、fx-5800Pfx-9860G 以降のグラフ関数電卓でも存在することが確認されている。
⇒ 楽屋裏 - Dsz によるループ脱出 参照
カシオとのやりとりの結果、ループの後 (必ずしも直後でなくても良い) に Goto 0:Lbl 0 と記述することでこのエラーを回避できることが分かっている (詳細は上記記事参照)。


処理速度の比較

四則演算および関数計算

加算プログラム
加算 

プログラムを起動し、N に 1000 を入力して実行時間を計る。

fx-5800P のプログラム
fx7000G_source_adding_up_Isz2 AddTest_For 
繰り返しに Goto / Lbl を使うケース(左)と For を使うケース(右)の2通りで処理速度を調べる。


数値積分プログラム
関数 

この通史積分は、とね日記 - 席初の手帳型プログラム関数電卓 CASIO FX-502P (1979), FX602P (1981) で取り上げられているものをそのまま使わせていただく。

プログラム起動し、分割数として 1000 を入力して、時効時間を計る。

fx-5800PGS のプログラム
FuncTest_Goto_9850 FuncTest_For_985 
繰り返しに Goto / Lbl を使うケース(左)と For を使うケース(右)の2通りで処理速度を調べる。

以前調べた結果と併せて、上記の計算速度のを比較結果を示す;
加算プログラム数値積分プログラム
機種実行時間比較実行時間 (秒)比較
FX-502P123.1 秒---1261.8 秒---
FX-602P111.2 秒1.1 倍716.5 秒1.8 倍
FX-603P37.8 秒3.3 倍166.2 秒7.6 倍
fx-4000P61.7 秒2.0 倍349.1秒3.6 倍
fx-4500P195.0 秒0.6 倍798.1 秒1.6 倍
fx-4800PA=A+126.3 秒4.7 倍114.3 秒11.0 倍
Isz A21.2 秒5.8 倍109.4 倍11.5 倍
fx-7000GA=A+120.7 秒5.9 倍146.1 秒8.6 倍
Isz A19.3 秒6.4 倍143.2 秒8.8 倍
CFX-9850GGoto20.9 秒5.9 倍98.3 秒12.8 倍
For9.2 秒13.4 倍84.3 秒15.0 倍
CFX-9860GC PLUSGoto22.0 秒5.6 倍100 秒12.6 倍
For9.2 秒13.4 倍85.4 秒14.8 倍
fx-9860G
OS 1.02
Goto2.1 秒61.6 倍14.6 秒86.4 倍
For1.3 秒94.7倍13.2 秒95.6 倍
OS 1.03Goto2.1 秒61.6 倍14.4 秒87.6 倍
For1.1 秒111.9 倍13.1 秒96.3 倍
OS 1.04Goto2.5 秒61.6 倍14.3 秒88.2 倍
For1.2 秒102.6 倍13.0 秒97.1 倍
OS 1.05Goto2.3 秒61.6 倍14.3 秒88.2 倍
For1.2 秒102.6 倍13.1 秒96.3 倍
OS 2.01Goto3.6 秒34.2 倍17.0 秒74.2 倍
For2.5 秒49.2 倍15.1 秒83.6 倍
fx-5800PGoto25.1 秒4.9 倍151.9 秒8.3 倍
For16.4 秒7.5 倍126.8 秒10.0 倍
記念すべき FX-502P を基準に、速度が何倍になっているかも併せて示している。

fx-5800P は、グラフ関数電卓 fx-9860G に比べて10倍以上処理速度が遅いことが判る。
単四電池1本で1年間保たせる設計は、スタンダード関数電卓を意識したものと思われ、そのために電流消費を抑える必要からCPUの処理速度を抑えてることを優先させたことから、グラフ関数電卓よりもかなり処理速度が遅くなっていると思われる。


プログラム電卓の系譜 

単なる計算やグラフ表示のマクロ言語から脱却し、アプリケーションとしてのプログラムを書けるように進化した 新世代Casio Basic を初めて搭載したのが fx-9860G で、さらにカシオのプログラム電卓で初めてアドインプログラムを走らせることができるようになり、それを開発するための公式SDKの提供も行った野心的なモデルであった。また、新たにUSBポートを備え、PCとUSBケーブルでリンクできるようになり、従来の 3Pin - USB接続よりも高速なデータ転送が可能になった点も大きな進歩であった。2005年発売の fx-9860G の基本設計は、2021年現在の最新モデル fx-CG50fx-9860GIIIfx-9750GIII にまで、ほぼそのまま引き継がれている。

このような野心的な fx-9860G の発売後、直接の後継モデル fx-9860GIII よりも先に 2006年に発売されたのが fx-5800P であり、このモデルには fx-9860GII で新たに搭載されることになるコマンドがいち早く搭載され、加えて fx-9860G の Casio Basic で使い勝手の悪いコマンド(旧来の命令) が改善されている。 しかし、この Casio Basic の改善点は、その後発売される土木測量専用モデル fx-FD10 Pro には引き継がれたが、残念ながら直系の後継モデル fx-9860GII には反映されていないのは残念だと思う。fx-5800P 搭載言語は、最新モデルに繋がる新世代Casio Basic の特殊な派生バージョンとなっている。

fx-5800P はスタンダート関数電卓にプログラミング機能を追加したという製品コンセプトが与えられているように思われ、直前に発売された fx-9860G 搭載の 新世代Casio Basic からグラフィックス機能、I/O機能、文字列処理機能を取り去ったサブセット版 Casio Basic を搭載したことで、処理速度は遅いながらも実用性の高いプログラムが作れるプログラム電卓に仕上がっている。fx-5800P には、関数電卓としての使いやすさが残されており、さらに通常の関数電卓モードであるCOMPモードから[FILE]キーを押して表示されるプログラムリストから直ちにプログラムを実行できる仕様 (グラフ関数電卓には無い仕様) により、プログラム実行環境としても良いやすく仕上がっている。

fx-5800P のハードウェア設計は、fx-4800P を発展させたもので、fx-4800P の後継モデルのようにみえる。一方で、搭載言語の詳細をみれば fx-9860G の Casio Basic の系譜てあることが明らかだ。

カシオの関数電卓のカテゴリーは、スタンダード関数電卓、プログラム関数電卓、そしてグラフ関数電卓に分けられる。主な市場は、数学や科学・工学教育市場 (主に学生) と技術者向けの市場であり、特にグラフ関数電卓は、日本国外の教育市場を主戦場として新製品が投入されるようになって久しい (2021年現在)。一方、プログラム関数電卓 fx-5800P は教育市場というよりも、スタンダード関数電卓に付加価値としてプログラム開発機能追加した製品に興味を持つ人が対象で、理工系の学生や技術者向けの実用的な実用的な用途を想定しているのは明らかだ。このような実用ユーザーは、安価な普通のスタンダード関数電卓で十分と思うのか、多少高価で大きく重い最新のグラフ関数電卓を使うのか、その間の価格帯で小型軽量なプログラム関数電卓 (fx-5800P) が良いと思うのか、という基準で関数電卓を選んでいるのではないか?

手軽にプログラムを書いて使う環境として、fx-5800P 以外にも最近はパソコンで手軽に使える Python などは有用になってきている。管理人は、Pythonfx-5800P の最大のライバルであるように感じている。2006年発売から 15年もの長期間、製造販売が継続している fx-5800P の存在価値は、パソコンを起動しなくても手軽に実用プログラムを作成&実行できる環境であることにあると考えている。 

2019年以降、最新のグラフ関数電卓 fx-CG50fx-9860GIIIfx-9750GIII には Pythonモードが追加され、ゆっくりであるがアップデートも進んでいる。Python 搭載は今後のプログラム電卓の新たな訴求点になってゆくと思われる。この方向性は、パソコンを起動しなくても手軽にプログラムを作成・実行する環境を提供するという視点では、fx-5800P の位置づけと大きく変わらない。

カシオのプログラム電卓の系譜を考えるとき、実用プログラムの作成が可能で過去の資産も豊富にある 新世代 Casio Basic と、言語仕様としてはまだ不十分かつ (まだ)実用性に乏しい Python モード (参照記事) の両方を搭載し、Pythonモードのアップデートをどのように進めるのかが、カシオのプログラム電卓の大きな転換点になると考えられる。




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温故知新:番外編 - 関数電卓としての使い勝手



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keywords: プログラム関数電卓、プログラミング、Casio Basic、CFX-9850GC PLUS

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テーマ : プログラム関数電卓
ジャンル : コンピュータ

fx-375ES A のイースタエッグ - 診断機能

2021/02/06


fx-375ES A について

国内で 2019年に発売された fx-375ES A は、fx-375ES の機能はそのままにデザインを変更したモデルです。

fx-375ES は fx-995ES (2013年発売) の一部機能を制限した廉価版です。

fx-375ESA      fx-375ES  fx-995ES
    fx-375ES A            fx-375ES              fx-995ES   

詳しくは、fx-375ES A の概要 を参照してください。


fx-375ES A の診断モード

診断モードに入るには、[SHIFT] + [7] + [ON] を同時に押します。電源ON でも OFF かには関わらず簡易診断モードに入ります。

簡易診断モードは、一桁の数の加算あるいは減算問題がランダムに表示され、正解の1桁のテンキーを入力すると TEST OK と表示され通常計算モードになります。正解のテンキー以外のキーや[AC]キーを押すと TEST OK の表示無しに通常計算モードになります。この加減計算による簡易診断モードは、2019年以降のモデルに採用されたと思われる新しいものです。

簡易診断モードで、[9] を押すか、[6] を押すかで、それぞれ異なる診断モードに入ります。

まず、[9] を押した時の処理です。[ON]を押せばいつでも診断モードがら抜けられます。
操作画面出力
0[SHIFT]+[7]+[OK]簡易診断モードに入る
1[9]インジケータと全ドット点灯
2[SHIFT]インジケータと全ドット消灯
3[SHIFT]ドットマトリックス部の外周を1ドット幅で点灯
4[SHIFT]1つおきにインジケータ点灯、ドットが千鳥格子で点灯、7セグが半分点灯
5[SHIFT]1つおきに別のインジケータ点灯、ドットの千鳥格子が反転、7セグが反転
6[SHIFT]CY-857 VerA
SUM A4DB OK IDOK
Pd- Read OK
Press AC

と表示
7[AC]CONTRAST
11h
LIGHT    DARK
  [◀]     [▶]
と表示。ここで[◀] [▶} キーで液晶コントラストを調整できる
8[AC]00 と表示
9[SHIFT]01と表示、他のキーは受け付けない
10[ALPHA]02と表示、他のキーは受け付けない
11[上矢印]03と表示、他のキーは受け付けない
12[右矢印]04と表示、他のキーは受け付けない
13[MODE]05と表示、他のキーは受け付けない
14[CALC]06と表示、他のキーは受け付けない
15[積分]07と表示、他のキーは受け付けない
16[左矢印]08と表示、他のキーは受け付けない
17[下矢印]09と表示、他のキーは受け付けない
18[x-1]10と表示、他のキーは受け付けない
19[log▯]11と表示、他のキーは受け付けない
20[分数] ~ [ln] まで順に押す12, 13, 14, 15, 16, 17 と順に表示、他のキーは受け付けない
21[(-)] ~ [Ans] まで順に押す18 から 48まで順に表示、他のキーは受け付けない
22[=]TEST OK

Reset All
Press AC
と表示
23[AC]診断モードから計算モードへ移行
※ [ON] を押せばいつでも診断モードが中断


次に、 [6] を押した時の処理です。
操作画面出力
0[SHIFT]+[7]+[ON]簡易診断モードに入る
1[6]診断メニューを表示
1. Disp 2. Ver/SUM
3. Key  4. Cont
5. Key1  6. Key2
AC:EXIT
2診断メニューで[1]を押す 
インジケータと全ドット点灯
[SHIFT]インジケータと全ドット消灯
[SHIFT]ドットマトリックス部の外周を1ドット幅で点灯
[SHIFT]1つおきにインジケータ点灯、ドットが千鳥格子で点灯、
[SHIFT]1つおきに別のインジケータ点灯、ドットの千鳥格子が反転
[SHIFT]診断メニューに戻る
3診断メニューで[2]を押すCY-857 VerA
SUM A4DB OK IDOK
Pd- Read OK
Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
4診断メニューで[3]を押す00 と表示
[SHIFT]01 と表示、他のキーは受け付けない
[ALPHA]02 と表示、他のキーは受け付けない
[上矢印]03 と表示、他のキーは受け付けない
[右矢印]04 と表示、他のキーは受け付けない
[MODE]05 と表示、他のキーは受け付けない
[CALC]06  と表示、他のキーは受け付けない
[積分]07 と表示、他のキーは受け付けない
[左矢印]08 と表示、他のキーは受け付けない
[下矢印]09 と表示、他のキーは受け付けない
[x-1]10 と表示、他のキーは受け付けない
[log▯]11 と表示、他のキーは受け付けない
[分数][In] まで順に押す12, 13, 14, 15, 16, 17 と順に表示、他のキーは受け付けない
[(-)][Ans] まで順に押す18 から 48 まで順に表示、他のキーは受け付けない
[=] TEST OK

Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
5診断メニューで[4]を押すCONTRAST
11h
LIGHT      DARK
 [◀]       [▶]
と表示。ここで[◀] [▶] キーを押してコントラストを調整できる
[AC]診断メニューに戻る
6診断メニューで[5]を押す[SHIFT][S⇔D] までのキーを順に押して、キー応答の確認
[M+]TEST OK

Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
7診断メニューで[6]を押す[7][Ans] までのキーを順に押して、キー応答の確認
[=]TEST OK

Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
8診断メニューで[AC]を押す診断モードから計算モードへ移行
 
[SHIFT] [MODE] (SETUP) - [▼] - [8] (◀CONT▶) と押して液晶コントラスト調整ができますがコントラストが定量的に設定 / 表示されません。[6] で入る診断モードでは16進数の数値でコントラスト調整ができるので、より便利だと思います。



関連ページ:
- fx-JP900 のイースターエッグ - 診断機能
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fx-115ES PLUS 2nd edition のイースタエッグ - 診断機能

2021/02/06


fx-115ES PLUS 2nd edition について

北米で2019年発売の fx-115ES PLUS 2nd edition は、fx-115ES PLUS (北米モデル) の摸倣品対策を主眼として機能はそのままにデザインを変更したモデルです。

ところで、北米モデル fx-115ES PLUS は日本国内モデル fx-995ES (2013年発売) に相当し、機能も似ている。fx-995ES の2つ前のモデルが fx-991ES (国内 2005年1月発売) で、Natural-VPAM (教科書通り数学自然入力) 機能がカシオ機で初めて搭載されたモデルです。

fx-115esplus2_large     FX-115ESPLUS_larg fx-995ES
  fx-115ES PLUS        fx-115ES PLUS      fx-995ES
   2nd edition   


詳しくは、fx-115ES PLUS 2nd edition の概要 をご参照ください。


fx-115ES PLUS 2nd edition の診断モード

診断モードに入るには、[SHIFT] + [7] + [ON] を同時に押します。電源ON でも OFF かには関わらず簡易診断モードに入ります。

簡易診断モードは、一桁の数の加算あるいは減算問題がランダムに表示され、正解の1桁のテンキーを入力すると TEST OK と表示され通常計算モードになります。正解のテンキー以外のキーや[AC]キーを押すと TEST OK の表示無しに通常計算モードになります。この加減計算による簡易診断モードは、2019年以降のモデルに採用されたと思われる新しいものです。

簡易診断モードで、[9] を押すか、[6] を押すかで、それぞれ異なる診断モードに入ります。

まず、[9] を押した時の処理です。[ON]を押せばいつでも診断モードがら抜けられます。
操作画面出力
0[SHIFT]+[7]+[OK]簡易診断モードに入る
1[9]インジケータと全ドット点灯
2[SHIFT]インジケータと全ドット消灯
3[SHIFT]ドットマトリックス部の外周を1ドット幅で点灯
4[SHIFT]1つおきにインジケータ点灯、ドットが千鳥格子で点灯、7セグが半分点灯
5[SHIFT]1つおきに別のインジケータ点灯、ドットの千鳥格子が反転、7セグが反転
6[SHIFT]CY-847 VerA
SUM 3C5D OK IDOK
Pd- Read OK
Press AC

と表示
7[AC]CONTRAST
11h
LIGHT    DARK
  [◀]     [▶]
と表示。ここで[◀] [▶} キーで液晶コントラストを調整できる
8[AC]00 と表示
9[SHIFT]01と表示、他のキーは受け付けない
10[ALPHA]02と表示、他のキーは受け付けない
11[上矢印]03と表示、他のキーは受け付けない
12[右矢印]04と表示、他のキーは受け付けない
13[MODE]05と表示、他のキーは受け付けない
14[CALC]06と表示、他のキーは受け付けない
15[積分]07と表示、他のキーは受け付けない
16[左矢印]08と表示、他のキーは受け付けない
17[下矢印]09と表示、他のキーは受け付けない
18[x-1]10と表示、他のキーは受け付けない
19[log▯]11と表示、他のキーは受け付けない
20[分数] ~ [ln] まで順に押す12, 13, 14, 15, 16, 17 と順に表示、他のキーは受け付けない
21[(-)] ~ [Ans] まで順に押す18 から 48まで順に表示、他のキーは受け付けない
22[=]TEST OK

Reset All
Press AC
と表示
23[AC]診断モードから計算モードへ移行
※ [ON] を押せばいつでも診断モードが中断


次に、 [6] を押した時の処理です。
操作画面出力
0[SHIFT]+[7]+[ON]簡易診断モードに入る
1[6]診断メニューを表示
1. Disp 2. Ver/SUM
3. Key  4. Cont
5. Key1  6. Key2
AC:EXIT
2診断メニューで[1]を押す 
インジケータと全ドット点灯
[SHIFT]インジケータと全ドット消灯
[SHIFT]ドットマトリックス部の外周を1ドット幅で点灯
[SHIFT]1つおきにインジケータ点灯、ドットが千鳥格子で点灯、
[SHIFT]1つおきに別のインジケータ点灯、ドットの千鳥格子が反転
[SHIFT]診断メニューに戻る
3診断メニューで[2]を押すCY-847 VerA
SUM 3C5D OK IDOK
Pd- Read OK
Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
4診断メニューで[3]を押す00 と表示
[SHIFT]01 と表示、他のキーは受け付けない
[ALPHA]02 と表示、他のキーは受け付けない
[上矢印]03 と表示、他のキーは受け付けない
[右矢印]04 と表示、他のキーは受け付けない
[MODE]05 と表示、他のキーは受け付けない
[CALC]06  と表示、他のキーは受け付けない
[積分]07 と表示、他のキーは受け付けない
[左矢印]08 と表示、他のキーは受け付けない
[下矢印]09 と表示、他のキーは受け付けない
[x-1]10 と表示、他のキーは受け付けない
[log▯]11 と表示、他のキーは受け付けない
[分数][In] まで順に押す12, 13, 14, 15, 16, 17 と順に表示、他のキーは受け付けない
[(-)][Ans] まで順に押す18 から 48 まで順に表示、他のキーは受け付けない
[=] TEST OK

Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
5診断メニューで[4]を押すCONTRAST
11h
LIGHT      DARK
 [◀]       [▶]
と表示。ここで[◀] [▶] キーを押してコントラストを調整できる
[AC]診断メニューに戻る
6診断メニューで[5]を押す[SHIFT][S⇔D] までのキーを順に押して、キー応答の確認
[M+]TEST OK

Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
7診断メニューで[6]を押す[7][Ans] までのキーを順に押して、キー応答の確認
[=]TEST OK

Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
8診断メニューで[AC]を押す診断モードから計算モードへ移行
 
[SHIFT] [MODE] (SETUP) - [▼] - [8] (◀CONT▶) と押して液晶コントラスト調整ができますがコントラストが定量的に設定 / 表示されません。[6] で入る診断モードでは16進数の数値でコントラスト調整ができるので、より便利だと思います。



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fx-991ES PLUS 2nd edition のイースタエッグ - 診断機能

2021/02/06


fx-991ES PLUS 2nd edition について

ヨーロッパで2019年発売の fx-991ES PLUS 2nd edition は、fx-991ES PLUS (ヨーロッパモデル) の摸倣品対策を主眼として機能はそのままにデザインを変更したモデルです。

ところで、ヨーロッパモデル fx-991ES PLUS は日本国内モデル fx-993ES (2008年12月発売) に相当し、機能も似ている。fx-993ES の1つ前のモデルが fx-991ES (国内 2005年1月発売) で、Natural-VPAM (教科書通り数学自然入力) 機能がカシオ機で初めて搭載されたモデルです。

fx991es_2    fx-911ES PLUSfx-991ES
  fx-991ES PLUS        fx-991ES PLUS      fx-991ES
   2nd edition   


詳しくは、fx-991ES PLUS 2nd edition の概要 を参照してください。


fx-991ES PLUS 2nd edition の診断モード

診断モードに入るには、[SHIFT] + [7] + [ON] を同時に押します。電源ON でも OFF かには関わらず簡易診断モードに入ります。

簡易診断モードは、一桁の数の加算あるいは減算問題がランダムに表示され、正解の1桁のテンキーを入力すると TEST OK と表示され通常計算モードになります。正解のテンキー以外のキーや[AC]キーを押すと TEST OK の表示無しに通常計算モードになります。この加減計算による簡易診断モードは、2019年以降のモデルに採用されたと思われる新しいものです。

簡易診断モードで、[9] を押すか、[6] を押すかで、それぞれ異なる診断モードに入ります。

まず、[9] を押した時の処理です。[ON]を押せばいつでも診断モードがら抜けられます。
操作画面出力
0[SHIFT]+[7]+[OK]簡易診断モードに入る
1[9]インジケータと全ドット点灯
2[SHIFT]インジケータと全ドット消灯
3[SHIFT]ドットマトリックス部の外周を1ドット幅で点灯
4[SHIFT]1つおきにインジケータ点灯、ドットが千鳥格子で点灯、7セグが半分点灯
5[SHIFT]1つおきに別のインジケータ点灯、ドットの千鳥格子が反転、7セグが反転
6[SHIFT]CY-845 VerA
SUM 7064 OK IDOK
Pd- Read OK
Press AC

と表示
7[AC]CONTRAST
11h
LIGHT    DARK
  [◀]     [▶]
と表示。ここで[◀] [▶} キーで液晶コントラストを調整できる
8[AC]00 と表示
9[SHIFT]01と表示、他のキーは受け付けない
10[ALPHA]02と表示、他のキーは受け付けない
11[上矢印]03と表示、他のキーは受け付けない
12[右矢印]04と表示、他のキーは受け付けない
13[MODE]05と表示、他のキーは受け付けない
14[CALC]06と表示、他のキーは受け付けない
15[積分]07と表示、他のキーは受け付けない
16[左矢印]08と表示、他のキーは受け付けない
17[下矢印]09と表示、他のキーは受け付けない
18[x-1]10と表示、他のキーは受け付けない
19[log▯]11と表示、他のキーは受け付けない
20[分数] ~ [ln] まで順に押す12, 13, 14, 15, 16, 17 と順に表示、他のキーは受け付けない
21[(-)] ~ [Ans] まで順に押す18 から 48まで順に表示、他のキーは受け付けない
22[=]TEST OK

Reset All
Press AC
と表示
23[AC]診断モードから計算モードへ移行
※ [ON] を押せばいつでも診断モードが中断


次に、 [6] を押した時の処理です。
操作画面出力
0[SHIFT]+[7]+[ON]簡易診断モードに入る
1[6]診断メニューを表示
1. Disp 2. Ver/SUM
3. Key  4. Cont
5. Key1  6. Key2
AC:EXIT
2診断メニューで[1]を押す 
インジケータと全ドット点灯
[SHIFT]インジケータと全ドット消灯
[SHIFT]ドットマトリックス部の外周を1ドット幅で点灯
[SHIFT]1つおきにインジケータ点灯、ドットが千鳥格子で点灯、
[SHIFT]1つおきに別のインジケータ点灯、ドットの千鳥格子が反転
[SHIFT]診断メニューに戻る
3診断メニューで[2]を押すCY-845 VerA
SUM 7064 OK IDOK
Pd- Read OK
Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
4診断メニューで[3]を押す00 と表示
[SHIFT]01 と表示、他のキーは受け付けない
[ALPHA]02 と表示、他のキーは受け付けない
[上矢印]03 と表示、他のキーは受け付けない
[右矢印]04 と表示、他のキーは受け付けない
[MODE]05 と表示、他のキーは受け付けない
[CALC]06  と表示、他のキーは受け付けない
[積分]07 と表示、他のキーは受け付けない
[左矢印]08 と表示、他のキーは受け付けない
[下矢印]09 と表示、他のキーは受け付けない
[x-1]10 と表示、他のキーは受け付けない
[log▯]11 と表示、他のキーは受け付けない
[分数][In] まで順に押す12, 13, 14, 15, 16, 17 と順に表示、他のキーは受け付けない
[(-)][Ans] まで順に押す18 から 48 まで順に表示、他のキーは受け付けない
[=] TEST OK

Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
5診断メニューで[4]を押すCONTRAST
11h
LIGHT      DARK
 [◀]       [▶]
と表示。ここで[◀] [▶] キーを押してコントラストを調整できる
[AC]診断メニューに戻る
6診断メニューで[5]を押す[SHIFT][S⇔D] までのキーを順に押して、キー応答の確認
[M+]TEST OK

Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
7診断メニューで[6]を押す[7][Ans] までのキーを順に押して、キー応答の確認
[=]TEST OK

Press AC

と表示
[AC]診断メニューに戻る
8診断メニューで[AC]を押す診断モードから計算モードへ移行
 
[SHIFT] [MODE] (SETUP) - [▼] - [6] (◀CONT▶) と押して液晶コントラスト調整ができますがコントラストが定量的に設定 / 表示されません。[6] で入る診断モードでは16進数の数値でコントラスト調整ができるので、より便利だと思います。



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fx-CG50 取れたゴム足 - クリーニングと補修

 
2021/01/19
追記 2021/01/20
追記 2021/02/06

Casio fx-CG50のゴム足

fx-CG50_case_s2017年7月に入手した fx-CG50 は、3年以上使い込んできました。白いプラスチックは、汚れが目立ちやすいので、定期的にアルコールやクリーナーで汚れを落としています。


さて、白いハードカバーと白い筐体の裏側には、それぞれ4つのゴム足が付いています。
New_Hard_Cover  rubber foot 

このゴム足は、白くて半透明のシリコンゴムで、デザイン上きれいです。しかし時間を経るに従い着色してきました。
Colored_Rubber 

全部で8個あるゴム足のうち、最も着色のひどいものは、こんな感じになっています。クリーナーで拭いても着色は取れません。

ところで、このゴム足は結構取れやすいのだと、当ブログの読者の皆様から聞いていました。私の場合は、幸運なことに購入後3年以上たって、ついに1個が取れました。

幸いなことに、取れたゴム足がスグに見つかり、そのまま元の位置に張り直しました。しかし一度剥がれたものは貼り直しても、やはりスグに取れてしまいます。

Colored_removed_Rubber 
このゴム足は、粘着剤シートで貼り付いていて、取れたときにシートの一部が折り返されていて、この写真のようにそのそのまま張り直しました。その時、粘着シートが着色していて、シリコンゴム自体はそれほど着色していないことに気づきました。

そこで、汚れた粘着シートは簡単に取り除けたので、シリコンゴムのゴム足と、ゴム足が張り付いていたところをアルコールで拭き取ってクリーニングしました。
Cleaned_Rubber 

シリコンゴム自体は、新品の時よりは多少は着色してしまっていますが、思ったよりも透明感が残っています。

これを接着して補修しました。

 
シリコンゴムの接着

ゴム足のシリコンゴムは、実は接着の難しい材料です。一方ハードカバーや筐体裏側は ABS樹脂で、多くの接着剤が適用できる材料です。余談ですが、シリコンゴムを強力に接着できるのは、シリコーンベースの接着剤か、プライマを併用したシアノアクリレート系接着剤 (瞬間接着剤) くらいだと思います。

今回は、Permabond Engineering Adhesive 製の Permabond 105 と ポリオレフィンプライマ (POP) を使いました。かなり以前から手元にあったものです。

[2021/01/21 追記] ネットで検索すると国産品でシリコンゴムを接着できるものが見つかります。試してはいませんが、それらでも補修できると思います。

シリコンゴムは上下があり、逆向きだと穴にうまく収まらないので注意が必要です。そしてシリコンゴムの接着する面に綿棒で POP を塗り、105をできるだけ少量だけプラスチックの穴の中に載せます。ピンセットでシリコンゴムを穴にピッタリ合わせてから、しっかりと10秒程度押しつけます。このとき、指に接着剤が付かないように注意します。
Repaired_Rubber 

きれいに接着できました。
ちなみに、着色したゴム足と今回接着したゴム足を比べると、シリコンゴム自体の経年による着色が僅かで、きれいに補修できたことがわかります。
Before_After_Rubber 

さて、今回使った接着剤は、たまに使う程度で、普段は冷蔵庫に保管しています。使用前には、室温に戻るまで室内で放置してからキャップを開けるようにしています。室温よりも冷たい状態でキャップを外すと、接着自身やボトルの内側に結露し、それにより接着剤に水分が含まれやすくなります。これを抑えることが長期保存にはとても重要です。おかげで数年間性能の劣化が殆どなく保管できています。

かなりお気に入りの接着剤なので、メーカーのデモビデオを紹介します (音楽が鳴ります)。強力に接着できることがわかります。



今後、他のゴム足が取れそうになったら、取れて無くしてしまう前に、今回の方法で補修しようと思います。



[2021/02/06 追記]
上でゴム足1つを接着した時に使ったのは、海外の工業用接着剤メーカー Permabond Engineering Adhesives の製品が、手元にあったのでそれを使ったわけですが、これは一般には入手しにくいかも知れません。そこで、シリコーンゴムの接着ができて国内で入手しやすいものを使ってみました。シアノアクリレート接着剤とプライマのセットになっており、プライマの臭いは Permabond のプライマとかなり似ているので、その成分は似たものだと思われます。




今回はハードカバーのゴム足、残り3個 の着色した粘着剤を取り除き、エタノールで汚れを拭き取り、シリコーンゴムの接着面をプライマ 処理し、接着しました。
Whole_Repaird

シリコーンゴム本来の白っぽい半透明の色合いに、ほぼ戻りました。満足!!




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keywords: CasioBasicプログラム電卓、fx-CG50

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fx-375SE A の概要

 
2021/01/25
追記修正 2021/02/04


Casio fx-375ES A 

先ず最初に申し上げるが、fx-375ES A は、プログラム機能の無いスタンダート関数電卓としては、お勧めのモデルだと思っている。fx-JP900/700/500 の液晶表示の文字が小さくで見づらい、天板のキー上の文字がが小さく見づらい場合は、低価格で高性能な fx-375ES A が良い選択肢になると思う。

管理人は、fx-375ES A (新品)を アマゾンで¥1,773 で購入した。

2013年に日本市場向けに fx-995ES が発売され、それから機能を減らした廉価版 fx-375ES も同時発売された。そのボディ形状を変更した fx-375SE A が2019年6月に国内向けで発売された。このボディは、同年にヨーロッパで発売された fx-991ES PLUS 2nd edition と同じデザインである。

 fx-375ESfx-375ESA_2  fx991es_2 
    fx-375ES       fx-375SE A     fx-991ES PLUS 2nd edition
    2013年発売(日本)     2019年発売(日本)  2019年発売(ヨーロッパ)

機能面は、必要性はともかくとして、fx-991ES PLUS 2nd edition よりも多く搭載されており、ESシリーズで最も機能が豊富な fx-115ES PLUS 2nd edition に近い。

地域  ESモデル進化1  ESモデル進化2  ESモデル - 新デザインボディ
日本 fx-991ES⇒ fx-993ES⇒ fx-995ESfx-375ES A
欧州 fx-991ES⇒ fx-991ES PLUS
⇒ fx-991ES PLUS C
fx-991ES PLUS 2nd edition
⇒ fx991ES PLUS C 2nd edition
北米 fx-991ES⇒ fx-115ES PLUS⇒ fx-115ES PLUS 2nd edition
※ これまで調べた範囲での各地域ごとのモデル展開。北米モデルは常に欧州モデルより少し多機能で、安い設定になっている。

欧米向けモデルでは、主に中国メーカーによるコピー模倣品排除を目的としたリニューアル製品(タイ工場製) に 2nd edition のネーミングを与えている。一方で、日本向けの fx-375ES A は 欧米向け製品の 2nd edition と全く同じデザインだが、2nd edition の名前が与えられていない。

今回は、fx-374ES A について、fx-991ES PLUS 2nd editionfx-115ES PLUS 2nd edition と比較しつつ調べてみた。


模倣品対策について

購入前に正規品の確認が可能か?
fx-991ES PLUS 2nd edition のパッケージにも同様に QRコード/ホログラムのステッカが貼付されている。
 QR_HOlogram 

これは、購入前に店頭で正規品の確認ができるように用意されている。このQRコードを読み込むめば、正規品の確認ができ、正しいホログラムかどうかの調べ方も参照できるようになっている。
Authenticity_Check_by_QR_on_Package.png

一方、fx-375ES A のパッケージには、上のようなQRコードやホログラムがない。
fx-375ESA_Package 

fx-375ES A は購入前に正規品かどうかを確認できないが、日本の店舗ではその必要が無いのだろう。


購入後に電卓本体が正規品だと確認可能か?
QR_on_Calc_2fx-991ES PLUS 2nd edition は、電卓本体でQRコードと製品IDを表示する機能が追加されており、電卓本体が正規品であることを確認可能だ。
[MODE] - [0] をキーを押すと左のような表示になる。このQRコードを読み込むと正規品を証明するページにアクセスできるようになっている。



電卓で表示されるQRコードを読み取ると以下のページにアクセスできる。
Authenticity_page

このページからユーザー登録すると、正規品証明書が得られる。ユーザー登録すれば、数学ゲームや漫画が楽しめる。このページをスクロールしてゆくと、マニュアルへのリンクがある。

さらにスクロールしてゆくと、キャッチフレーズ "DON'T BUY FAKE PRODUCTS!" が現れる。
 DON'T_BUY_FAKE_PRODUCTS
2nd edition のネーミングが与えられた製品は、コピー模倣品対策がしっかりなされている。

国内モデルである fx-375ES A で、同じように [MODE] - [0] を推すと、同じように製品IDとQRコードが表示される。  
fx-375ESA_QR_on_calc 

このQRコードは、以下のページへのリンクになっている。
fx-375ESA_link_from_calc_QR
このページでは取扱説明書が読めるようになっているが、模倣品対策のアピールは全くない。
パッケージの裏側にQRコードが表示コードが2つあるが、これらも模倣品対策とは無関係だ。

fx-375ES A は、デザイン変更しただけのモデルであった。

ボディ裏側にある銘板の刻印には、MADE IN THAILAND と書かれている。2nd edition モデルの生産は、中国からタイへ移管されており、今後も移管が進んでゆくのであろう。生産をタイに移管することは、中国製摸倣品対策として一定の効果はあるのだろうと思う。


性能比較

fx-375ES A の機能を fx-991ES PLUS 2nd edition や fx-115ES PLUS 2nd edition の機能と比較してみる。

機能 fx-375ES A fx-991ES PLUS 2nd edition fx-115ES PLUS 2nd edition
不等式評価モード
(INEQ)
 --- --- 
真偽評価モード
(VERIF)
 --- --- 
分布関数モード
(DIST)
 --- --- 
行列計算モード
(MATRIX)
 ---  
ベクトル計算モード
(VECTOR)
 ---  
総積計算 --- --- 
数値の整数部分を得る
(Int)
 --- --- 
引数を超えない最大
の整数値を得る (Intg)
 --- --- 
除算の余り計算 (÷R)  --- 
循環小数表示  --- 
単位換算 200 単位 40 単位 
最大公約数 (GCD)  --- 
最小公倍数 (LCM)  --- 
整数乱数 (RanInt#)  --- 
2つ前のアンサ・メモリ  --- 

fx-375ES A の機能は、fx-991ES PLUS 2nd edition よりもかなり豊富で、ESシリーズ最高機能数を誇る fx-115ES PLUS 2nd edition よりは少ない。しかし技術者が実用的に使う機能は十分揃っていると思う。  



単位換算機能
これまでのスタンダード関数電卓では、単位換算機能で換算できる単位が、欧米モデルと比べて日本モデルの方が豊富に用意されている。fx-375ES A でも同等だ。

ところで、これまでのモデルでは、変換したい単位を呼び出すキー操作については、ハードカバーの裏側のステッカーで説明されており、日本モデルでは fx-993ESfx-995ES では2ページ構成のステッカーになっていた。ところが、fx-375ES A では、単位指定のキー操作は一切書かれておらず、その代わりに説明ページへのリンクを示すQRコードが表示コードが 印刷されている。

Desc_UnitConversion  Unit_Conversion_Keypress

計算性能の比較
分数表示と演算精度
235÷658 を計算すると 5/14 と表示され、[S↔D] キーを押せば 0.3571428571 と小数表示される。計算精度は 10 桁になっている。

桁落ち
123456789123456 - 123456789123411 を計算すると、本来 45 となるべきところ 0 となり、桁落ちが発生する。これはカシオの全ての関数電卓、グラフ関数電卓で見られるカシオ特有の問題である。ちなみに一部のモデルに搭載されている Pythonモードでは、桁落ちは見られない。

内部演算精度
radモードで tan(π/2) = -∞ となるところ、近似的に tan(355/226) として、tan( の内部実装精度、および内部演算精度を調べる。
※ tan(355/226) = -7,497,258.18532558711290507183
fx-375ES A: -7497258.44
fx-991ES PLUS 2nd edition: -7497258.44
同じ結果になった。

べき乗とルート計算
(-32)^(3/5) を計算してみる。
fx-991ES A-8
fx-991ES PLUS 2nd edition-8
・fx-JP900: -8
・fx-5800P: -8
・fx-9750GIII: -8
・fx-CG50: -8

fx-991ES A と fx-991ES PLUS 2nd edition は、両方とも正しく -8 と表示された。カシオの関数電卓では、ESシリーズで初めてこの計算を正しく行えるようになっている。
参考までに、プログラム関数電卓 fx-5800P、グラフ関数電卓 fx-9750GIIIfx-CG50 の結果も併記した。いずれも正しい結果になる。

積分計算
時間のかかる積分計算として、以下の計算を調べる。
Integral_! 
この積分は、radモードでも degモードでも同じ結果になるが、計算は rad モードで行う。

モデル結果出力処理時間
 fx-115ES PLUS 2nd editionπ394.1 秒
 fx-991ES Aπ395.1 秒
 fx-991ES PLUS 2nd editionπ400.6 秒
 fx-993ESπ411.8 秒
 fx-995ESπ427.3 秒
 fx-JP900π83.7 秒
 fx-5800Pπ173.3 秒
 fx-9750GIII (OS3.40)π14.5 秒
 fx-CG50 (OS3.50)π9.2 秒
※ 参考までに、Natural-VPAM 機能を搭載した fx-993ESfx-995ESfx-JP900、そしてプログラム関数電卓 fx-5800P、グラフ関数電卓 fx-9750GIIIfx-CG50 の結果も併記する。

fx-JP900 は極めて高速化されていて、スタンダード関数電卓の中では最速であった。fx-911ES PLUS 2nd editionfx-991ES よりも高速化されており、fx-JP900 よりも古いモデルの中では最速であった。なお、fx-993ES よりも後継モデルの fx-995ES の方が遅いのは意外であった。

fx-991ES A の関数計算速度は、fx-991ES PLUS 2nd edition より速く、fx-115ES PLUS 2nd edition に近い。



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fx-115ES PLUS 2nd edition の概要

 
2021/02/01


Casio fx-115ES PLUS 2nd edition - ESシリーズ最高峰 (摸倣品対策あり)

日本国内で 2013 年に発売された fx-995ES、北米でこれに対応した fx-115ES PLUS が販売されていた。主に摸倣品対策のために、この北米モデルを摸倣品対策を主眼としてリニューアルした fx-115ES PLUS 2nd edition が2019年に発売された。同じ時期に fx-991ES PLUS (ヨーロッパモデル) も同様にリニューアルされ、fx-991ES PLUS 2nd edition として発売された。

本記事では、摸倣品対策としてのリニューアルの内容、そして機能面での進化について調べた内容を紹介する。

fx-995ES FX-115ESPLUS_larg fx-115esplus2_large
      fx-995ES       fx-115ES PLUS   fx-115ES PLUS 2nd edition
    (日本モデル)        (北米モデル)     (北米モデル)

今回は、日本モデルの fx-995ES とほぼ同じ機能を持つ北米モデルの fx-115ES PLUS 2nd edition を紹介しようと思う。これはESモデルで最も高機能で処理速度の速い (後述する) モデルで、残念ながら日本では販売されていない。機能面では1つ前のモデル fx-115ES PLUS  (これも北米モデルで国内販売されていない) に 製品IDとQRコードを表示する機能が追加された以外、他は全く同じで、デザインがリニューアルされたのが fx-115ES PLUS 2nd edition だ。この追加機能とデザイン変更が摸倣品対策になっている。

なお、fx-115ES PLUS 2nd edition や その前のモデル fx-115 PLUS は、日本モデル fx-995ES と機能面でかなり似ている。また日本モデル fx-375ES A は fx-995ES の機能を減らしたモデル fx-375ES をリニューアルして、デザインが 2nd edition モデルと同じになっている。ちなみに、これらの日本モデルの特長として、単位変換機能で対応している単位の種類は、対応する北米モデルよりも多くなっている。

fx-115ES PLUS 2nd edition に対応するヨーロッパモデルは、fx-991ES PLUS C 2nd edition で、これら2機種には共通の User's Guide が用意されている。但し、世界各国各地域ごとのWebページをみても fx-991ES PLUS C 2nd edition の掲載が見つからないので、あまり販売されていないのかも知れない。
fx-115ES_PLUS2_Users_Manual

さて、Natural-VPAM に対応した ESシリーズは、最初のモデル fx-991ES / fx-115ES から、地域によって進化の経路が下記のように異なる。
地域  ESモデル進化1  ESモデル進化2  ESモデル摸倣対策品
日本 fx-991ES⇒ fx-993ES⇒ fx-995ES fx-375ES A
欧州 fx-991ES⇒ fx-991ES PLUS
⇒ fx-991ES PLUS C    
fx-991ES PLUS 2nd edition
fx991ES PLUS C 2nd edition
北米 fx-115ES⇒ fx-115ES PLUSfx-115ES PLUS 2nd edition
※ これまで調べた範囲での各地域ごとのモデル展開。北米モデルは常に欧州モデルより少し多機能で、安い設定になっている。

カシオ関数電卓の分類
カシオの関数電卓は、以下のように世代に合わせて MSモデル ⇒ ESモデル ⇒ EXモデルなどと区分けされている。これらのモデル以外の関数電卓、ならびにプログラム関数電卓やグラフ関数電卓も下表に分類する。 

  世 代表示行数入力方式出力方式代表的機種 (摸倣対策品は赤文字)
第1世代1行表示置数後に関数入
置数と計算結果fx-260 Solar II
FX-502P, FX-602P
 
第2世代
  (MSモデルなど)
2行表示数式通り入力
(VPAM / S-VPAM)
入力表示行と結果出力行を
分ける
fx-991s, fx-991W, fx-991MS
fx-991MS 2nd edition
fx-290A

FX-603P, fx-4000P
fx-4500P, fx-4800P
fx-7000G, CFX-9850Gシリーズ
fx-7400GIII
 
第3世代
  (ESモデルなど)
複数行表示教科書通り
数学自然入力
(Natural-VPAM)
数学自然表示
(積分や総和記号入力も)
fx-991ES, fx993ES, fx-995ES
fx-991ES PLUS
fx-991ES PLUS C
fx-115ES PLUS
fx-991ES PLUS 2nd edition
fx-991ES PLUS C 2nd edition
fx-115ES PLUS 2nd edition
fx-375ES A

fx-5800P, fx-9860Gシリーズ
f
c-9750GIII
 
第4世代
  (EXモデルなど)
高精細
複数行表示
教科書通り
数学自然入力
(Natural-VPAM)
数学自然表示
(積分や総和記号入力も)
fx-JP900, fx-JP700, fx-JP500
fx-991EX

fx-CG20, fx-CG50


2nd edition の摸倣品対策

主に中国メーカーによる模倣品対策を企図したモデルに 2nd edition のネーミングが与えられている。2nd edition モデルの1部は、製品パッケージにQRコードとホログラムのステッカーが貼ってある。このQRコードのリンク先にアクセスすると正規品だと表示され、ホログラムの信憑性についての説明もある。購入前に店頭で正規品かどうかを知る手がかりになるわけだ。

さらに 2nd edition モデルには、電卓の画面で製品IDとQRコードを表示する機能が追加されており、そのQRコードでリンクされているページで、手元にある電卓が正規品である証明書が表示されるようになっている。

これらに加えて、2nd edition モデルは、中国工場ではなくタイ工場での生産に切り替わっているのも、摸倣品対策の1つだと思われる。

以下、具体的にみてゆく。

fx-115ES PLUS 2nd edition の購入前の正規品確認 - 未対応
fx-115ES_PLUS2_Package
この写真のように、管理人が入手した fx-115ES PLUS 2nd edition のパッケージには、正規品を示すホログラムや正規品を証明するページへのリンクを示すQRコードが見当たらない。

電卓本体の製品ID表示と正規品の証明
x-115ES_PLUS2_QR_in_calcfx-115ES PLUS 2nd edition にも、電卓本体でQRコードと製品IDを表示する機能が追加されており、電卓本体が正規品であることを確認可能だ。
[MODE] - [0] をキーを押すとこのような表示になり、このQRコードを読み込むと正規品を証明するページにアクセスできるようになっている。
fx-991ES PLUS 2nd edition でも同様の模倣品対策が施されている。

電卓で表示されるQRコードを読み取ると以下のページにアクセスできる。
Authenticity_page

このページからユーザー登録すると、正規品証明書が得られる。ユーザー登録すれば、数学ゲームや漫画が楽しめる。

さらにスクロールしてゆくと、マニュアルが読める。
Manual_page

さらにスクロールしてゆくと、キャンペーンのキャッチフレーズ "DON'T BUY FAKE PRODUCTS!" が現れる。
 DON'T_BUY_FAKE_PRODUCTS

タイ工場での製造
ボディ裏側にある刻印に MADE IN THAILAND とあるので、摸倣対策品をタイ工場で生産していることがわかる。

 ES PLUS 2nd edition のプロモーションビデオ
このビデオでは、正規品は壊れにくく、耐久性に優れ、環境要件にも適合、使いやすく改善され、正規品のユーザー向けに容易された数学ゲームや漫画で楽しめることをアピールしている。




性能比較

日本モデルの fx-993ES に近い fx-991ES PLUS 2nd editionfx-995ES に近く ESシリーズで最も高機能な fx-115ES PLUS 2nd edition を比較する。

機能の比較
fx-991ES PLUS 2nd edition になく fx-115ES PLUS 2nd edition にある機能は、以下のものである。
・不等式評価モード (INEQモード)
・真偽評価モード (VERIFモード)
・分布関数モード (DISTモード)
・総積 (Π)
・除算の余り計算 (÷R)
・循環小数表示
・最大公約数 (GCD)
・最小公倍数 (LCM)
・数値の整数部分を得る (Int)
・引数の値を超えない最大の整数値を得る (Intg)
・整数乱数 (RanInt#)
・2つ前のアンサーメモリ (PreAns)

循環小数
循環小数の表記には幾つかの異なったものがある。日本では循環する小数の最初と最後の数字の上にドットを書く。アメリカでは循環する小数の最初の数字から最後の数字まで上線を書く。この違いは、電卓への実装にも現れている。

日本式
  fx-375ES A  の循環小数キー:fx-375ESA_Repeating_Decimal_Key.jpg
Repeating_Decimal_JP

アメリカ式
  fx-115ES PLUS 2nd edition の循環小数キー:fx-115esplus2_Repeating_Decimal_Key
Repeating_Decimal_US


計算性能の比較
分数表示と演算精度
235÷658 を計算すると 5/14 と表示され、[S↔D] キーを押せば 0.3571428571 と小数表示される。計算精度は 10 桁になっている。

桁落ち
123456789123456 - 123456789123411 を計算すると、本来 45 となるべきところ 0 となり、桁落ちが発生する。これはカシオの全ての関数電卓、グラフ関数電卓で見られるカシオ特有の問題である。ちなみに一部のモデルに搭載されている Pythonモードでは、桁落ちは見られない。

内部演算精度
radモードで tan(π/2) = -∞ となるところ、近似的に tan(355/226) として、tan( の内部実装精度、および内部演算精度を調べる。
※ tan(355/226) = -7,497,258.18532558711290507183
・fx-115ES PLUS 2nd edition: -7497258.44
・fx-991ES PLUS 2nd edition: -7497258.44
同じ結果になった。

べき乗とルート計算
(-32)^(3/5) を計算してみる。
・fx-991MS: Math ERROR
・fx-991MS 2nd edition: Math ERROR
fx-115ES PLUS 2nd edition-8
fx-991ES PLUS 2nd edition-8
・fx-JP900: -8
・fx-5800P: -8
・fx-9750GIII: -8
・fx-CG50: -8

MSシリーズやそのリニューアルモデルでは、Math ERROR となる。
一方、fx-115ES PLUS 2nd edition や fx-991ES PLUS 2nd edition は、両方とも正しく -8 と表示された。カシオの関数電卓では、ESシリーズで初めてこの計算を正しく行えるようになっている。
参考までに、プログラム関数電卓 fx-5800P、グラフ関数電卓 fx-9750GIIIfx-CG50 の結果も併記した。いずれも正しい結果になる。

積分計算
時間のかかる積分計算として、以下の計算を調べる。
Integral_! 
この積分は、radモードでも degモードでも同じ結果になるが、計算は rad モードで行う。

モデル結果出力処理時間
 fx-991ESπ413.4 秒
 fx-991ES PLUS 2nd editionπ400.6 秒
 fx-375ES Aπ395.1 秒
 fx-115ES PLUS 2nd efditionπ394.1 秒
 fx-993ESπ411.8 秒
 fx-995ESπ427.3 秒
 fx-JP900π83.7 秒
 fx-5800Pπ173.3 秒
 fx-9750GIII (OS3.40)π14.5 秒
 fx-CG50 (OS3.50)π9.2 秒
※ 参考までに、Natural-VPAM 機能を搭載した fx-993ESfx-995ESfx-JP900、そしてプログラム関数電卓 fx-5800P、グラフ関数電卓 fx-9750GIIIfx-CG50 の結果も併記する。

fx-JP900 は極めて高速化されていて、スタンダード関数電卓の中では最速であった。fx-115ES PLUS 2nd edition は ESシリーズの中では最速の結果になり、fx-JP900 よりも古いモデルの中では最速であった。なお、fx-995ESfx-993ES よりも遅いのは意外である。

fx-115ES PLUS 2nd edition は、ESシリーズのなかでは、計算速度が最も速いことが判った。



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管理人が所有している電卓

更新 2021/02/01

普段使いの電卓

初めての普段使い
初めて購入した関数電卓が FX-502P で、まさか後世に名器と言われるようになるとは思わず、乱雑に普段使いしていた。人生で初めてプログラムを作ったのもこの電卓だ。その後、系統の違う fx-4500P やスタンダート関数電卓を購入して使ってみたが、何かがしっくりと来なかった。結局普段使いで長く愛用したのは、FX-502P の後継機種 FX-602PFX-603P そしてスタンダード関数電卓の fx-993ES であった。

ポケコンを使う友人が周りに多くいたが、ポケコンよりもPCでのプログラミングに興味を持ったので、ポケコンは買ったことも使ったことももない。一時期 小さなリブレット(東芝製)というPC (Libretto 30、Libretto M3、Libretto ff1100V) を持ち歩いて、プログラミングを楽しんでいた。


その後の普段使い
2007年に fx-5800P に乗り換えるまで FX603P を15年間愛用、2010年に fx-JP500 に乗り換えるまで fx-993ES は 7年間愛用した。


現在の普段使い [2020/11/05 更新]
現在は、会社の机に fx-JP500 を常備し、fx-5800P と fx-9860G Slim (参考) に仕事で使うプログラムを入れて日常的に使っている。プライベートでは fx-CG50fx-9750III で走る アドイン版 Casio Basic (C.Baisc) や Casio Python でプログラムを作って遊んでいる。


気に入ったモデルを長期間愛用する傾向が強いので、元々所有したことのある電卓は少なかった。

ところが 2019年に 搭載言語の変遷や進化を調べて "プログラム電卓温故知新" という連載を始めたところ、進化上のターニングポイントになるモデルで実際にプログラムを走らせたくなった。そこで中古を含めて複数のプログラム電卓を入手した。それでもコレクターに比べれば少ないと思う。

一旦所有した電卓は、全ての機種を定期的に電池交換と動作確認を行ってきた。人に貸して満員電車でバラバラに壊れた2機種(共にスタンダード関数電卓)を除き、他は全て稼働状態で保管している。初めて購入した FX-502P は 40年経った今でも完全正常作する。バブル崩壊前(1980年台以前)の昔の電卓は高品質な部品や素材を使っていて、とても堅牢な作りだったと思う。

2021/01/31 追記:
fx-115ES PLUS 2nd edition を Amazon USA から入手

2021/01/25 追記:
fx-375SE A をアマゾンから新品を入手


2021/01/16 追記:
fx-991ES PLUS 2nd edition 中古品をセカイモンから入手


2020/11/05 追記:
ヨーロッパ限定発売の fx-7400GIII をセカイモンから新品で入手

2020/05/20 追記:
北米限定発売の fx-9750GIII をセカイモンから新品で入手

2020/03/27 追記:
ヨーロッパ限定発売の fx-9860GIII を Amazon Franceから新品で入手

2020/02/17 追記:

ヨーロッパで発売予定の fx-9860GIII と同じデザインコンセプトで fx-991MS模倣品対策の fx-991MS 2nd edition を新品で入手

2019/08/01 追記:
搭載言語の歴史的変遷や進化を調査するため、fx-CP400 を新品で入手。

2019/07/22 追記:
搭載言語の歴史的変遷や進化を調査するため、fx-4000P を中古で入手。

2019/07/19 追記:
中古で入手した fx-7000G は液晶に多くの埃が付着し筐体も割れていたので、程度の良い中古品を追加で入手。

2019/07/19 追記:
搭載言語の歴史的変遷や進化を調査するため、CFX-9850G を中古で入手。 

2019/07/10 追記:
搭載言語の歴史的変遷や進化を調査するため、fx-4800P を中古で入手。

2019/06/30 追記:
搭載言語の歴史的変遷や進化を調査するため、中古のグラフ関数電卓を複数入手。
fx-7000G, CFX-9850GC PLUS, fx-9860G, fx-9860G AU, fx-9860G Slim, fx-9860GII (SH3)

2018/03/31 追記:
主要な関数電卓の1つとして fx-290 を記念のため保存目的で購入。

2018/02/17 追記:
fx-CG50 や fx-JP900 とほぼ同じデザインに惹かれて fx-260 Solar II を入手した (国内発売されていない)。使ってみて気がついた最大のメリットは、小型で薄く軽量な点でありワイシャツの胸ポケットに収まるポケットサイズだ。太陽電池のみで動作する(バックアップのコイン電池は不要)。設計そのものは第1世代に分類される古いもので、30 を入力後に [sin] を押す1行表示のタイプ。以前散々使ったタイプなのであまり不便に感じないが、最新の電卓になれているのでチョット頭の切替が必要だ。 



プログラム電卓

所有したことがあるのは、全てカシオ製品で22機種、29台。

機 種
 
購 入 時 期
 
作 動 状 態
 
備 考
 
プログラム関数電卓
 FX-502P
 
1979/04/02
 
 
正常動作 (41年)
 
 
生まれて初めて使った電卓
 
 
プログラム関数電卓
 FX-602P 
 
1984/06/19
 
 
正常動作 (36年)
 
 
8年間、普段使いした
 
 
プログラム関数電卓
 fx-4000P
 
2019/07/22正常動作 (35年)eBayで中古を入手
プログラム関数電卓
 fx-4500P
 
1990/02/27
 
正常動作 (30年)
電源不調⇒分解修理で復活
末尾がPAでなくPのものは
希少価値があるらしい。
プログラム関数電卓
 FX-603P 
 
1992/04/05
 
 
正常動作 (28年)
 
 
15年間、普段使いした
  
 
グラフ関数電卓
 fx-7000G
 
2019/06/19
2019/07/12
正常動作 (35年)
正常動作 (35年)
 eBayで中古を入手
セカイモンで程度の良い中古を入手
プログラム関数電卓
 fx-4800P

2019/07/09正常動作 (24年)Amazon で中古入手
グラフ関数電卓
 CFX-9850G
 
2019/07/19正常動作 (24年)セカイモンで中古を入手
グラフ関数電卓
 CFX-9850GC PLUS
 
2019/06/12正常動作 (15年)eBay で未使用品(新品同様)を入手
グラフ関数電卓
 fx-9860G
 
2019/06/25正常動作 (15年)Amazon で中古を入手
グラフ関数電卓
 fx-9860G AU
 
2019/0617正常動作 (15年)eBayで中古を入手
グラフ関数電卓
 fx-9860G Slim
 
2019/06/17
2019/08/16
2019/08/25
 
1台目、正常動作 (13年)
2台目、正常動作 (13年)
3台目、正常動作 (13年)
eBasyで中古を入手
セカイモンで 未開封新品を入手
セカイモンで程度の良い中古を入手
プログラム関数電卓
 fx-5800P
2007/05/25
2013/10/05
1台目、盗難に遭う
2台目、正常動作、ヒンジ破損
あまりプログラムを作らなかった
ヒンジ修理、プログラムバックアップ用
2014/09/263台目、正常動作、ヒンジ破損ヒンジ修理、プログラムバックアップ用

 
2017/06/01
 
4台目、正常動作
 
普段使い、ヒンジ・カバーをリフレッシュ
 
グラフ関数電卓
 fx-9860GII SD (SH3)
 
2019/06/23正常動作 (11年)メルカリで中古を入手
グラフ関数電卓
 fx-9860GII (SH4A)
2014/12/05
 
 
7ヶ月で液晶のライン抜け
正常動作
カシオにより無償交換
 
 
 
 
2017/07/28
 
2台目、正常動作
 
Amazon USA で新品購入(8/8到着)
 
グラフ関数電卓
 fx-9860GII SD
 
2017/07/27

 
正常動作

 
Amazon USA で新品購入 (8/14到着)

 
グラフ関数電卓
 fx-CG20


2016/04/11
  
 
 
正常動作
 
 
 
動作が遅いのでプログラムの動作確認に
使う程度。fx-CG50 登場で役割を終えた
た機種だと思う
 
グラフ関数電卓
 fx-CG50
2017/07/05
2018/07/24
  
正常動作
2台目、正常動作
 
eBay USA で新品購入
Amazon USA で新品購入 
CASグラフ関数電卓
 fx-CP400
2019/08/01

 
正常動作Amazon Japan で並行輸入品を購入
グラフ関数電卓
 fx-9860GIII
2020/03/27正常動作

 
Amazon Franceで新品購入
ハードカバーのゴム足が最初から1つ無い
グラフ関数電卓
 fx-9750GIII
2020/05/01正常動作

 
セカイモンで新品購入
グラフ関数電卓
 fx-7400GIII
2020/10/03正常動作
 
セカイモンで新品購入

※)中古品購入のため、発売年からの年数とした。
 
My_func_calcs_20190803

My_graph_calcs_20190803

                  My_graph_calcs_2_2020110  


関数電卓

所有したことがあるのは 16機種 17台。

機 種
 
購 入 時 期
 
備 考
 
fx-911s??初めて買ったスタンダート関数電卓。満員電車で壊れ、廃棄
fx-991s??満員電車で壊れ、廃棄
fx-991W1999/11/23正常動作
fx-991MS
fx-991MS 
2002/01/17
2018/03/19
保管中に電池液漏れで壊れているのを発見(2017/12/30)、破棄
正常動作、Amazon USA で fx-991MS Plus を購入、機能は同一
fx-991ES2005/12/07正常動作
fx-993ES
 
2010/02/09
2012/01/17
正常動作、極めて頻繁に使用し、一部キートップの文字摩滅
正常動作、追加購入、最も長く普段使いした
fx-2902018/03/31正常動作、記念&保存のため購入
fx-995ES2013/10/19正常動作、記念&保存のため購入
fx-JP9002015/05/21正常動作、記念&保存のため購入
fx-JP5002017/07/06正常動作、会社の机に常備
fx-JP7002018/01/24正常動作、記念&保存のため購入
fx-260 Solar II2018/02/11正常動作、記念&保存のため購入、道具箱に常備
fx-991MS 2nd edition2020/02/14正常動作、記念&保存のため購入
fx-991ES PLUS 2nd edition2021/01/16正常動作、記事作製、記念&保存のため購入
fx-375ES A2021/01/25正常動作、記事作製、記念&保存のため購入
fx-115ES PLUS 2nd edition2021/01/31正常動作、記事作成、記念&保存のため購入
 
My_func_calcs_20210125_1   
               My_func_calcs_20210204_2 

一般電卓

機 種購入時期備 考
   
カシオ SL-8802018/03/23正常動作、関数/プログラム電卓以外で購入した唯一の電卓。記念のため入手。
 sl880.png 




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fx-991ES PLUS 2nd edition の概要

 
2021/01/16
修正 2021/01/31


Casio fx-991ES PLUS 2nd edition - 摸倣品対策モデル

日本では 2005年1月に発売された fx-991ES は、fx-993ESfx-995ES とバージョンアップされた。fx-993ES に対応するヨーロッパモデルが fx-991ES PLUS であり、それがリニューアルされ、fx-991ES PLUS 2nd edition と名付けられた。今回はこのモデルを紹介する。

2nd edition と名付けられるモデルは、主に中国メーカーによる摸倣品対策のために、正規品であることを示す機能が追加され、それ以外は機能の変更はなく、デザインが変更されている。

ところで、fx-991ES は、数式通りの入力を実現する Natural-VPAM (教科書通り数式自然入力) を搭載した最初のカシオ関数電卓であった。
カシオ電卓総合カタログ 2005年1月版

日本では、fx-991ES の後継モデルが fx-993ES、さらに進化したモデルが fx-995ES であった。ESモデルの 2nd edition の国内発売モデルは fx-375ES A だ。

ヨーロッパでは、fx-991ES の後継は、fx-993ES と同じデザインの小型化・薄型化されたボディに収められた fx-991ES PLUS という名称が与えられている。細かい機能は fx-993ES と異なる。fx-995ES に対応するモデルは、同じデザインのボディで機能追加された fx-991ES PLUS C であった。この地域での 2nd edition モデルは fx-991ES PLUS 2nd eidition (日本の fx-993ES 相当)と fx-991ES PLUS C 2nd edition (日本の fx-995ES 相当、北米の fx-115ES PLUS 2nd edition と同じ) が2019年に発売された。

北米では、fx-991ES ではなく fx-115ES として発売された。その後継は fx-115ES PLUS で、その機能は日本モデルの fx-995ES に相当する。機能をとほぼ同じ機能で発売された。この地域での 2nd edition モデルは、fx-115ES PLUS 2nd edition が2019年に発売された。この機能は 日本モデルの  fx-995ES に相当する。

fx-991ESfx-911ES PLUS fx991es_2
     fx-991ES       fx-991ES PLUS    fx-991ES PLUS 2nd edition
    (日本モデル)     (欧州モデル)      (欧州モデル)

日本国内でのESモデルの fx-993ES の機能を引き継いだのが、fx-991ES PLUS 2nd edition で、これは日本国内では発売されていない。

Natural-VPAM に対応した ESシリーズは、最初のモデル fx-991ES から、地域によって進化の経路が下記のように異なる。
地域  ESモデル進化1  ESモデル進化2  ESモデル摸倣対策品
日本 fx-991ES⇒ fx-993ES⇒ fx-995ESfx-375ES A
欧州 fx-991ES⇒ fx-991ES PLUS
⇒ fx-991ES PLUS C    
fx-991ES PLUS 2nd edition
fx991ES PLUS C 2nd edition
北米 fx-115ES⇒ fx-115ES PLUSfx-115ES PLUS 2nd edition
※ これまで調べた範囲での各地域ごとのモデル展開。北米モデルは常に欧州モデルより少し多機能で、安い設定になっている。

カシオ関数電卓の分類
カシオの関数電卓は、以下のように世代に合わせて MSモデル ⇒ ESモデル ⇒ EXモデルなどと区分けされている。これらのモデル以外の関数電卓、ならびにプログラム関数電卓やグラフ関数電卓も下表に分類する。 

  世 代表示行数入力方式出力方式代表的機種 (摸倣対策品は赤文字)
第1世代1行表示置数後に関数入
置数と計算結果fx-260 Solar II
FX-502P, FX-602P
 
第2世代
  (MSモデルなど)
2行表示数式通り入力
(VPAM / S-VPAM)
入力表示行と結果出力行を
分ける
fx-991s, fx-991W, fx-991MS
fx-991MS 2nd edition
fx-290A

FX-603P, fx-4000P
fx-4500P, fx-4800P
fx-7000G, CFX-9850Gシリーズ
fx-7400GIII
 
第3世代
  (ESモデルなど)
複数行表示教科書通り
数学自然入力
(Natural-VPAM)
数学自然表示
(積分や総和記号入力も)
fx-991ES, fx993ES, fx-995ES
fx-991ES PLUS
fx-991ES PLUS C
fx-115ES PLUS
fx-991ES PLUS 2nd edition
fx-991ES PLUS C 2nd edition
fx-115ES PLUS 2nd edition
fx-375ES A

fx-5800P, fx-9860Gシリーズ
fc-9750GIII
 
第4世代
  (EXモデルなど)
高精細
複数行表示
教科書通り
数学自然入力
(Natural-VPAM)
数学自然表示
(積分や総和記号入力も)
fx-JP900, fx-JP700, fx-JP500
fx-991EX

fx-CG20, fx-CG50


模倣品対策

主に中国メーカーによる悪質なコピー模倣品対策として、カシオはユーザーに対して模倣品排除キャンペーン -  "Don't Buy Fake" キャンペーンを行っており、QRコード/ホログラムのステッカーを使って "カシオ正規品" であることを証明できるパッケージング対策を始めている。
Casio fx-991MS の完全模倣品 OSALO OS-991MS (笑)
 Don't buy fake. (ニセモノを買うな)


購入前に正規品の確認が可能

fx-991MS
については、それまでの中国工場製造からタイ工場製造に切り替え、fx-991MS 2nd edition を投入し、パッケージにQRコードとホログラムを貼付してる。

fx-991ES PLUS 2nd edition のパッケージにも同様に QRコード/ホログラムのステッカが貼付されている。
 QR_HOlogram 

これは、購入前に店頭で正規品の確認ができるように用意されている。このQRコードを読み込むめば、正規品の確認ができ、正しいホログラムかどうかの調べ方も参照できるようになっている。
Authenticity_Check_by_QR_on_Package.png


購入後に電卓本体が正規品だと確認可能

QR_on_Calc_2fx-991ES PLUS 2nd edition は、電卓本体でQRコードと製品IDを表示する機能が追加されており、電卓本体が正規品であることを確認可能だ。
[MODE] - [0] をキーを押すとこのような表示になる。このQRコードを読み込むと正規品を証明するページにアクセスできるようになっている。

fx-991MS 2nd edition ではこの機能がないが、fx-991ES PLUS 2nd edition では模倣品対策がさらに強化されている。

電卓で表示されるQRコードを読み取ると以下のページにアクセスできる。
Authenticity_page

このページからユーザー登録すると、正規品証明書が得られる。ユーザー登録すれば、数学ゲームや漫画が楽しめる。

さらにスクロールしてゆくと、マニュアルが読める。
Manual_page

さらにスクロールしてゆくと、キャッチフレーズ "DON'T BUY FAKE PRODUCTS!" が現れる。
 DON'T_BUY_FAKE_PRODUCTS
リニューアルモデルである 2nd edition の目的はコピー模倣品排除であることがよくわかる。

 fx-991ES PLUS 2nd edition のプロモーションビデオ
このビデオでは、正規品は壊れにくく、耐久性に優れ、環境要件にも適合、使いやすく改善され、正規品のユーザー向けに容易された数学ゲームや漫画で楽しめることをアピールしている。




タイ工場での生産

fx-9750GIII_fx-991ES_2nd_edition_Integralボディ裏側にある銘板の刻印には、MADE IN THAILAND と書かれている。中国工場からタイ工場へ生産拠点を移管するのも、模倣品対策の1つと思われる。

同じく MADE IN THAILAND のスタンダード関数電卓 fx-991MS 2nd edition とボディ形状がほぼ同じで、さらにグラフ関数電卓 fx-9750GIII とは配色も含めたボディのデザインが酷似している。左が fx-9750GIII で、右が fx-991ES PLUS 2nd edition だ。



今後、地政学的観点からもカシオの製造拠点は中国からタイへの移管が進んでゆくのであろう。タイ生産拠点のスマート工場化によるコスト低減に取り組んでいる記事を紹介する。

スマート工場化で起こりうる課題、カシオがタイ工場で得たもの(前編)
スマート工場化で起こりうる課題、カシオがタイ工場で得たもの(後編)

以前購入したタイ工場製造の fx-9860GIII で、ハードカバーにあるべきゴム足が1個付いていなかった。検査工程での不良品の取りこぼしだったのだろう。品質管理のレベルが向上することを期待している。

日本国内で販売されている fx-375ES Afx-290A は、それぞれ fx-991ES PLUS 2nd editionfx-991MS 2nd edition とデザインが酷似しており、タイ工場生産品目だ。国内向けにも模倣対策品が投入され始めている。

fx-375ESA fx-290A 
   fx-375ES A        fx-290A


性能比較

fx-991ESfx-991ES PLUS 2nd edition の性能を比較してみる。

機能の比較
キー配置と各キーに割り当てられている機能は全く同じである。

計算性能の比較
分数表示と演算精度
235÷658 を計算すると 5/14 と表示され、[S↔D] キーを押せば 0.3571428571 と小数表示される。計算精度は 10 桁になっている。

桁落ち
123456789123456 - 123456789123411 を計算すると、本来 45 となるべきところ 0 となり、桁落ちが発生する。これはカシオの全ての関数電卓、グラフ関数電卓で見られるカシオ特有の問題である。ちなみに一部のモデルに搭載されている Pythonモードでは、桁落ちは見られない。

内部演算精度
radモードで tan(π/2) = -∞ となるところ、近似的に tan(355/226) として、tan( の内部実装精度、および内部演算精度を調べる。
※ tan(355/226) = -7,497,258.18532558711290507183
・fx-991ES: -7497258.44
・fx-991ES PLUS 2nd edition: -7497258.44
同じ結果になった。

べき乗とルート計算
(-32)^(3/5) を計算してみる。
・fx-991MS: Math ERROR
・fx-991MS 2nd edition: Math ERROR
fx-991ES-8
fx-991ES PLUS 2nd edition-8
・fx-JP900: -8
・fx-5800P: -8
・fx-9750GIII: -8
・fx-CG50: -8

fx-991ES の1つ前のモデル fx-991MS やリニューアルモデル fx-991MS 2nd edition では、Math ERROR となる。
一方、fx-991ES と fx-991ES PLUS 2nd edition は、両方とも正しく -8 と表示された。カシオの関数電卓では、ESシリーズで初めてこの計算を正しく行えるようになっている。
参考までに、プログラム関数電卓 fx-5800P、グラフ関数電卓 fx-9750GIIIfx-CG50 の結果も併記した。いずれも正しい結果になる。

積分計算
時間のかかる積分計算として、以下の計算を調べる。
Integral_! 
この積分は、radモードでも degモードでも同じ結果になるが、計算は rad モードで行う。

モデル結果出力処理時間
 fx-991ESπ413.4 秒
 fx-991ES PLUS 2nd editionπ400.6 秒
 fx-993ESπ411.8 秒
 fx-995ESπ427.3 秒
 fx-JP900π83.7 秒
 fx-5800Pπ173.3 秒
 fx-9750GIII (OS3.40)π14.5 秒
 fx-CG50 (OS3.50)π9.2 秒
※ 参考までに、Natural-VPAM 機能を搭載した fx-993ESfx-995ESfx-JP900、そしてプログラム関数電卓 fx-5800P、グラフ関数電卓 fx-9750GIIIfx-CG50 の結果も併記する。

fx-JP900 は極めて高速化されていて、スタンダード関数電卓の中では最速であった。fx-911ES PLUS 2nd editionfx-991ES よりも高速化されており、fx-JP900 よりも古いモデルの中では最速であった。なお、fx-993ES よりも後継モデルの fx-995ES の方が遅いのは意外であった。

fx-991ES PLUS 2nd edition は、fx-991ES と同じ機能であるが、計算速度が少し向上していることが判った。



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keywords: CasioBasicプログラム電卓、fx-CG50

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温故知新 - CFX-9850GC PLUS

プログラム電卓 温故知新
 - 搭載プログラミング言語に注目して、プログラム電卓の変遷を考える -
<目次>


 
2019/06/23
追記修正 2020/01/04
追記修正 2021/01/11


過去から現在に至る性能や仕様の変化を調べ、プログラミング言語を中心にカシオ製プログラム電卓の系譜を明らかにする。

5. 新世代 Casio Basic 登場前夜 - 可読性と機能の向上(2)

今回は、2004年発売の CFX-9850GC PLUS を取り上げる。国内では 2005年1月に発売された。海外では2010年まで発売されていたが、国内では2006年には生産中止扱いになり、2007年にはカタログに掲載されなくなった。国内でのカタログ掲載期間は1年8ヶ月と短かった。
2005年1月発行のカシオ電卓総合カタログ
2006年9月発行のカシオ電卓総合カタログ

カシオ機に搭載されたプログラム言語で、Basicコマンドが追加されたものを欧米のプログラム電卓コミュニティでは Casio Basic と呼ばれている。私も当ブログ開設当初から Casio Basic という呼称を使っていた。

Casio BasicGetkeyLocate が追加されたのが CFX-9850G であった。その後、コマンドや関数が追加され、シリーズ最終の CFX-9850GC PLUS が登場した。この機種の後継として fx-9860G が発売され、これ以降の機種に搭載された言語を当ブログでは "次世代Casio Basic" と呼称している。

fx-9860G の1つ前の機種である CFX-9850GC PLUS はCFXシリーズの最終形であり、新世代Casio Basic 登場前夜と言える。


Casio CFX-9850GC PLUS

CFX-9850GC_PLUSCFX-9850GC_PLUS_Manual

2004年海外で発売、2005年1月 に国内発売開始、海外では2004年発売。
カタログ 取扱説明書 (Casioサイト) 取扱説明書 (e=Gadgetサイト) 

64KBのメモリ領域にシステムも含まれており、それ以外がプログラムやデータに使える。取扱説明書の表紙から分かるのは、fx-9750G PLUS(モノクロ液晶)など複数の機種とほぼ共通の仕様になっている。

取扱説明書で分からない Casio Basic の使いこなし が当ブログのメインテーマなので、実際に触ってみたいと思い、以前から中古品を探していた。


実際に入手した CFX-9850GC PLUS
幸運なことに、eBayで "未使用品 - 動作確認のため開封" というものを見つけたので入手した。EU域内保証書が添付されていた。
 CFX-9860GC_PLUS_1 CFX-9850GC_PLUS_2 
実際に傷や汚れが一切なく、新品状態であった。

CFXシリーズは、3色カラー液晶搭載のグラフ関数電卓で、デフォルトがブルーで、オレンジとグリーンを追加した3色が使える。実際の画面は、輝度も色もコントラストが低い。液晶を見る角度でコントラストや色合いが大きく変化するのも見づらさの原因だ。明るいところでは問題ないが、少し暗くなると見づらいと感じる。実際にしばらく使い続けると多少は慣れた。
CFX-9850GC_PLUS_Display 

fx-9860GIIシリーズのメニュー画面を比較する。
CFX-9850GC_PLUS_Display fx-9860GII_SD_Display 
液晶のバックグランドが黄色みが強いことも視認性の悪さの原因だと感じる。
また、この3色カラー液晶は応答性が悪い。

なお、CFX-9850GC PLUSの液晶画面のサイズは、fx-9860Gシリーズと比較すると小さいことが分かる。
Disp_Size_9859GC_9860GII 


関数電卓としての性能 [2019/06/25 追記]
キーの種類と配置は、後継機のfx-9860Gシリーズと同じになっている。但し、[SHIFT] と一緒に押して選ぶ裏の機能やファンクションメニューの機能は fx-9860G よりは少なく、当然ながら後継機で進化しているわけだ 。

分数表示と演算精度
235÷658 を計算すると 0.3571428571 と表示される。計算精度は内部15桁で、後継機種 fx-9860Gと同じ。
ここで、[F↔D] キーを押しても 5/14 にはならない。ここは、後継機種 fx-9860Gと異なる。

複素指数関数
eπi を計算してみる。計算できれば答えは -1 になる。
Complex 
fx-9850GC PLUS では複素指数関数の計算ができず、演算エラー(Ma ERROR) になる。但し、複素数の加減乗除はできる。
後継機種の fx-9860G以降のモデルでは複素指数関数の計算に対応している。


搭載言語 (Casio Basic) の概要 [2019/8/18 追記]

追加されているBasicコマンドによりプログラムの可読性と機能が向上し、さらに GetkeyLocate が追加されているのでプログラムの自由度が向上している。さらに CFX-9850G よりも関数が追加されている。

主なコマンド
 - 入力:?→, Getkey
 - 出力:" ", , Locate
 - カラーコマンド:Orange, Green (" "とSketchコマンドにのみ有効)
 - 無条件ジャンプ:Goto / Lbl
 - 条件ジャンプ: (fx-4000P、7000G と同じ仕様)
 - カウントジャンプ:Isz, Dsz
 - 条件分岐:If / Then / Else / IfEnd
 - For ループ:For / To / Step / Next
 - Do ループ:Do / LpWhile
 - While ループ:While / WhileEnd
 - 制御コマンド:Break, Return, Stop
 - 比較演算: =,, >, <,,
 - 論理演算: And, Or, Not
 - 配列:無し
 - リスト:List (配列としても使える)
 - 行列:Mat (配列としても使える)、機能としてはまだ不完全(下記参照)
  
初期化コマンド Dim が追加されているが ClrMat が無いので、プログラム内で行列領域を削除できない。 
 - 各種関数

但し、以下の要因により可読性が損なわれている。
 - Then / Else 直後の改行:Syn ERROR になる
 - 行頭での改行 (空白行):Sys ERROR になる

 主なグラフィック コマンド
 - グラフ設定:CoordOn/CoordOff, GridOn/GridOff,
        AxesOn/AxesOff, LabelOn/LabelOff
 - 座標系設定:ViewWindow,
        Xmax/Xmin/Xscl/Xfct, XdotYmax/Ymin/Yscl/
Yfct  Xdotが追加されている
 - 消去コマンド:ClrGraph, Cls
 - Sketchコマンド:Plot, PlotOn/PlotOff, PlotChg, PxlOn, PxlOff, PxlTest
          Line, F-Line, Vertical, Horizontal, Circle
 - 各種グラフコマンド

但し、Plot, PlotOn, PlotOff, PlotChg, PxlOn, PxlOff, PxlChg, Circle の詳細仕様は、後継の fx-9860G 以降とは異なる。CFX-9850GC PLUS ではこれらのコマンドのパラメータに X, Y を使うと誤動作する。X, Y は内部動作のために予約されていると思われ、これらのコマンドを実行すると予期せぬ値が X, Y に自動的に入力されてしまう。つまり、X, Y をパラメータに使ってはいけない。

後継機種である fx-9860G 以降 fx-CG50 までのグラフ関数電卓では上記のコマンド実行後に、それぞれのコマンドの詳細仕様に従った正しい値が X と Y に自動的に入力される。つまり、その詳細仕様を理解していれば上記のコマンドのパラメータに X, Y を使える。


プログラムの作成と実行
キーコード取得プログラム GETKEY を入力してみた。コマンドを入力するためのキー (キープレス) は、fx-9860Gシリーズや最新の fx-CGシリーズと全く同じだ。言語機能の基本仕様はこの機種の頃から固まっていることが分かる

ファイル名:GETKEY
Locate 1,1,"=== GET KEYCODE ==="
Locate 1,3,"KEYCODE ="
Locate 10,5,"HIT ANY KEY"
Locate 13,7,"[AC]:QUIT"
While Getkey
WhileEnd
Do
Do:Getkey→K
LpWhile K=0
Locate 9,3,"=   "
(スペース6個)
Locate 11,3,K
LpWhile 1


GETKEY 
[DEL]キーを押したところ、キーコード44が表示されている。
fx-9860Gシリーズや fx-CGシリーズと同様に、テキスト表示の範囲は21桁7行だ。

[AC]キーを押してプログラムを終了させると、画面下8行目に Break と表示される。
ここで、[EXE] を押すとプログラムが再起動し、もう一度 [AC] を押すとProgram List に戻らず RUNモードに切り替わる。
この仕様は、fx-9860Gシリーズや fx-CGシリーズとは異なる。完成したプログラムを繰り返し使うには便利な仕様だ。一方、プログラムを試してから修正する場合は面倒だ。RUNモードに戻った後、[MENU] を押して PRGMモードに移行して編集するプログラムを探す必要がある。

Program List には、プログラム名 (ファイル名) は入力した順序で並んでおり、アルファベット順になっていない。プログラムの数が多いと、編集あるいは実行したいプログラムを探すのが楽ではない。

CFX-9850GC PLUSProgram List でプログラムを探す最善の方法は、サーチ(検索)機能だ。Program List 画面で [F6] (▷) - [F1] (SRC) と押せば Search For Program 画面が現れるので、そこで探しているプログラム名の頭のアルファベットを押せば良い。すると同じ頭文字で始まるプログラム名が全て表示される。この機能は必須だ。

ところで、取扱説明書には、以下の記述がある。
Program_Manual_Note
繰り返し計算や複雑な計算を便利に実行するのが、プログラム機能の主目的だと考えれば、プログラム終了後に Program List 画面に戻らず、RUMモードになる仕様は、理にかなっている。


プログラムの編集 [2019/07/01 修正]
プログラム編集画面は、極めて使いにくい。

パソコンで文章を書く時は、通常は挿入モードで利用しているはずで、上書きモードは必要な時のみ切り替えて使うと思う。fx-9860Gシリーズや fx-CGシリーズでも、プログラム編集画面は常に挿入モードになっていて、必要な時に [SHIFT]-[DELL](INS) と押して上書きモードに切り替えて使う。

ところが、CFX-9850GC PLUS は、通常が上書きモードになっていて、[SHIFT]-[DELL](INS) を押して挿入モードに切り替える必要がある。一旦挿入モードに切り替えると、改行を超えない範囲でカーソル移動する限りは挿入モードが維持されるが、カーソルが改行を超えると上書きモードに戻ってしまう。改行から改行までを1行として認識し、その行内なら挿入モードが維持されるのは、ラインエディタの仕様をそのままマルチラインのエディタに持ち込んでると考えるのが妥当であろう。そのためマルチラインエディタとして編集の利便性が得られず残念な仕様と言える。

昔のプログラム電卓やポケコンで、区切り文字を使ってプログラムをズラズラと1行に書く時の仕様を、そのまま引きずっているのではないかと想像している。


プログラムの転送 [2019/08/15 追記修正]

PClink_9850GC_Plus2 PCリンク
3pin-USBケーブル (SB-88) と プログラムリンク ソフトウェア (FA-124) を使えばPCリンクや電卓の画面取得が可能になる。
3pin-USBケーブル (SB-88)
現在は製造中止品だが、takumako様により互換ケーブルが有償頒布されているので私はこれを利用した。
プログラムリンク ソフトウェア (FA-124)
カシオのサイトから無償ダウンロードできる。

 電卓間転送
3pin-3pinケーブル (SB-62) を使えば、3pin端子のあるグラフ関数電卓とプログラムの転送ができる。
3pin-3pinケーブル (SB-62)
まだ販売されているが、takumako様により互換ケーブルが有償頒布されている。SB-62 は fx-9860Gシリーズや fx-CGシリーズの国内正規版には標準添付されている。

PCへ転送されるファイルは CAT ファイル (拡張子 cat) だ。CATファイルには複数プログラムを格納できる。
具体的な操作方法は FA-124 のマニュアルを参照のこと。

ところで、電卓本体右下にある3pinコネクタには、防塵防滴用と思われるゴム製の "栓" が刺さっている。ある程度使われた中古品だとこれが無くなっているケースが多いのではないかと思う。無くしやすいので要注意だ。


fx-9860Gシリーズからのプログラムの移植
以前作ったプログラムの入った fx-9860Gシリーズと CFX-9850GC PLUS を 3pinケーブル (SB-62) で接続し、プログラムを CFX-9850GC PLUS に転送する。次にプログラムを走らせ、エラーが出たら [◀] か [▶] キーを押すとエラーが発生したコマンドにカーソルが表示されている。そこでカーソルのある部分を修正できるので、移植作業は比較的楽だ。当然エラーが発生している原因と対策を知っておく必要がある。具体的には、以下で紹介しているので、参照ください。

テキストベース・プログラム
モグラ叩きゲーム
以前作ったアクションゲーム - "Whack-a-Mole(もぐら叩き)" を転送して、必要な変更を行ってから遊んでみた。ついでにトップ画面のタイトルをオレンジにしてみた。デフォルトはブルーになっている。
ここで転送して修正したプログラムファイルは、WHACKAMOWAMINPI の3つだ。
プログラムのダウンロード - ダウンロードした Whackamo.cat には上記3つのプログラムを含む
Whack-a-Mole_9850GC 

CFX-9850GC PLUS の処理速度に対応するために、WHACKAMO の冒頭にある変数A の初期化を 2→A と変更しただけで、ロジックは変えていない。他は CFX-9850GC PLUS の搭載言語の制限に合わせて、エラーが出なくなるように修正を行うだけで移植は完了する。搭載言語のこの制限と修正方法については後述する。

実際に遊んでみると、液晶のハードウェアとしての応答性が悪い割にはゲームとして遊べて、それほど悪い感じはしない。表示が始まってところで反応できるから、表示が完了するまでのタイムラグが問題にならないのだろうと思う。

キーコード取得プログラム
以前作ったキーコード取得プログラムを転送し、エラーが出なくなるように必要な修正を行って CFX-9850GC PLUS / fx-9750G 専用に変更した。
プログラムのダウンロード - Keycode.cat
GetKey_1 GetKey_2 
左:起動直後の画面、右:キーコード取得プログラム、[EXIT] キーを押してみたところ。

CFX-9850GC PLUSfx-9860Gシリーズ / fx-CG シリーズは、全く同じキーを備えており、キーコードも同一になっている。従って、CFX-9850GC PLUS 特有の修正を行えば、ロジックや数値を変更せずに移植が可能となる。

さて、このプログラムや上のモグラ叩きゲームで、アルファベットの小文字が表示されていることにお気づきだろうか?

CFX-9850GC PLUS
 本体では、プログラム編集画面で小文字アルファベットを入力する方法が見つからない。ところが、小文字を使ったプログラムを fx-9860Gシリーズから転送したら小文字が表示されているのだ。

システムには既に小文字フォントが準備されていて、コードさえ入力されればプログラムで使えるようになっている。fx-5800P も同じ事情で、CcEditor / CcLinker を使えば 小文字アルファベットやその他フォントが使える。

温度換算プログラム
以前作った温度換算プログラムを転送し、エラーが出なくなるように必要な修正を行った。
ここで、転送・修正したプログラムファイルは、TEMPCONV と IN の2つだ。
プログラムのダウンロード - ダウンロードした TempConv.cat には TEMPCONV と IN が含まれる
TempConv 

プログラムの構造、ロジックは全く変更せず、プログラムが正常に動作する。

和暦-西暦換算・年齢推定プログラム - あの人の歳は今いくつ?
以前作った 和暦-西暦換算・年齢推定プログラムを転送して、エラーを解消する変更を実施した。長押し判定のカウンタの初期値Lを実機の処理速度に合わせて30に変更した (プログラム冒頭に 30→L と変更)。
転送・修正したプログラムファイルは、YEARCONV、YRC、YRD、INPI の4つだ。
プログラムのダウンロード - ダウンロードした YearConv.cat には YEARCONV, YRC, YRD, INPI の4つが含まれる。
YearConv 

ある程度複雑な構造でも、CFX-9850CG PLUS 搭載言語の制限や欠点を理解すれば、移植できることが分かった。


CFX-9850GC PLUS でのプログラミング

プログラミング上の制限と注意点 - fx-9860Gシリーズ / fx-CGシリーズとの比較

空行 (改行のみの行) はSyn ERROR になる
 ※対策空行を削除する
 対策を実施すると、ソースコードが非常に見づらくなる。特にブロック構造を意識した分かりやすいプログラミングには困った仕様だ。幸いコメントアウト ' が使えるので、空行の代わりに
'== 
などと書けば良いが、ソースレベルでブロック構造を分かりやすく見るには空行はとても便利だ。それが出来ないのは発展途上の欠点だと敢えて申し上げたい。これは、昔の1行プログラミングの時代の影響を引きすっていると感じられる。

Then / Else の直後を改行すると Syn ERROR になる
 ※対策Then / Else 直後の改行を削除する
 対策を実施すると、ソースコードが見づらくなる。上の空行禁止を組み合わさると、If ステートメントが非常に分かりにくくなる。ソースレベルで、ブロック構造を意識した見やすいコードを書けないにのは困った仕様だ。
これも、昔の1行プログラミングの影響をまだ引きずっている結果だと感じられる。

ループ (While / Do) の2重構造で、内側のループと If の入れ子構造が共存すると IfEnd のところで Syn ERROR になる
 ※対策:外側のWhile / DoLbl / Goto に置き換える。Break が有れば新たに Goto ジャンプに置き換える
 対策を施すと、スパゲティ化の第一歩となり、分かりやすいブロック構造を意識したプログラミングの大敵だ。個人的には最大の問題と感じている。
このエラーは、上記の 温度換算プログラムと和暦・西暦換算・年齢推定プログラムをfx-9860GII から転送して発見した。
While / DoIf の構造制御のスタック管理に失敗しているバグと考えている。昔は Goto / Lbl しか無かったところに構造制御ステートメントを追加している過渡期に潜り込んだバグがまだ解消していないのだろう。
取扱説明書の第22章ライブラリー編に掲載されているサンプルプログラムでは、構造制御に While / Do を使ったものが無く、全て Lbl / Goto が使われていることから、この時点で While / Do の機能が不完全だったと考えている。 

出力 "" で内部カーソルが改行されない
 ※対策"" で内部カーソルの改行機能を当てにせず Locate で表示位置を明示的に指定する
"" はNOP (何もしない) 処理になっているかも知れない。
"" で内部カーソル行を制御しているプログラム (fx-5800Pfx-9860G 以降のグラフ関数電卓で正常動作しているもの) を転送した場合、CFX-9850GC PLUS では画面配置が崩れる。

行末に区切り文字 : があると Syn ERROR になる
 ※対策:行末の区切り文字 : を削除する
 対策を実施しても大きな問題はない。
区切り文字は改行と同じ内部実装になっていれば、空行でエラーになるのと同じ原因なのだろう。

カラーコマンドは " " 出力には有効だが、Locate 出力には無効 [2019/05/25 追記]
 ※対策:有効な対策はない。"" で内部カーソルが改行されないので Locate を " "出力に変更できないことが多いためだ。
 カラーコマンドには、Orange と Green がある。Orange "String" と書けば String がオレンジ色で表示される。
一方、Locate コマンドで出力する場合は、カラーコマンドを追加すると Syn ERRORになる。 

出力文字列に : を含む行を ' でコメントアウトすると Syn ERRORになる
 ※対策:機切り文字 : の直後に ' を付加する
この問題は、fx-9860Gシリーズや fx-CGシリーズにも残っており、カシオは操作マニュアルを修正して対応している。
詳しくは 楽屋裏 - Casio Basic コメントアウト '  のバグ を参照

出力文字列に : を含んでも Syn ERRORにならない
これは、後継機種の fx-9860Gの OS2.1 かそれ以前のバージョンではエラーになっており、OS2.04 以降で修正されており、この修正は fx-9860GIIfx-CG20、そして最新の fx-CG50 まで維持されている。それなのに fx-9860G よりも古い CFX-9850GC PLUS で同じエラーが発生するかと思えば、エラーにならないのは、面白い。
改行のみの空行や区切り文字が行末にあることを許すように変更した際に、新たにバグが入り込んだと推測される。細かいようではあるが、このような開発の苦労や経緯が透けてくるのは面白い。 

出力命令 " " では1文字ごとに出力する
"Strings" を実行するとタイプライターのように1左から1文字づつ出力される。一方 Locate 1,1,"Strings" を実行すると、文字列が一度に出力される。

fx-9860Gシリーズ以降の機種からの移植では、実装されていない関数やコマンドで Syn ERROR
 ※対策:使えるコマンドを使って別表現に変更する (当たり前ですね)
今回移植を試みたプログラムには一例として、RanInt#( があったので、それぞれ以下のように別表現にした。 
- RanInt#(1,9)Int(90Ran#÷10)+1 に変更
- RanInt#(1,3)Int(30Ran#÷10)+1 に変更
- RanInt#(0,9)Int(10Ran#) に変更

Do / While / For ループからの脱出に Dsz / Isz を使うと Syn ERROR になる [2019/06/30 追記]
 ※対策:ループを Lbl / Goto に置き換えるか、ループ脱出に Break を使う
この現象は、fx-5800Pfx-9860G 以降のグラフ関数電卓でも存在することが確認されている。
⇒ 楽屋裏 - Dsz にとるループ脱出 参照
カシオとのやりとりの結果、ループの後 (必ずしも直後でなくても良い) に Goto 0:Lbl 0 と記述することでこのエラーを回避できることが分かっている (詳細は上記記事参照)。ところが、CFX-9850GC PLUS では、この対処方法が効かない。


処理速度の比較

四則演算および関数計算

加算プログラム
加算 

プログラムを起動し、N に 1000 を入力して実行時間を計る。

CFX-9850GC PLUS のプログラム
fx7000G_source_adding_up_Isz2 AddTest_For 
繰り返しに Goto / Lbl を使うケース(左)と For を使うケース(右)の2通りで処理速度を調べる。


数値積分プログラム
関数 

この通史積分は、とね日記 - 席初の手帳型プログラム関数電卓 CASIO FX-502P (1979), FX602P (1981) で取り上げられているものをそのまま使わせていただく。

プログラム起動し、分割数として 1000 を入力して、時効時間を計る。

CFX-9850GC PLUS のプログラム
FuncTest_Goto_9850 FuncTest_For_985 
クリア絵師に Goto / Lbl を使うケース(左)と For を使うケース(右)の2通りで処理速度を調べる。

以前調べた結果と併せて、上記の計算速度のを比較結果を示す [2019/07/31 修正]
加算プログラム数値積分プログラム
機種実行時間比較実行時間 (秒)比較
FX-502P123.1 秒---1261.8 秒---
FX-602P111.2 秒1.1 倍716.5 秒1.8 倍
FX-603P37.8 秒3.3 倍166.2 秒7.6 倍
fx-4000P61.7 秒2.0 倍349.1秒3.6 倍
fx-4500P195.0 秒0.6 倍798.1 秒1.6 倍
fx-4800PA=A+126.3 秒4.7 倍114.3 秒11.0 倍
Isz A21.2. 秒5.8 倍109.4 秒11.5 秒 
fx-7000GA=A+120.7 秒5.9 倍146.1 秒8.6 倍
Isz A19.3 秒6.4 倍143.2 秒8.8 倍
CFX-9850GGoto20.9 秒5.9 倍98.3 秒12.8  倍
For9.2 秒13.4 倍84.3 秒15.0 倍
CFX-9850GC PLUS
Goto22.0 秒5.6 倍100 秒12.6 倍
For9.2 秒13.4 倍85.4秒14.8 倍
記念すべき FX-502P を基準に、速度が何倍になっているかも併せて示している。

Basicコマンドとして追加された For 文は効率化、高速化している。Basicコマンドは可読性向上だけでは無いことが分かる。併せて関数処理も高速化していることが分かる。但し、CFXシリーズ初号機である CFX-9850G よりは少し遅くなっている。インタープリター言語なので、コマンドが追加されたことが原因だと思われる。


グラフィックス描画
▶ ドット描画プログラム

fx-7000G のグラフィック画面が 95 x 63 ドットなので、それに合わせて CFX-9850GC PLUS でも 95 x 63 ドットを塗りつぶして処理速度を比較する。

fx-7000G のプログラム
fx7000G_Dot DOT_fx7000G  

CFX-9850GC PLUS のプログラム
Dot_Plot Dot_Pxl fx9850GC_Plus_Dot 
Plot を使うケース(左)と PxlOn を使うケースの2通りで処理速度を調べる。

PlotPxlOn
fx-7000G213 秒
CFX-9850G926.5 秒0.23 倍496.0 秒0.43 倍
CFX-9850GC PLUS901.1 秒0.24 倍929.1 秒0.23 倍

CFX-9850G と全く同じコードであるにも関わらず、CFX-9850GC PLUS では遅くなっている。
PxlOn によるドット描画は、CFX-9850G の2倍の時間がかかった。
fx-7000G と比べると、処理が4倍以上遅くなった。


画面更新プログラム
上で、画面へのデータ転送が処理速度のボトルネックになることが分かったので、頻繁に画面更新するプログラムを実行して、その処理速度を調べて比較することにする。

ところで Getkey コマンドの追加によりテンキーと[EXE]キーだけでなく、[AC]を除く全てのキー入力が検知可能になり、Locate コマンドの追加により任意の位置への出力が可能になったので、プログラムの自由度が大きく向上し、画面がスクロールしないプログラムを書けるようになった。画面がスクロールしないプログラムでは、画面更新速度は重要な評価ポイントになる。

出力画面は、テキスト画面とグラフィックス画面 (グラフ画面) の2つがあり、これらは同時に表示できない。そこでテキスト画面の高速更新プログラムとグラフィックス画面の高速更新プログラムを作成して評価に利用することにする。

CFX-9850GC PLUS で調べる。
以下は CFX-9850G の結果で、CFX-9850GC PLUS のデータを後日追加する。

グラフィックス画面更新プログラム - モンテカルロ法にょる円周率計算
fx9850GCplus_Montekar 
プログラムのダウンロード - Montecar.cat を電卓に転送する
プログラムの詳細はこちら
ランダムに500回点を打って出力するまでの時間を調べる。

テキスト画面更新プログラム - ピタゴラス数の計算
CFX9860GCplus_Pytha 
プログラムのダウンロード - Pytha.cat を電卓に転送する
プログラムの詳細はこちら
ピタゴラス数500個を計算して結果を出力するまでの時間を調べる。

[2020/01/04 追記]
GetkeyLocate が初めて搭載された CFX-9850GCFX-9850GC PLUS の結果を比較した。
MONTECARPYTHA
CFX-9850G294.3 秒---165.6 秒---
CFX-9850GC PLUS295.2 秒0.99 倍267.7 秒0.62 倍

CFX-9850G に比べてグラフィック画面出力 (MONTECAR) と テキスト画面出力 (PYTHA) ともに遅くなった。
特に、テキスト画面への繰り返し出力は60%程度に速度低下している。関数やコマンドが追加されたので、当然ながら処理が遅くなったと言える。速度向上には、CPUやOSの大きな改訂が必要であり、次の機種である fx-0860G でそれが実現されている。


プログラム電卓の系譜 [2019/08/15 追記修正]

CFXシリーズの最終機種である CFX-9850GC PLUS は、CFX-シリーズの初号機 CFX-9850G と同じ仕様の言語を搭載しているが、処理速度が遅くなっている。CFX-9850G よりも関数や機能が増強されているので多少処理が遅くなるだろうと思う。しかしグラフィックスのドット描画については、特に PxlOn の処理が倍程度遅くなっているのは意外であった、

さて、CFX-9850GC PLUS に搭載されたプログラミング言語は、CFX-9850G と同様に Baiscコマンドとして IfFor / While / Do / Getkey / Locate などが追加されているが、編集画面で考えながらコーディングするのは難しいと思う。

後継機種である fx-9860G では、搭載言語と編集画面の大幅な修正が行われた。この改良は、fx-9860G と同年に発売された fx-5800P にも反映されている。

編集画面については、FX-502P / FX-602P / FX-603P では、デフォルトで挿入モードになっており、必要に応じて 上書きモードに切り替える仕様になっている。ところが、その後の fx-3650Pfx-4000P シリーズ、fx-7000G シリーズ そして CFXシリーズの最終モデル CFX-9850GC PLUS に至るまで、デフォルトで上書きモードになっていた。

当時、欧米市場での競合であった TI の電卓でも84シリーズのような古くからある機種では上書きモードが主流であった (sentaro様による情報、コメント欄参照)。

ところが、2005年に発売された機種、fx-71Ffx-5800Pfx-9860G では、一斉に挿入モードに切り替わっている。プログラミングのできない関数電卓においても、fx-991MS まではデフォルトで上書きモードで、2005年発売の次機種 fx-991ES から挿入モードに切り替わっている (2005年1月の電卓総合カタログ参照。

[2019/07/01 追記]
コメント欄に情報をお寄せいただいたsentaro様によれば、SHARP製の関数電卓も以前は上書きモードだったが、2004年以降のモデルは挿入モードに変わっているとのこと。Casioとほぼ同時期に変更されているようだ。

sentaro様の考察によれば(コメント欄参照)、欧米、特に北米での学校販売ビジネスでしのぎを削っていた TI 機と使い勝手の異なる挿入モード機を一斉に投入するには、ビジネス上のリスクを伴う大きな判断があったに違いないとのことだ。私もそれに賛同する。その上で、一斉に挿入モードに切り替えたのは、グラフ関数電卓やプログラム関数電卓の将来の目標 / ビジョンがあったのではないかと私は想像している。それは計算補助のマクロ機能を超えて、より柔軟な一般的なプログラミングが可能な言語仕様を目指すことであった、と想像している。

LocateGetley コマンドの存在は、スクロールしないプログラムを可能にするが、これらのコマンドは CFXシリーズの初代 CFX-9860G に初めて追加された。CFXシリーズは、プログラム関数電卓、ポケコン、グラフ関数電卓それぞれで個別に開発が進んでいた搭載言語が、ようやく1つの方向性に収束し、Locate / Getkey コマンドを追加することで柔軟なプログラミングが可能になり、大きく進化した。3色限定とは言えカラー表示を可能にしたのも CFXシリーズの特徴であり、各種コマンドや関数を増強した最終機種 CFX-9850GC PLUS は、カシオ機搭載のプログラミング言語の歴史の重要な転換点を示しており、次世代Casio  Basic 登場前夜の記念すべきモデルと言える。

Casio Baisc は fx-9860G シリーズでさらに進化してゆく。



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なお管理人はカシオ計算機の関係者ではなく、Casio Basicが面白いと感じる1ユーザーです。


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